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梅(ウメ)(Japanese Apricot)

梅(ウメ)

梅(ウメ)とは?

実は梅干しや梅酒に、花は奈良時代より鑑賞用として人気

DATA

学名は「Prunus Mume」、英名は「Japanese Apricot」。
バラ科サクラ属の落葉高木。
2月上~4月上旬にかけ白色・ピンク色・赤色の花を咲かせる、5枚の花弁があり大きさは1~3cm、葉に先立って咲く。
果実はちょうど梅雨の時期に多く実り収穫される(「梅雨」の名の由来に)。
中国原産で日本には奈良時代に遣隋使あるいは遣唐使によってもたらされる(西暦700年前後)。

名前の由来

元々は梅の実を燻製にした薬用の「烏梅(うばい)」として伝来、名前の由来はこの烏梅からとする説や、中国での発音「メイ」を日本人が「うめ」と聞き取ったからなど諸説ある。

利用・用途

観賞用

当初は薬用だったがその花の美しさから観賞としてももてはやされるように、花見と言えば現在では桜が一般的だが、平安時代以前の奈良時代には花見といえば梅のことを指したという。

漢詩や和歌の題材としてももてはやされ、「万葉集」でも118余首、植物では「萩」に次いで多い歌が詠まれている。

平安時代に活躍し学問の神様として知られる菅原道真が梅をこよなく愛したことから、道真を祭神とする全国各地の天満宮ではそのシンボルとして使用されているほか、梅の木が植えられ名所となっている所が多い。

食用

果実は梅干しや梅酒、梅ジャムなどに加工され、実の収穫を目的とした梅の品種は全国で100種類ほど栽培されている。

江戸時代には各藩が非常食用に梅干しを作ることを奨励したため全国各地に梅林が見られるようになり、梅干しもこの頃から一般庶民の家庭で食されるようになったという。

よく似た植物

サクラ属のためか花は桜とよく似ている

6/6は「梅の日」

室町時代の1545年(天文14年)4月17日、現在の暦で6/6に賀茂神社の例祭・葵祭で後奈良天皇に梅が献上されたという故事に基づき、2006年より和歌山県田辺市の紀州梅の会が6/6を「梅の日」と制定。

