躑躅(ツツジ)(Azalea)
躑躅とは?
桜に続いて咲く、日本で最もポピュラーな庭木の一つ
DATA
ツツジ科ツツジ属の植物のうち日本で通常「つつじ」といわれるのは主に大紫躑躅(オオムラサキツツジ)のこと。
江戸時代に長崎県平戸市で改良された品種である「平戸躑躅(ヒラドツツジ)」の一つ。
学名は「Rhododendron Pulchrum」、英名は「Azalea」。
ツツジ科ツツジ属の常緑または落葉性の低木。
桜が咲き終わった後の4月中~5月中旬に先端が五裂した漏斗形の大きな花を枝先につける、花の色は主に赤紫色(大紫以外には赤やピンク、白などの品種もあり)。
広くアジアに分布し、日本でも奈良時代の「万葉集」にも歌が詠まれるほど古くから親しまれている。
高さは低木で1~4mくらいだが、寿命が長いことで知られ樹齢が800年を超えるものの中には5mを超えるものもあるという
名前の由来
「つつじ」の名前の由来は花が連なって咲く「ツヅキサキギ(続き咲き木)」、花が筒状であることから「つつ」、「綴り茂る」、あるいは朝鮮語でつつじを指す言葉の転訛など諸説あり。
漢字名は歩行が進まないとか足踏み、躊躇するという意味の「躑躅(てきちょく)」からで、元々は中国で毒性のあるレンゲツツジ(蓮華躑躅)の葉を食べた羊がもがき苦しんだ様子から「羊躑躅」と名付けられたものが、日本ではつつじ全般に用いられたのだという。
利用・用途
「万葉集」にも9首詠まれているなど古い時代から観賞用として親しまれ、江戸時代には数多くの園芸品種も生み出された。
現在も日本で最も親しまれている花木の一つとして、公園や道路脇などにたくさん植えられている。
よく似た植物
代表的品種としては「オオムラサキツツジ(大紫躑躅)」の他に下記のものがある。
「キリシマツツジ(霧島躑躅)」 深紅の花を咲かせる
「ミツバツツジ(三葉躑躅)」 枝先に3枚葉を出し鮮やかなピンク色が特徴的
「クルメツツジ(久留米躑躅)」 江戸時代に久留米藩で育成され九州から全国に
「ヤマツツジ(山躑躅)」 日本の野生ツツジの代表格
「ヒラドツツジ(平戸躑躅)」 江戸時代に長崎県平戸市で改良された品種
「リュウキュウツツジ(琉球躑躅)」 大輪白花ツツジの代表格
「レンゲツツジ(蓮華躑躅)」 朱色の花で毒性を持つ
「モチツツジ(黐躑躅)」 紅紫色で花や葉に粘着性があるのが特徴
またツツジ科ツツジ属の花としては他に「サツキ(皐月・Azalea)」「シャクナゲ(石楠花・Rhododendron)」「アザレア(Azalea)」「カルミア(Kalmia)」などがある
京都の躑躅スポット
寺社名 | エリア | ポイント | |
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西本願寺 (本願寺) |
京都駅 | 堀川通の五筋塀沿いの植え込み |
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下鴨神社 | 京都御所 | 御手洗池と輪橋付近 |
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妙蓮寺 | 北野・西陣 | |
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神泉苑 | 二条城 | 法成就池の周囲 |
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将軍塚大日堂 | 祇園・東山 | |
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蹴上浄水場 (蹴上のつつじ) |
岡崎・吉田・鹿ケ谷 | 約4,600本、「蹴上のつつじ」として親しまれGW頃に一般公開される 期間中は普段は目にすることのできない浄水場施設の見学ができるほかイベントも開催 |
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京都国立博物館 | 東山七条 | ロダンの「考える人」の像がある前庭付近に横一列に咲き誇る |
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天龍寺 | 嵐山・嵯峨野 | 参道や庭園にて、鮮やかなピンク色の三つ葉つつじのほか、赤紫・白・ピンク・黄色と色とりどりのツツジが楽しめる |
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嵐山公園亀山地区 (亀山公園) |
嵐山・嵯峨野 | ヤマツツジ |
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仁和寺 | 衣笠・御室・花園・太秦 | 五重塔そばの参道の両脇に鮮やかなピンク色の三つ葉つつじ、遅咲きで知られる御室桜と同時期に楽しめる |
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五智山蓮華寺 | 衣笠・御室・花園・太秦 | |
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梅宮大社 | 松尾・桂・西京極 | 北神苑に平戸つつじ(見頃は4月下~5月上)と久留米つつじ(見頃は4月中旬) |
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西明寺 | 高雄 | 裏山に自生する小葉の三葉躑躅(こばのみつばつつじ)が山一面を鮮やかなピンクに染め、所々に咲く山桜の薄いピンクとのコントラストも見事 |
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東福寺 光明院 | 東福寺・稲荷 | 塔頭重森三玲による名庭「波心庭」で有名 枯山水庭園の周囲を取り囲むようにツツジが咲く |
