大原三千院

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大原三千院

貴人や仏教修行者の隠棲の地・大原にある門跡寺院

天台五門跡。最澄が比叡山に建立した円融房が起源で数度の移転を経て1871年大原に。呂川と律川に挟まれ北は宸殿、客殿に四季の草花が楽しめる池泉回遊式の有清園と聚碧園、南は苔に覆われた瑠璃光庭に国宝阿弥陀三尊を安置する往生極楽院、参拝者の心を癒すわらべ地蔵が見所。門前には名物の漬物屋も

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大原三千院とは?(基本データ)

名前
大原三千院(おおはらさんぜんいん)
エリア
大原・八瀬・比叡山
ジャンル

寺社 国宝彫刻 紅葉 新緑 石楠花 紫陽花 秋海棠 名水 極楽往生 西国薬師四十九 近畿三十六不動尊 神仏霊場会 天台五門跡 写経体験 門前名物 お精霊さん・万灯会 大根焚き 左義長・どんど焼き 節分祭 涅槃会 放生会

別名
三千院門跡、梶井門跡
建立・設立
延暦年間(782~806年、788年(延暦7年)とも)、伝教大師最澄が比叡山延暦寺を開いた際に東塔の南谷に自刻の薬師如来像を本尊とする「円融房」を開創(そばに大きな梨の木があったため後に「梨本門跡」の別称)
860年(貞観2年)、清和天皇の命により承雲和尚が比叡山の山麓の近江坂本(滋賀県大津市)に円融房の里坊を設ける(密教の修法である加持に用いる井戸「加持井」にちなみ後に「梶井門跡」の別称)
1118年(元永元年)、堀河天皇の皇子の最雲法親王が入寺し以後、皇室や摂関家の子弟が住持する門跡寺院に(青蓮院、妙法院と並ぶ天台宗の三門跡にして毘沙門堂と曼珠院を加えた五門跡の一つ)
1156年(保元元年)、大原に政所設置
1232年(貞永元年)、火災に遭い京都市内に移転、以後洛中や東山の各地を転々とする
1331年(元弘元年)、洛北船岡山の東麓(現在の京都市北区紫野、大徳寺の南方)に落ち着くが応仁の乱(1467~1477年)で焼失
1698年(元禄11年)、江戸幕府5代将軍徳川綱吉により京都御所周辺の公家町内(上京区梶井町)に2万坪を与えられる(梶井宮御殿)
1871年(明治4年)、大原の政所を本坊と定め、坂本の梶井門跡の仏堂「一念三千院」にちなみ「三千院」ないし「三千院門跡」の寺名が使用されるように、同時に平安末期の12世紀よりこの地にあった阿弥陀堂の極楽院を吸収し「往生極楽院」とする
創始者
伝教大師最澄(さいちょう)
宗派
天台宗
山号
魚山(ぎょざん)
本尊
薬師如来
寺紋
梨菊紋
札所等
西国薬師四十九霊場 第45番
近畿三十六不動尊霊場 第16番
神仏霊場巡拝の道 第106番
京都洛北・森と水の会(大原エリア)
アクセス
  • JR「京都」駅下車 バスで約60分、車・タクシーで約50分
  • 京都市営地下鉄烏丸線「国際会館」駅下車 バスで約23分、車・タクシーで約15分
  • 祇園四条駅から京阪電車鴨東線「出町柳」駅下車 バスで約33分、車・タクシーで約20分
  • 叡山電鉄叡山本線「八瀬比叡山口」駅下車 バスで約15分
  • 京都バス「大原」(10・16・17・18・19・95系統)下車 徒歩約10分
  • 名神高速道路「京都南IC」より約60分
  • 名神高速道路「京都東IC」より約45分
駐車場
民営参道に多数有
拝観料
一般 700円(団体600円)
中学生 400円(団体300円)
小人 150円
※団体割引は30名以上
お休み
無休
拝観時間
3~11月 8:30~17:30(受付17:00まで)
12~2月 8:30~16:30(受付16:30まで)
住所
〒601-1242
京都府京都市左京区大原来迎院町540
電話
075-744-2531
FAX
075-744-2480
公式サイト
天台宗 京都大原三千院
京都大原三千院 Facebook
第16番 三千院 近畿36不動尊霊場会 公式サイト
第45番 魚山 三千院門跡 西国四十九薬師霊場会
三千院門跡 京都洛北・森と水の会

