神泉苑
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元々は天皇の禁苑、源義経と静御前の出会いの場所
東寺真言宗。平安京造営時に南東に造られた天皇の禁苑。広大な苑池で御池通の由来となるが二条城造営時に規模を縮小。 源義経と静御前の出会いの場所とされ弘法大師空海の雨乞い伝説も残る。 5月に神泉苑狂言、9月の観月の宴では龍王船が優雅に浮かぶ。願いが叶う法成橋や年の恵方を祀る歳徳神も見所
神泉苑とは?(基本データ)
- 名前
- 神泉苑(しんせんえん)
- エリア
- 二条城
- ジャンル
- 建立・設立
- 794年(延暦13年)、平安京造営の際にその南東に天皇の禁苑として造られる、当時は池を中心に南北約500m、東西約240mに及ぶ敷地を持つ大庭園だった
824年(天長元年)、大干ばつに悩む淳和天皇の勅命を受け東寺の弘法大師空海と西寺の守敏が雨乞いを競い、空海が善女龍王を勧請して雨乞いの修法を施し雨を降らせ勝利した伝説が残る。以後東寺の支配下に入り、西寺は没落のきっかけとなる
863年(貞観5年)、都で流行した疫病を鎮めるため御霊会が行われ、祇園祭の起源となる
1182年(寿永元年)、雨乞い儀式で舞を舞う白拍子の静御前と源義経が初めて出会ったとされる
1602年(慶長7年)、徳川家康による二条城築城の際に敷地が削減される
1607年(慶長12年)、中興されるも敷地は10分の1に
1935年(昭和10年)、国の史跡に指定 - 創始者
- 弘法大師空海(こうぼうだいしくうかい)
- 宗派
- 東寺真言宗
- 山号
- 本尊
- 聖観音(しょうかんのん)
- 寺紋
- 右雨龍
- アクセス
- 駐車場
- 二条城駐車場
├バス30台 2時間2,500円/16:00~8:00 2,500円
├普通車216台 2時間600円、以降1時間毎200円(18:00~8:00 2時間300円、以降1時間毎100円)
├普通車1日券(24時間) 1,800円
├自動二輪 1日1回300円
└自転車 1日1回200円
24時間営業
TEL:075-801-5564 - 拝観料
- 境内自由
■神泉苑大念仏狂言
└志納
■観月会
└抹茶接待 700円 - お休み
- 無休
■神泉苑大念仏狂言
└5/1~5/4に開催
■観月会
└9月中旬に開催 - 拝観時間
- 9:00~17:00
■神泉苑大念仏狂言
├5/1・2 13:30~18:00
└5/3・4 13:30~18:00、19:00~21:30
■観月会
├観月法要 18:00~18:30(本堂にて)
├奉納演奏 19:00~20:30(龍王社拝殿にて)
└抹茶接待 18:30~20:30(船中にて) - 住所
- 〒604-8306
京都府京都市中京区御池通神泉苑東入門前町166 - 電話
- 075-821-1466
- FAX
- 075-821-1461
- 公式サイト
- 神泉苑
京都 神泉苑 平八
京料理神泉苑 平八 Twitter
神泉苑平八 Facebook
神泉苑の地図
神泉苑のみどころ (Point in Check)
京都市中京区門前町にある東寺真言宗の寺院。
世界文化遺産・二条城のすぐ南を走る押小路通を挟んだ向かい側に位置しています。
元々は平安京の大内裏に接して造営された天皇のための庭園「禁苑(きんえん)」で、常に清泉が湧き出すことから「神泉苑」と名づけられました。
ちなみに諸説あるものの、神泉苑の御池が京都市の東西を通る主要な通りの一つ「御池通」の名前の由来であるといわれています。
9世紀の中頃以降は宗教的性格が強まり、雨乞いの祈祷や御霊会を行う霊場とされ、824年(天長元年)には西寺の守敏と東寺の弘法大師空海が、祈雨の法を競いました。
この際に竜神(善女竜王)を勧請して見事に雨を降らせ空海が勝利したことをきっかけに、以後は東寺の支配下となります。
また863年(貞観5年)、都に疫病が流行った際に神泉苑で行われた「御霊会(ごりょうえ)」は現在の祇園祭の元になったといわれており、「祇園祭発祥の地」として知られ、現在も祇園祭の「還幸祭」の際には御神輿が神泉苑へと渡御する「神泉苑拝礼」が行われるのが慣例となっています。