毎年梅の日の6/6には青梅、10月10日にその年の南高梅を漬けた梅干しを上賀茂神社と下鴨神社に奉納し、梅業界の発展を祈願している。

京都の梅スポット

見頃は2~3月、京都屈指の梅の名所である北野天満宮を筆頭に菅原道真を祀る各地の天満宮は梅の名所が多い。

その他にも京都御苑や二条城、城南宮などは特によく知られている。

城陽市の青谷梅林は江戸時代に各藩の奨励で多く植樹された梅林の一つで、城陽市は梅の生産量で京都府一を誇る。現在は観光名所としても有名。

寺社名 エリア ポイント
渉成園(枳殻邸) 渉成園
(枳殻邸)
京都駅 梅園「双梅檐(そうばいえん)」に紅白の梅
興正寺 興正寺 京都駅 西本願寺の隣りの寺院
境内に紅梅と白梅
梅小路公園 梅小路公園 京都駅 公園の東南側、芝生広場の西南角に「梅こみち」と名付けられた梅林(梅林の一部は下京区誕生120周年を記念して整備された)
八重寒紅、冬至、輪違い(りんちがい)、紅千鳥、大盃など14種140本
2月下~3月上旬にかけては「梅まつり」も開催され、公園で収穫した梅を使った梅茶の配布や手づくり市、梅の剪定教室などのイベントも行われる
錦天満宮 錦天満宮 三条寺町・四条河原町 本殿北側にある「大願梅の樹」には願い事を記した紙を中に入れ木栓で封をした「大願梅」が枝にたくさん結び付けられている
瑞泉寺 瑞泉寺 三条寺町・四条河原町  
菅大臣神社 菅大臣神社 三条寺町・四条河原町 菅原道真の邸宅跡で、道真の生誕の地とも伝えられる地にある神社
左遷された道真が大宰府へ向けて出発する際に「東風吹かば にほひおこせよ梅の花 主なしとて 春なわすれそ」と詠んだ「飛梅」の地と伝わり、本殿前の鳥居そばには植えられた梅には「飛梅」の名前が付けられている
京都御苑 京都御苑 京都御所 御苑の南西、蛤御門南側を中心に白梅と紅梅で20種約250本
御苑の南側の堺町御門付近、建礼門から南に続く通路にも面した所にある「黒木の梅」は濃紅色、大輪の八重咲きの梅で、御苑を代表する銘木の一つ
元は九條邸にあったが大正天皇即位大礼の際に現在地に移転、その後枯れてしまったものの接木により植継ぎされ立派に成長、1本だけだが抜群の存在感を誇る
下鴨神社 下鴨神社 京都御所 御手洗川に架かる「輪橋(そりはし)」のたもとに尾形光琳作で国宝「紅白梅図屏風」の「光琳の梅」があるほか、糺の森を流れるならの小川沿いに薄桃色の枝垂れ梅
2006年から6/6が「梅の日」と定められ、6/6と10/10に梅業界の発展を祈願して和歌山県田辺市の「紀州梅の会」より梅が奉納される
北野天満宮 北野天満宮 北野・西陣 京都随一の梅の名所で梅苑のほか境内に合わせて50種約1500本の紅梅・白梅が咲き誇る
2月初旬~3月下旬にかけ梅苑を公開するほか、祭神・菅原道真の命日にあたる2/25に「梅花祭」を開催、上七軒の舞芸妓による野点「梅花祭野点大茶湯」には大勢の参拝客が訪れる
二条城 二条城 二条城 本丸御殿の南西にある「梅林」は1954年(昭和29年)にかし林を伐採開墾し梅の木を植樹しその後拡張整備されたもので、梅林の中から内堀や天守台を望むこともできる
1本の木が紅白の花をつける珍しい「源平咲き分け(げんぺいさきわけ)」のほか枝垂れ梅・白梅・紅梅・桃色梅など約130本
平安神宮 平安神宮 岡崎・吉田・鹿ケ谷 神苑にて2月初旬より白梅、中旬より紅梅がそれぞれ30本楽しめる
東神苑の尚美舘や泰平閣付近が見所
NO IMAGE 南禅寺 聴松院 岡崎・吉田・鹿ケ谷 狛猪の傍らにある白梅
大豊神社 大豊神社 岡崎・吉田・鹿ケ谷 樹齢250~300年で洛中一大きいといわれる枝垂れ梅がある
金戒光明寺(黒谷) 金戒光明寺
(黒谷)
岡崎・吉田・鹿ケ谷 大方丈の外に遅咲きと早咲きの紅梅、東北院などの塔頭寺院にも梅が見られる
NO IMAGE 東北院 岡崎・吉田・鹿ケ谷 黒谷の時宗寺院
境内に咲く白梅は和泉式部ゆかりの「軒端の梅(のきばのうめ)」
智積院 智積院 東山七条 境内の各所に多種多様な梅の木がある
法住寺 法住寺 東山七条 竜王門の紅梅、白梅、枝垂れ梅、紅白咲き分けの梅
天龍寺 天龍寺 嵐山・嵯峨野 方丈裏の庭園の後醍醐天皇霊廟前、多宝殿の左右に紅梅と白梅
天龍寺へ向かう参道の右側の塔頭寺院がいくつかある側の築地塀沿いにも白梅が何本かある
清凉寺(嵯峨釈迦堂) 清凉寺
(嵯峨釈迦堂)
嵐山・嵯峨野 多宝塔の周辺を中心に白梅・紅梅など多くの梅の木、2008年(平成20年)には早咲きで知られる2本の河津桜も植えられ、桜と梅の共演を楽しめる
本堂の東側、阿弥陀堂の近くには樹齢350余年、和泉式部ゆかりの「軒端の梅(のきばのうめ)」も(ただし近年樹勢が衰えつつあるとのこと)
大覚寺 大覚寺 嵐山・嵯峨野 大沢池の北岸「嵯峨の梅林」約170本の梅があるほか、白砂の宸殿前には「左近の梅」