大原三千院の地図

大原三千院のみどころ (Point in Check)

京都市左京区大原、京都市街の北東山中、かつては貴人や仏教修行者の隠棲の地として知られた大原の里に位置する天台宗の寺院。

788年に比叡山に延暦寺を開いた伝教大師最澄が自ら薬師如来像を刻み、それを本尊として比叡山東堂に「円融房」と呼ばれる一堂を建立したのが起源とされており、「三千院」の寺名となったのは明治に入ってからです。

また「三千院門跡」とも呼ばれる天台五ヶ室門跡の1つであり、青蓮院および妙法院とともに天台宗の三門跡寺院の1つにも数えられ、その中でも最も古い歴史を有しています。

京都市の中心部からは遠くアクセスは不便な場所にありますが、「京都大原三千院」の歌詞ではじまるデューク・エイセスの「女ひとり」の歌で一躍有名となり、現在は京都を代表する観光寺院の一つとなっています。

三千院を象徴するのが「聚碧園(しゅへきえん)」と「有清園(ゆうせいえん)」と呼ばれる美しい2つの庭園で、ともに市の名勝に指定されています。

有清園は金森宗和による池泉回遊式庭園で、宸殿前の一面に広がる苔の密生した杉木立の庭が印象的。そして苔庭の中から時折姿を見せるわらべ地蔵の表情が参拝者の心を癒してくれます。

また園内にある往生極楽院は藤原時代を代表する建築物で重文に指定。内陣に安置されている阿弥陀三尊像は浄土世界の優美な仏像で、珍しい大和座りの両脇侍を従え国宝に指定されています。

一方聚碧園も江戸初期に金森宗和による作庭されたもので、量感豊かで美しい皐月の刈込みが印象的です。

緑も豊かで、春の桜と石楠花、初夏の新緑と紫陽花、秋の紅葉、冬の積雪と、四季折々の草花が楽しめることでも知られています。

1989年(平成元年)には金色不動堂、観音堂が建立され、新たに枯山水の庭も造られたほか、2006年には宝物館「円融蔵」も整備されました。

最澄が比叡山に開いた「円融房」を起源とし、明治初期に現在地へ

三千院は延暦年間(782-806年)に伝教大師最澄が比叡山東堂に開いた一院「円融房」がそのはじまりとされています。

のちに比叡山東麓の坂本(滋賀県大津市)に移され、京都市中などたび重なる移転の後、明治期に入った1871年(明治4年)に現在地に移転しました。

その際に平安末期の11世紀よりこの地に元々あった阿弥陀堂の「極楽院(のちの往生極楽院)」が三千院の境内に取り込まれています。

そして現在の「三千院」あるいは「三千院門跡」という寺名は、大原移転後の1871年以降使われるようになったもので、それ以前は円融房、梨下房、円徳院、梨下門跡、梶井門跡と移転の度に寺名も変更されています。

円融房(比叡山東塔)

三千院は最澄が788年(延暦7年)、比叡山延暦寺を開いた際に比叡山の東塔南谷に自刻の薬師如来像を本尊とし「円融房」を開創したのが起源とされています。

そして円融房のそばには大きな梨の木があったことから、後に「梨本門跡」の別称も生まれました。

円徳院(坂本に里坊の設置)

比叡山内の寺院の多くは、山麓の平地に「里坊」と呼ばれる拠点を有しており、円融房も860年(貞観2年)、比叡山山麓の東坂本(大津市坂本)に承雲により「円徳院」と呼ばれる里坊が設けられました。

梶井門跡(門跡寺院のはじまり)