中世以降は荒廃し、更に江戸幕府を開いた徳川家康が1603年(慶長8年)に「二条城」を造営した際に敷地の大部分がその城内に取り込まれ、規模は著しく縮小することとなり現在に至っています。
平安京造営当時の面影を今に伝える遺構として、1935年(昭和10年)に国の史跡に指定されており、池にかかる朱塗りの「法成橋(ほうじょうばし)」と、池に浮かぶ龍頭鷁首の「龍王船」が天皇が船遊びをしていた往時を偲ばせます。
ちなみに神泉苑の池に掛かる朱塗りの法成橋は、願い事を一つに絞って念じながら渡ると願いが叶うといわれる「一願成就」の橋としても知られています。
また源平の時代には静御前(しずかごぜん)が雨乞いの舞を舞い、源義経と出会った場所と伝わり、その後二人が結ばれたことから縁結びのご利益でも知られており、恋愛成就を願う多くの女性が訪れ、また「恋みくじ」の授与も行われています。
他にも境内にある「大歳神(歳徳神)(としとくじん)」は毎年大晦日の晩に祠の向きを年の恵方(えほう)に変えることで知られ、日本国内で毎年向きを変える唯一の「大歳神」とされています。
毎年5月2日から4日には「神泉苑祭」が行われ、善女龍王社の拝殿に御神輿を祀り、境内には3本の剣鉾が立てられ、大勢の地域の方や参拝客で賑わいます。
「よかろう太鼓」「子供みこし巡行」、「稚児拝礼・お練り」、「雅楽」や「静御前の舞」、平成女鉾清音会による「祇園囃子」の奉納のほか、「野点茶会」や「龍王市」の開催など、期間中は様々な行事やイベントも開催されます。
また9月には「観月祭」が催され、船上の茶席、音楽の演奏などが楽しめるほか、11月上旬には、百十年の歴史を誇り京都市の登録無形民俗文化財にも指定されている「神泉苑大念仏狂言」が境内の狂言堂で上演されます。
境内の西側には創業1789年(寛政元年)の老舗料亭「神泉苑平八」もあり、料亭から平安京最古の庭を眺めながら日本一太いといわれるうどんの「うどんちり」やしゃぶしゃぶ、京懐石などを頂くことができます。
船館「龍王船」での食事もできるほか、結婚式会場としても利用されているようです。
また神泉苑は812年(弘仁3年)に嵯峨天皇が「花宴の節」として初めて花見を行った禁苑で「花見発祥の地」とされ、春は桜を楽しむこともできます。
その他にも境内にはアヒルが飼われており、可愛らしい姿で歩く姿は参拝に訪れた人々の心を和ませてくれます。
天皇の「禁苑」、空海の雨乞い祈祷、そして「祇園祭」発祥の地
平安京の天皇の「禁苑」として造営
神泉苑は、794年(延暦13年)、桓武天皇による平安京遷都とほぼ同時期に、当時の大内裏の南東に接する地に天皇のための庭園「禁苑(きんえん)」として造営されたのがはじまりです。
元々大内裏の南側には湿地帯が広がっており、それを利用して整備されたものと考えられていて、当初の敷地は二条通から三条通まで南北約500m、東は大宮から西は壬生まで東西約240mに及ぶ広大な敷地を有する大庭園だったといわれています。
そして池を中心として、その周囲には乾臨閣・楼閣・釣殿・滝殿などの殿舎が並び、天皇や廷臣の宴遊の場として利用されました。
歴史上の記録では「日本紀略」に延暦19年7月19日(800年8月12日)に桓武天皇が行幸したという内容で初出しているほか、802年(延暦21年)には雅宴が催されたとあり、この頃から神泉苑は天皇や廷臣の宴遊の場となったとみられています。
また「日本後紀」には嵯峨天皇が812年(弘仁3年)に神泉苑にて「花宴の節(せち)」を催したという記述があり、これが記録に残る花見の初出であることから神泉苑は「花見発祥の地」とされています。
東寺・空海と西寺・守敏による雨乞い祈祷の対決
9世紀の中頃以降は宗教的性格が強まり、雨乞いの祈祷や御霊会(ごりょうえ)を行う霊場とされ、824年(天長元年)に起きた干ばつの際には、淳和天皇の勅命により東寺の弘法大師空海が西寺の守敏が祈雨の法を競い合っています。
この際に空海は遥か天竺(インド)より祈雨の霊験が高い神「善女龍王(ぜんにょりゅうおう)」を勧請して雨乞いの修法を施したといい、法成就池(ほうじょうじゅいけ)より龍が天に昇って雨を降らせたたという伝説も残っています。
そしてこの勝負に空海が勝利したことから、以後東寺の支配下に入るようになり、逆にこれをきっかけにして西寺は後に廃寺とされるまで没落の一途を辿ることとなります。