常寂光寺 常寂光寺 嵐山・嵯峨野 2月下~3月下旬まで「盆梅展」が開催され、大小40の盆梅が飾り棚に陳列される
水尾柚子の里 水尾柚子の里 嵐山・嵯峨野 柚子の里として有名だが、梅も約7000本
梅宮大社 梅宮大社 松尾・桂・西京極 子宝祈願と安産の社として知られる
神苑の北および西側を中心に境内の全域に白梅・紅梅の梅が約35種550~600本
3月の第1日曜日には子授けと安産、諸々の産業繁栄を祈願して「梅・産(うめ・うめ)祭」が開催され、神酒や神苑の梅で造られた梅ジュースの無料接待も
龍安寺 龍安寺 衣笠・御室・花園・太秦 梅林を中心に約80本
長岡天満宮 長岡天満宮 西山・乙訓 梅林に約10種類200本の梅 隣接の長岡公園にも約100本
正法寺(石の寺) 正法寺
(石の寺)
西山・乙訓 一重、八重、白、紅とさまざまな梅が咲き誇る
今熊野観音寺(観音寺) 今熊野観音寺 東福寺・稲荷 本堂右手前にしだれ梅
泉涌寺 雲龍院 泉涌寺 雲龍院 東福寺・稲荷 山門をくぐると右手前に河津桜、左奥に見事な「はねずの梅(摩耶紅梅)」
城南宮 城南宮 鳥羽・竹田・淀 「源氏物語」に登場する光源氏の邸宅・六條院をモデルにした神苑「楽水苑(源氏物語花の庭)」を整備
中でも「春の山」にある枝垂れ梅150本は息を飲む美しさで、早咲きの白から紅梅の順に2月下~3月中旬まで楽しめる
見頃に合わせて2月中~3月下旬には「しだれ梅と椿まつり」も開催される
勧修寺 勧修寺 山科・醍醐 親子孫三代の木が支え合う「臥龍の老梅」は江戸時代に京都御所から移植されたもの
隨心院 隨心院 山科・醍醐 小野小町ゆかりの寺院、境内の広大な名勝・小野梅園にはねずの梅など200本
3/1~3/31まで「観梅会」を開催し梅園を公開、3月最終日曜日には「はねず踊りと今様」(「はねず」とは薄紅色のこと)
宇治市植物公園 宇治市植物公園 宇治
松花堂(松花堂庭園・美術館) 松花堂
(松花堂庭園・美術館)
八幡 史跡名勝の松花堂庭園内、水琴窟もある茶室「梅隠」前に紅梅・白梅
神光院 神光院 紫野・鷹ヶ峯 西賀茂 遅咲き 弘法大師像を本尊
しょうざんリゾート京都 しょうざんリゾート京都 紫野・鷹ヶ峯 日本風の北庭園に100本
見頃の3月上旬から中旬にかけ「梅見の宴」を開催、茶室「玉庵」前の特別茶席では上七軒の舞妓による野点も
原谷苑(青山荘) 原谷苑
(青山荘)
紫野・鷹ヶ峯 桜で特に有名だが、梅の開花時期に「梅まつり」と「植え木販売会」を開催する
上賀茂神社 上賀茂神社 北山・上賀茂 二ノ鳥居前に紅梅と白梅(風流桜の傍らに紀州から献上された南高梅)
2006年から6/6が「梅の日」と定められ、6/6と10/10に梅業界の発展を祈願して和歌山県田辺市の「紀州梅の会」より梅が奉納される
京都府立植物園 京都府立植物園 北山・上賀茂 園内に花梅(食用の実梅ではなく観賞用)を中心とした梅林が2ヵ所、約60種150本
曼殊院門跡 曼殊院門跡 一乗寺・修学院 境内の枯山水庭園に約20本
宝が池公園 宝が池公園 岩倉・宝ヶ池 池の南側、南駐車場のすぐ隣に「梅林園」があり紅梅・白梅約200本
宝泉院 宝泉院 大原・八瀬・比叡山 庭園では樹齢700年の大きな五葉松に竹林、そして梅と松竹梅の景観を堪能できる
青谷梅林 青谷梅林 城陽 府内最大、20haの梅林に城州白や白加賀梅、小梅(オタフク・ダルマ)など1万本、江戸時代に淀藩の奨励で大いに植樹され1900年頃より景勝地として定着した
1984年からは「梅まつり」も開催している
NO IMAGE 高尾 宇治田原町 高尾集落から山腹の林道沿いに白梅を中心に梅林が広がる
けいはんな記念公園 けいはんな記念公園 精華 日本庭園「水景園」に枝垂れ梅
神蔵寺(佐伯薬師) 神蔵寺
(佐伯薬師)
亀岡 山門を入ってすぐ右手の所にブンゴウメの古木
宗教法人大本(亀山城址) 宗教法人大本
(亀山城址)
亀岡 亀岡の梅の名所
梅林に約300本の白梅と紅梅
生身天満宮 生身天満宮 南丹 早咲きや遅咲き、八重や一重など様々な種類の紅梅・白梅100本が順に咲く
3/25頃の最終日曜日に菅原道真を偲ぶ「梅花祭」を開催
梅園で採れた梅を手作りで漬け込んだ「合格梅」の授与も
NO IMAGE 龍興寺 南丹 南丹市八木町、龍安寺、亀岡市の龍潭寺とともに「京都三龍寺」の一つ
本堂前の梅園に紅梅・白梅・しだれ梅、見頃は2月中~3月下旬
NO IMAGE わち山野草の森 京丹波町 由良川沿いの自然公園
山家城址公園 山家城址公園
(山家陣屋跡・山家城跡)
綾部 観梅苑がある
如意寺 如意寺 京丹後 「関西花の寺25カ所霊場」の第七番札所で花の寺として有名
4月中旬のみつばつつじで有名だが、3月には紅梅も楽しめる

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