平安後期の1118年(元永元年)、堀河天皇の第二皇子(第三皇子とも)の最雲法親王が入寺したのが、最初の皇室子弟の入寺とされています。

以後歴代の住持として皇室や摂関家の子弟が入寺する「門跡寺院」となります。

そしてこの頃より、寺に加持(密教の修法)に用いる井戸「加持井」があったことから「梶井宮(梶井門跡)」と称されるようになったといいます。

京都市内への移転

その後鎌倉初期の1232年(貞永元年)の火災をきっかけに現在の京都市内に移転。
洛中や東山の各地を転々とした後、鎌倉末期の1331年(元弘元年)に淳和天皇の離宮・雲林院があったと推定される洛北・船岡山の東麓、大徳寺の南方の寺地に落ち着きます。

しかしその後応仁の乱(1467-77年)で焼失。
以後は平安後期より大原に設置されていた梶井門跡の政所が本坊となりました(大原に隠棲した念仏修行者を取り締まり、大原にある来迎院、勝林院などの寺院を管理するため)。

その後江戸時代に入り1698年(元禄11年)、江戸幕府5代将軍・徳川綱吉により京都御所周辺の公家町内の御車道広小路(現在の京都市上京区梶井町の京都府立医科大学と附属病院付近)に寺地が与えられています。

三千院への改称

明治維新の際、当時の門跡・昌仁法親王は仏門を離れて還俗し梨本宮家を新設します。

そして仏像・仏具類は大原の政所に送られ、寺も1871年(明治4年)に大原の政所を本坊と定め「三千院」と改称されました。

この点「三千院」の寺名は、梶井門跡の仏堂の名称「一念三千院」から取ったものといわれています。

明治期以前の大原(隠棲の地、融通念仏、天台声明)

古くから貴人や念仏修行者が都の喧騒を離れて隠棲する場として知られ、文徳天皇の第一皇子である惟喬親王(844-97年)が大原に隠棲したことは「伊勢物語」にも言及されるなどよく知られています。
(藤原氏の権力が絶大であった当時、本来なら皇位を継ぐべき第一皇子である惟喬親王は、権力者藤原良房の娘・藤原明子が産んだ清和天皇に位を譲り、自らは出家して隠棲した)

また融通念仏や仏教声楽である天台声明(しょうみょう)が盛んに行われた場所としても知られています。
(慈覚大師円仁により中国山東省「魚山」より伝えた天台声明(仏教音楽)の根本道場が開かれ、後に融通念仏を広めた良忍上人(1073-1132)が「声明」を集大成した)

極楽院について

元々は天台の門跡とは無関係な寺院であり、1871年(明治4年)に三千院の本坊が洛中から移転してきてからその境内に取り込まれました。
ちなみに「往生極楽院」と改称したのは1885年(明治18年)のことです。

寺伝では恵心僧都(えしんそうず)源信(942-1017)の妹・安養尼が985年(寛和元年)に建てた持仏堂の旧跡と伝わりますが、実際はもう少し時代が下った12世紀末(1143~48年)に、高松中納言藤原実衡の妻・真如房尼が、亡き夫の菩提のために建立したという説もあります(彼女の甥にあたる吉田経房の日記「吉記」の記述による)。
藤原時代に建てられた49の常行堂のうち、唯一現存する堂といわれています。

阿弥陀堂(本堂)は柿葺き、入母屋造りで重文に指定。平安後期の1148年に造られた阿弥陀三尊座像(国宝)が安置されています。
蓮台座に坐し来迎相を結び、阿弥陀如来が臨終の際に西方極楽浄土から亡者を迎えに来る様「迎接形(ごうしゅうぎょう)」を表しているといいます。
中でも両脇侍が日本式の正座をしている点が印象的です。

大原三千院の施設案内

三千院へのアクセス

大原の里にある寺院は、寂光院を除く大半がその東側に集中しており、その中心をなしているのが三千院です。

大原バスターミナルを国道367号線を渡った東側に参道の入口があり、呂川のせせらぎに沿って土産物屋が軒を連ねる「大原女の小径」と呼ばれる参道の坂道を上がっていきます。

するとほどなくして分岐となり、その左手の三千院の石標のある石段を上がっていくと、境内の西側を南北に伸びる「桜の馬場」と呼ばれる参道へと出ます。

「桜の馬場」の参道の左手には漬物屋などの店が立ち並んでいますが、その向かい側に御殿門と呼ばれる山門があり、参拝者は通常この門より境内の西側から入場することになります。