またこれ以降、善女龍王は神泉苑に棲まうようになったと言われ、神泉苑には善女龍王を祀るお堂も建てられ、多くの真言僧によって祈雨の修法が行われました。
「祇園祭」の発祥とされる神泉苑での「御霊会」
平安時代にはまだ河川の氾濫などが頻繁で、都でもしばしば疫病が発生し人々を悩ませたことから、死者の御霊を慰めるための「御霊会(ごりょうえ)」が各地で行われていました。
863年(貞観5年)、都に疫病が流行した際に神泉苑で御霊会が行われ、一度は鎮まるものの、その後再び疫病が流行。
そして869年(貞観11年)、再び御霊会が行われますが、この際に神泉苑の南端、現在の八坂神社「三条御供社(又旅社)」の位置に、当時の律令制度の国の数にあたる66本の鉾を立て、祇園社から神輿を出したことが、現在の「祇園祭」の「山鉾巡行」の起源になったと言われています。
義経と静御前との初めての出会いの場所
「義経記」によると、平安末期の後白河法皇の代にも雨乞いの祈祷が行われたといいます。
一説には1182年(寿永元年)7月に100人の高僧貴僧を呼んで仁王経を講じましたが効果がなく、そこで後白河法皇の行幸を仰ぎ、容姿美麗の白拍子100人を神泉苑に集めて「雨乞いの舞」を舞わせました。
しかし99人が舞を舞っても雨は降らず、あと一人が舞うくらいでは効果はないだろうと思いつつも最後の静御前に舞わせてみると、にわかに雨雲が現れて3日間にわたって大雨が降り続き、国土は安穏になったといいます。
後白河法皇はいたく感激して、静御前に「日本一」の宣旨を賜ったといい、また源義経にその姿を見初められて、その後義経の側室となりました。
徳川家康の二条城造営の際に大幅に規模を縮小
平安末期から鎌倉時代にかけての武士の台頭と朝廷の勢力衰退とともに、中世以降は徐々に荒廃。
そして関ヶ原の戦いに勝利し江戸幕府を開いた徳川家康が、1603年(慶長8年)に二条城を造営した際には、神泉苑の敷地の大部分が城内に取り込まれて著しく規模を縮小し、水源も城の堀の水源の一つとして奪われてしまったといいます。
神泉苑の現在
1783年(天明8年)の「天明の大火」では堂塔社殿を焼失しており、現在は池を中心としたごく一部が、東寺に属する寺院として存続しています。
しかし境内に残された法成就池とその周囲を取り巻く木々の緑、そして池にかかる朱塗りの「法成橋(ほうじょうばし)」と、池に浮かぶ龍頭鷁首の「龍王船」などに、平安時代に天皇が船遊びをしていた雅な時代を垣間見ることができます。
また2024年(平成36年)には弘法大師が神泉苑で雨乞いの修法をしてから1200年の記念の年を迎えることから、「善女龍王勧請1200年記念事業」として善女竜王社の本殿などの解体・修復工事が2014年(平成26年)から2年間かけて行われた。
神泉苑の施設案内
アクセス
境内の北側は世界遺産として知られる「二条城」に押小路通を挟んで南面していて、堀川通と押小路通の交差する位置にある地下鉄「二条城前駅」からは徒歩数分という立地にあります。
また境内の東を通る大宮通は南へ進むと四条大宮の交差点へと通じており、交差点にある阪急「大宮駅」と嵐電「四条大宮駅」には徒歩10分程度で辿り着くことができます。
更に境内の南を東西に走る御池通を西に進むと徒歩10分程度でJR「二条駅」もあり、またバス停も南の御池通の門前にあり、交通の便には非常に恵まれています。
境内
自由に拝観できる境内へは御池通に面する境内南側の「大鳥居」と、二条城と向かい合う押小路通沿いの「北門」と、どちらからも入場が可能です。
また南側には大鳥居の両サイドにも出入口があり、鳥居を正面に見て左側の出入口は本堂や方丈(寺務所)前に、右側は駐車場へと通じています。
境内はその大半を「法成就池(御池)」が占め、池の周囲に沿って参道が整備され堂宇が建てられています。
この点南側には浮島があって、大鳥居をくぐってすぐの石橋でつながっており、橋を渡った先の浮島には弘法大師空海が勧請した善女龍王を祀る「善女龍王社」とその拝殿があり、この拝殿前で様々な法要や行事が開催されます。
また浮島の西側には朱塗りの「法成橋」が架かり、境内の西側の本堂前へと通じています。