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城南宮 | 鳥羽・竹田・淀 | 神苑「楽水苑」の「春の山」に三つ葉つつじ |
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三室戸寺 | 宇治 | 20000株の平戸つつじが咲き誇る関西屈指のツツジの名所で、紫・ピンク・白いツツジで庭園が埋め尽くされる 同時期にしゃくなげ1000株も楽しめる |
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興聖寺 | 宇治 | |
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妙満寺 | 岩倉・宝ヶ池 | 道路に面した山門前につつじ苑、境内の方丈前などにもあり合わせて3000株あるという |
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神童寺 | 木津川 | 木津川市山城町、桜と約1,000本のみつばつつじのトンネル |
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保津川下り | 亀岡 | 朱色の岩ツツジが岩肌に可憐に咲き、保津川の初夏を彩る |
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南郷公園 | 亀岡 | 亀山城址の外堀・雑水川(ぞうずがわ)のボードウォークに沿って植栽され、「亀岡光秀まつり」の時期に見事に咲く |
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日吉ダム (天若湖) |
南丹 | ダム湖周道路府道沿いにこばのみつばつつじ |
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府立るり渓自然公園 (るり渓高原) |
南丹 | るり渓高原一帯に薄紫色の山つつじが咲き誇る |
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丹波自然運動公園 | 京丹波町 | 2011年に町の花に指定 管理棟や天文館周辺の散策路に公園整備以前から自生するミツバツツジ 正門付近にキリシマツツジ、園内道路沿いにヒラドツツジ |
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三段池公園 | 福知山 | |
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長安寺公園 | 福知山 | |
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楞厳寺 (丹波のカラス寺) |
綾部 | 関西花の寺25ヵ所霊場の第2番札所 4月中~下旬にかけ本堂前に広がる池の対岸にある小高い丘がミツバツツジの花で埋まり、池の水面に映り込む姿との対称が見事、ミニ八十八ヵ所巡りをしながら丘の頂上まで散策することも 5月初旬からは約500株のモチツツジ |
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如意寺 | 京丹後 | 京丹後市久美浜町、関西花の寺25ヵ所霊場の第7番札所 海の見える境内周辺には約1万株のみつばつつじが自生し、4月上~中旬にかけて境内周辺をめぐる散策道や山の斜面を赤紫色に埋め尽くす |
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東山公園 | 京丹後 | 京丹後市久美浜町十楽、「久美浜のこんぴらさん」の相性で親しまれる 久美浜湾やかぶと山の眺めが見事で、久美浜湾を背景に山つつじ約1万5千本が花を咲かせる 見頃の時期には「東山公園つつじ祭り」も開催 |
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獅子崎稲荷神社・雪舟観展望所 | 宮津・伊根 | 神社入口の斜面をみつばつつじがピンク色に染める 神社脇を更に登ると山頂に天橋立の雪舟観展望休憩所があり、雪舟がこの山頂から描いたとされる国宝「天橋立図」と同じ角度の景観が楽しめる |
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舟屋の里公園 | 宮津・伊根 | 伊根町 4月中~5月中旬にかけ舟屋群が取り囲む伊根湾を見下ろす「花公園」に約25種2万本のツツジが咲く 毎年4/29には「つつじまつり」も開催 |
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東舞鶴公園 | 舞鶴 | 市の花であるツツジが約2万5000本植栽され、4月下~5月上旬にかけてピンクや白の花が咲き乱れる また見頃に合わせて「舞鶴つつじまつり」が開催され毎年5/4には様々なイベントも催される |
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舞鶴引揚記念館 (引揚記念公園) |
舞鶴 | 公園入口付近 |
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雲岩公園 | 与謝野町 | 文珠菩薩を警護する毘沙門天の乗った雲が岩になったという伝説の巨岩「雲岩」で知られ、毎年4月上~中旬にかけ岩の周辺に約5,000本の山つつじが咲く 見頃に合わせて「雲岩公園つつじ祭」も開催 |