ちなみに寺の周囲は城郭を思わせる石垣と白い土塀に囲まれていて、門構えからは門跡寺院の風格を感じ取ることができます。

三千院の境内

京都の北東部の自然豊かな山間に位置し、かつては世を捨てた隠者たちが住んだ隠れ里だったこともあり、境内は杉木立の立ち並ぶ静寂かつ荘厳な雰囲気に包まれた場所にあります。

自然の地形を巧みに利用して整備された伽藍の中心をなす建物は境内の西側、入口となる御殿門(山門)をくぐってすぐの所に集中して建っています。

豊臣秀吉の建立と伝わる宸殿や客殿、そしてそれらを囲むようにして有清園、聚碧園と呼ばれる苔の美しい池泉回遊式庭園が広がり、苔の中から顔を出すわらべ地蔵の穏やかな表情が参拝者の心を癒してくれます。

一方境内の東側は、新たに整備された観音堂や金色不動堂などの堂宇などのほか、紫陽花苑など豊かな緑が広がり、春は桜、秋は紅葉も楽しむことができます。

周辺

三千院の境内は「呂律が回らない」の諺でも有名な南を呂川、北を律川に挟まれるようにしてあり、北の律川に架かる橋を渡った先には実光院、勝林院、宝泉院といった寺院があります。

一方南側の呂川の方は、西側の大原バスターミナルから呂川の流れに沿って進んだ大原女の小径を、桜の馬場との分岐点で左折せずに東へまっすぐ進むと、正門にあたるものの常時閉じられている境内南側の朱雀門を経て、浄蓮華院、来迎院といった寺院や音無の滝へと向かうことができます。

山門・客殿・宸殿

  • 石標

    石標

     

  • 桜の馬場

    桜の馬場

     

  • 御殿門(山門)

    御殿門(山門)

     

  • 伝教大師像

    伝教大師像

     

  • 庫裏

    庫裏

     

  • 受付

    受付

     

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    奥書院

     

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    中書院(授与所)

     

  • 客殿

    客殿

     

  • 清浄水

    清浄水

     

  • 聚碧園

    聚碧園

     

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    回廊

     

  • 宸殿

    宸殿

     

庭園・往生極楽院

  • 有清園

    有清園

     

  • 弁天池

    弁天池

     

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    細波の滝

     

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    石仏

     

  • 瑠璃光庭

    瑠璃光庭

     

  • 往生極楽院

    往生極楽院

     

  • 西方門

    西方門

     

  • わらべ地蔵

    わらべ地蔵

     

  • 弁天池

    弁天池

     

  • 延命水(金色水)

    延命水(金色水)

     

  • 朱雀門

    朱雀門

     

あじさい苑・金色不動堂・観音堂

  • 妙音福寿大弁財天

    妙音福寿大弁財天

     

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    東屋(休憩所)

     

  • 和心堂(茶所)

    和心堂(茶所)

     

  • 納経所(授与所)

    納経所(授与所)

     

  • 金色不動堂

    金色不動堂

     

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    枝垂桜

     

  • 観音堂・授与所

    観音堂・授与所

     

  • 小観音像

    小観音像

     

  • 水屋(お茶席)

    水屋(お茶席)

     

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    越中おわら桜

     

  • 二十五菩薩慈眼の庭

    二十五菩薩慈眼の庭

     

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    勝手神社

     

  • 休憩所

    休憩所

     

  • 売炭翁石仏(大原の石仏)

    売炭翁石仏(大原の石仏)

     

  • 飛び石の小道

    飛び石の小道

     

  • 紫陽花苑

    紫陽花苑

     

円融房・円融蔵

  • 円融房(写経場)

    円融房(写経場)

     

  • 円融蔵(展示館)

    円融蔵(展示館)

     

  • 納経所・売店

    納経所・売店

     

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    茶店

     

  • 南門

    南門

     

参道(大原女の小径)

  • 大原バスターミナル

    大原バスターミナル

     

  • 大原

    大原

     

  • 参道入口

    参道入口

     

  • しそ畑

    しそ畑

     

  • 大原女の小径

    大原女の小径

     

  • 呂川

    呂川

     