主要な建物はこの境内の西側に集中していて、南から「方丈(寺務所)」、「本堂」、そして老舗料亭で結婚式場でもある「神泉苑 平八」と続き、更に平八の北側にある橋を渡ると御池通に面した北門へと通じています。
ちなみに平八の北側にある橋の付近が「龍王船」の乗船場になっており、秋の「観月祭」などではここから船に乗ることになります。
そして「神泉苑大念仏狂言」の行われる「狂言堂」は、境内南側から池に沿って進んだ東の奥にあります。
主要伽藍
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大鳥居
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史蹟 神泉苑の石標
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神泉苑と謡曲「鷺」由来の駒札
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石橋
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恵方社(歳徳神)
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手水鉢
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拝殿
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善女龍王社
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法成就池(御池)
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法成橋
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五位鷺(中嶋)
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洛中天満宮
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石標
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増運弁財天(弁天堂)
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宝篋印塔
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矢剱大明神社(鎮守稲荷社)
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狂言堂
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蔵
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駐車場
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駐車場入口
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出入口
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掲示版
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参道
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方丈(寺務所)
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本堂
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歌碑
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あひる・こいのエサ販売機
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鯉塚亀塚
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参道
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神泉苑 平八(平安殿)
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玄関
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手水
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塔
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船着場
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龍王船
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橋
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池
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ベンチ
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参道
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北門
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駒札
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看板
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鐘楼堂
関連
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御池通
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神泉苑通
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平安京跡 神泉苑 東端線
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平安京跡 神泉苑 西端線
周辺
神泉苑の主な年間行事・カレンダー
年中行事
- 1月
初詣・新春祈祷会
11:00より善女龍王社において「新春祈祷会」の後、特別祈祷札の授与を行う
また大晦日に方違えをしたばかりの恵方社に参詣することもできるほか、寺務所にて恵方社のお札の授与も行う- 2/2
星祭り(ほしまつり)
古来より天体の動きは人の営みと密接に関連すると考えられてきた
「密教占星術」は天体の動きを分析し人の運命を知るもので、ただ運命を見極めるばかりではなく、悪い運命の流れを好転させ、よい運命の勢いを強くする開運法で、密教最高の秘法の一つとされている
この点、密教占星術において、人の営みは生まれながらに定まる「本命星」と毎年巡りくる「当年星」の下にあると考えられている
「本命星」は、生まれた年の干支により、北斗七星の貪狼星、巨門星、禄存星、文曲星、廉貞星、武曲星、破軍星の7つの星のいずれかに定められ、一生変わらないとされている
「当年星」は毎年巡ってきて年々の吉凶を左右するとされ、良い年あるいは悪い年となる
「星祭り(星供)」は各人の星を祈祷し息災延命を祈願するもので、星回りの悪い年は大難を小難に、また良い年はより一層の開運を祈る
真言宗や天台宗の密教寺院においては年の変わり目、すなわち冬至や正月、節分などに行われる
神泉苑においては毎年2月2日に非公開で厳修され、お守・お札等を祈祷する- 2/3
節分祭(せつぶんさい)
立春の前日に本年の厄除けを祈願する
本堂の不動明王尊の御前にて厄除護摩供の「不動明王護摩供」を11:00よりと15:00よりの2度開催
本堂に上がって参詣できる数少ない機会で、願い事を書いた護摩木を焚き上げて厄除けを祈願する
当日受付で限定150枚の「ほうらく奉納」も行われ、奉納された炮烙(ほうらく)は11月初旬の「神泉苑狂言」における「炮烙割」で割られ厄除けとされる
また不要になった古いお札などは境内の焚火で焼納することができる
その他にもしょうが湯、大根焚きの無料接待や、「祗園平八」によるわが国唯一の歳徳神にちなんだ「恵方幸運巻寿司」(2014年は1200本が約4時間で完売)、農家の方による新鮮な野菜等の販売もある
受付は9:30~19:30- 3月
春季彼岸会(しゅんきひがんえ)
「彼岸(ひがん)」とは、太陽が真東から真西に沈むことから、西方浄土の「あの世」と「この世」が最も近づく春分・秋分の日を中日(ちゅうにち)とした7日間を指す
一般的にこの時期には日頃無事に過ごせていることに感謝し、先祖の墓参りをしたり、寺院では先祖の霊を慰め、成仏を祈る法要が執り行われる- 5/2~5/4
神泉苑祭(しんせんえんまつり)
神泉苑内に祀られている「善女龍王社」の祭礼で、神泉苑祭は夏の季語にもなっている
神仏習合の要素が強く、神社の祭礼さながらに善女龍王社の拝殿に「御神輿」を祀り、境内には3本の「剣鉾」が立てられ、3日にわって法要のほか様々な行事やイベントも開催され、大勢の地域の方や参拝客で賑わう
期間中は躑躅(ツツジ)が見頃の時期で、池の畔を中心に色とりどりの花が咲き誇る
※以前この時期に行われていた神泉苑狂言は秋の11月公演に変更された
※行事日程の日時は年によって変更の場合あり- 5/2
大般若経六百巻転読祈願法要(だいはんにゃきょう600かんてんどくきがんほうよう)本堂
「大般若経」600巻を短時間に読み上げる法要で、「転読」という速読法が用いられる
「大般若経(だいはんにゃきょう)」は正式には「大般若波羅蜜多経(だいはんにゃはらみったきょう)」といい、全16部全600巻からなる膨大な大乗仏教の経典
唐の玄奘三蔵が別々に成立した長短様々な般若経典を「仁王経」と「般若心経」を除いて集大成したもので、仏教の中心思想である一切皆空の理(ことわり)、すなわち最高の真理である「般若(はんにゃ))から見れば、全てのものは実体がない「空(くう)」だという教えを説いているという
「転読(てんどく)」とは、経典の一語一句を読誦する真読に対し、経典の初・中・後の数行の略読を繰り返し全巻を読誦したものとすることをいい、「大般若経」の600巻の転読ではよく行われている
「大般若経」は除災招福や鎮護国家などに有益であるとされ、703年(大宝3年)の文武天皇の代に転読が行われたことが「続日本紀(しょくにほんぎ)」に記されており、それ以後も宗派の別なく勅命によりこの転読が行われてきたという
14:00より参拝者も本堂に上がってお詣りすることができる- 5/2
よかろう太鼓奉納本堂前
19:30より5/2の宵宮を気合いの入った熱い太鼓や笛の音で盛り上げる
奉納する地元のよかろう太鼓社中は「祇園祭還幸祭」でも神泉苑に来た神輿を出迎えている- 5/3
子供みこし巡行(こどもみこしじゅんこう)
9:30~12:00、教業子供みこし会による
善女龍王社前にてお祓いを受け、無事に巡行できるようお詣りをして後、学区を練り歩く
小雨の場合は三条会商店街のアーケード下を巡行する- 5/3
野点茶会(のだてちゃかい)本堂前
10:00~15:00
- 5/3
龍王社祭祀(りゅうおうしゃさいし)善女龍王社前
11:00より神泉祭当日の祭典
- 5/3
稚児拝礼・お練り(ちごはいれい・おねり)
13:00~15:00、約100名の稚児が参加し拝礼とお練り行列が行われる
御神輿の前で龍神様に無事を祈った後、元教業小学校校庭から東西二手に分かれて、学区をお練りする
祭典の前にはお稚児さんの参加募集も行われている- 5/3
雅楽奉納(ががくほうのう)法成就池・船上
16:00より法成就池に雅楽船が浮かべられ、船上より優雅な音色を奏でて王朝の雅を再現する
- 5/3
静御前の舞(しずかごぜんのまい)法成橋
1182年(寿永元年)7月に100人の高僧貴僧を呼んで仁王経を講じましたが効果がなく、そこで後白河法皇の行幸を仰ぎ、容姿美麗の白拍子100人を神泉苑に集めて「雨乞いの舞」を舞わせた
しかし99人が舞を舞っても雨は降らず、あと一人が舞うくらいでは効果はないだろうと思いつつも最後の静御前に舞わせてみると、にわかに雨雲が現れて3日間にわたって大雨が降り続き、国土は安穏になったという
後白河法皇はいたく感激して、静御前に「日本一」の宣旨を賜ったといい、また源義経にその姿を見初められて、その後義経の側室となった
18:30より、雨天の場合は本堂にて行われる- 5/4
祇園囃子奉納(ぎおんばやしほうのう)
平成女鉾清音会による
869年(貞観11年)に66本の鉾を立て神泉苑で厄祓いの「御霊会」を行ったことが祇園祭の始まりといわれ、その祇園祭の発祥地で祇園囃子が奉納される
15:30からは法成就池船上、18:30からは本堂にて行われる- 5/2~5/4
神泉苑龍王市(しんせんえんりゅうおういち)神泉苑境内
神泉苑の境内にて、手作りの陶器やアクセサリー、衣服や骨董品などの店が並ぶ
8:00(5/2のみ10:00から)~20:00
出店者の募集も行っている- 5/2~5/4
神泉苑狂言資料 特別展観寺務所(方丈)2階
11月に開催される秋の「神泉苑狂言(神泉苑大念仏狂言)」で使用される衣装を展示 狂言面・衣装・道具や狂言パネルなど、神泉苑狂言において欠くことのできない貴重な数々の展示物が公開される 10:00(5/2のみ13:00から)~17:00
- 5/2~5/4
鉄道模型展示運転会(てつどうもけいてんじうんてんかい)神泉苑境内
梅小路ぽっぽクラブによる思い出の列車模型の公開運転が行われる
11:00~18:00- 7/24
祇園祭・還幸祭 神泉苑拝礼(ぎおんまつり・かんこうさい しんせんえんはいれい)
平安初期の863年(貞観5年)に都で疫病が大流行した際に、これを鎮めるために神泉苑で「御霊会(ごりょうえ)」を行われ、その後再び疫病が流行すると869年(貞観11年)には日本の国の数と同じ66本の鉾を立て再び「御霊会」が行われた
この神泉苑で行われた御霊会が八坂神社の祭礼で「日本三大祭」であり「京都三大祭」の一つとして知られる現在の「祇園祭(ぎおんまつり)」へと繋がっていることから、神泉苑は「祇園祭発祥の地」とされている
そして毎年7月24日の「祇園祭」の「還幸祭」においては、神泉苑へ「中御座」の神輿が渡御する
夕方18時30分頃に大鳥居前にて出迎え、よかろう太鼓による迎え太鼓の演奏奉納
神泉苑住職による祭文読み上げ・洒水加持
境内には神泉苑の剣鉾も立てられる- 8/16
施餓鬼供養(せがきくよう)
「施餓鬼(せがき)」とは、お盆の時期に行われることが多い仏教行事の一つで、生前の悪行により餓鬼道に堕ち、常に飢えと乾きに苦しむ霊や魂に食事を施して供養する法会のこと
神泉苑では早朝6:00より、宗旨を問わずご先祖の御回向・供養を行い、塔婆供養も受け付けている- 8月下
地蔵盆(じぞうぼん)
「地蔵盆」とは、地蔵菩薩の縁日である8/24に合わせ、京都市内の町内で行われる伝統的な民俗行事
子どもを守るお地蔵様に感謝し、地域の子供たちの無事と成長を祈願する
和尚を招いて読経や説法を聴いたり、数珠を子供たちみんなで回す数珠回しの儀式をしたりした後、お地蔵様に供えたお菓子を食べながらゲームや福引きをしたりして楽しむ
神泉苑でも各町内を回りお勤めを行っている- 9月中
神泉苑観月会(しんせんえんかんげつえ)
「中秋の名月を愛でる会」として「奉納演奏」と龍頭鷁首(りゅうとうげきしゅ)の「龍王船」の船上でのお月見が楽しめる
18:00より本堂にて「観月法要」
与謝蕪村の俳句の御朱印と、善女龍王様の扁額の印の御朱印が入っているという観月会の特別朱印帳の授与も行われる
18:30より20:30頃まで、150名限定で「船上茶席」、および普段は入れない境内北側の庭園の特別拝観
前売は当日の15:30~16:00頃より本堂前にて(小雨決行)
19:00より20:30頃まで、龍王社拝殿にて「音楽奉納」- 9月
秋季彼岸会(しゅうきひがんえ)
「彼岸(ひがん)」とは、太陽が真東から真西に沈むことから、西方浄土の「あの世」と「この世」が最も近づく春分・秋分の日を中日(ちゅうにち)とした7日間を指す
一般的にこの時期には日頃無事に過ごせていることに感謝し、先祖の墓参りをしたり、寺院では先祖の霊を慰め、成仏を祈る法要が執り行われる- 11月第1金曜から3日間
神泉苑大念仏狂言(しんせんえんだいねんぶつきょうげん)
「狂言」は能と能の間に演じられる演劇で、能が悲劇的な内容が多いのに対し笑いの要素が強いのが特徴
このうち「大念仏狂言」は念仏の布教のために演じられるようになったもので、神泉苑以外では壬生寺の壬生狂言、千本ゑんま堂のゑんま堂狂言、清凉寺の嵯峨大念仏狂言などが有名
仮面を付けた演者が鉦(かね)や太鼓、笛の音にあわせて無言で演じるのが大きな特徴だが、これはまだマイクや拡声器のない時代に念仏の妙理と勧善懲悪・因果応報の道理を分かり易く伝えられるよう、大げさな身ぶり手ぶりで表現する無言劇の形が採られたのだという
鎌倉時代に壬生寺中興の祖・円覚上人によって始めらたことから「壬生狂言」ともいい、「神泉苑大念仏狂言」はこの壬生狂言の流れを汲む狂言で、1903年(明治36年)に壬生狂言古来の伝承者である壬生住人衆及び三条台若中からの奉仕出演と、神泉苑住職及び総代役員の三位一体となった協力によって「神泉苑大念仏狂言講社」が結成されてはじめられた
以来民俗芸能を保存、継承するための活動に取り組んでおり、1983年(昭和58年)6月1日には京都市の「無形民俗文化財」にも登録されている
鉦、太鼓、笛の囃子に合わせて演じられるため、その音色から親しみを込めて「カンデンデン」、更に神泉苑の通称である「ひでんさん」をつけて「ひでんさんのカンデンデン」と呼ばれ親しまれている
2013年までは5月1日から5月4日にかけての神泉苑祭の期間中に行われていたが、現在は毎年11月の第1金曜から3日間、境内東側の狂言堂において一般に公開されている(料金は志納)
30番ある演目から毎日数番を、小学生から80歳を越える者まで約50名で演じる
初日の金曜日のみ18:30~21:30
土日は13:00~17:30と18:30~21:30の2回の上演
これに合わせて「神泉苑龍王市」も開かれる- 11/23
お火焚き祭(おひたきさい)
毎年11月23日「勤労感謝の日」の14:00より、境内の鎮守社「増運弁天社」にて行われ、願い事の書かれた護摩木が焚き上げられる
護摩木は各社前と寺務所などで用意されている- 12/31
恵方改め式(歳徳神 恵方廻し)(方違え式)
住職による祈祷の後、22:30頃より「歳徳神(さいとくじん)」の方違えが行われる
恵方廻しの後、新しい歳徳神のお札の授与- 12/31
除夜の鐘(じょやのかね)
23:00から本堂前にて「祇園平八」による「年越し蕎麦」の無料接待
23:40より「除夜の鐘」(鐘楼は北門を入って左手、境内の北東にある)
除夜の鐘を撞いた後は法成就池の周りを特別拝観し、八剱大明神、弁財天、善女龍王社、本堂などの各社にもお詣りすることができる
花ごよみ
- 2~3月
梅(ウメ)●
境内東側の参道
- 4月上~4月中
桜(サクラ)●
「日本後記」によると神泉苑は弘仁年間の812年(弘仁3年)に嵯峨天皇が神泉苑に行幸し初めて「花宴の節」を行った禁苑であり、日本で最初に公式に花見が行われた場所であることから「花見発祥の地」とされている
「法成就池」の周辺に点在する社のそばに多く見られ、特に「法成橋」のそばのものは朱塗りの橋とのコントラストが美しい
4月上旬に境内東側を中心に染井吉野(ソメイヨシノ)、中旬頃に池の西側の枝垂桜(シダレザクラ)が見事な花を咲かせる- 3月~5月
菖蒲(ショウブ)●
- 4月~5月
躑躅(ツツジ)
法成就池の周囲に数多く見られる
- 5月~6月
皐月(サツキ)
法成就池の周囲に数多く見られる
- 6月~7月
紫陽花(アジサイ)
矢剣大明神の鳥居の両側
- 11月中~11月下
紅葉(こうよう)●
数は多くはないものの「法成就池」の周辺を中心に見られ、特に「法成橋」のそばのものは朱塗りの橋とのコントラストが美しい
また水面に映る紅葉も見事
見頃の時期に合わせてライトアップも行われ、無料で楽しめる
また大鳥居のある境内の南の「御池通」沿いにはイチョウ並木が続いており、11月中から12月上にかけて黄色く色づく- 11月上~1月下
山茶花(サザンカ)
法成就池にかかる法成橋手前にピンク色、池畔の生垣に赤い山茶花が見られる
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