  • 志ば久

    志ば久

     

  • 河童橋

    河童橋

     

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    椿地蔵

     

  • 大原の里の展望

    大原の里の展望

     

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    コスモス畑

     

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    魚山橋

     

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    せが井の水

     

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    芹生茶屋

     

  • 土井志ば漬本舗

    土井志ば漬本舗

     

  • おのみやす

    おのみやす

     

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    京美茶屋

     

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    三千院の里

     

  • 律川

    律川

     

  • 未明橋

    未明橋

     

関連

周辺

大原三千院の主な年間行事・カレンダー

年中行事

1/1

修正会(しゅしょうえ)宸殿

年の初めに本尊・薬師如来にこれまで犯した三業(身・口・意)の罪や過ちを懺悔し、国家安穏・天下泰平と新しい一年の平穏無事を祈願する
11:00

1/15

左義長(さぎちょう)金色不動堂前広場

宮中において小正月(15日)に行う火祭りに由来する法要で、正月の松や注連飾り、全国から寄せられた古い祈祷札やお守りなどを焚き上げ、参拝者の過去の罪障消滅と新しい一年の無病息災を祈願する
仏前に供えた鏡餅を開いて厄除けの「おぜんざい」の接待も行われる
10:00

2/3

節分会(せつぶんえ) 金色不動堂前広場

早朝より僧侶が般若心経を一年の日数分(日数心経)を唱え息災を祈願
おぜんざいの振る舞い

2月の初午を中心に数日間

初午大根焚き(はつうま だいこんだき) 金色不動堂前広場

「幸せを呼ぶ初午大根焚き」では、大原の畑で有機農法で栽培され、出世金色不動明王のご加護とご利益が頂けるように特別祈祷されたものが焚き上げられる
無病息災、開運招福を祈願し毎年1万食が無料で振る舞われる(参拝料は別途必要)

2/15

涅槃会(ねはんえ)宸殿

宸殿にて涅槃図を掲げ法要
参拝者に五色豆の無料授与
11:00

2/28

星供(ほしく)宸殿

古来より天体の動きは人の営みと密接に関連すると考えられてきた
「密教占星術」は天体の動きを分析し人の運命を知るもので、ただ運命を見極めるばかりではなく、悪い運命の流れを好転させ、よい運命の勢いを強くする開運法で、密教最高の秘法の一つとされている
この点、密教占星術において、人の営みは生まれながらに定まる「本命星」と毎年巡りくる「当年星」の下にあると考えられている
「本命星」は、生まれた年の干支により、北斗七星の貪狼星、巨門星、禄存星、文曲星、廉貞星、武曲星、破軍星の7つの星のいずれかに定められ、一生変わらないとされている
「当年星」は毎年巡ってきて年々の吉凶を左右するとされ、良い年あるいは悪い年となる
「星祭り(星供)」は各人の星を祈祷し息災延命を祈願するもので、星回りの悪い年は大難を小難に、また良い年はより一層の開運を祈る
真言宗や天台宗の密教寺院においては年の変わり目、すなわち冬至や正月、節分などに行われる
三千院の「星供」は陰陽道を採り入れ宮中行事を復興した神秘的な法要で、11:00より堂内を真っ暗にして蝋燭の灯りのみで法要が営まれる

3月春分の日

春季彼岸会(しゅんきひがんえ)宸殿

「彼岸(ひがん)」とは、太陽が真東から真西に沈むことから、西方浄土の「あの世」と「この世」が最も近づく春分・秋分の日を中日(ちゅうにち)とした7日間を指す
一般的にこの時期には日頃無事に過ごせていることに感謝し、先祖の墓参りをしたり、寺院では先祖の霊を慰め、成仏を祈る法要が執り行われる
三千院では春と秋の彼岸は真西に夕陽が沈むことから西方浄土の阿弥陀様に祈りが通じる日、また極楽浄土に生まれ変わったご先祖様と通じ合える日と考えられており、先祖に感謝する法要が営まれる
11:00

4月中~5月中

不動大祭 秘仏金色不動尊御開扉(ふどうたいさい)

4月28日はお不動様の縁日にあたり、この4/28を中日として開催
「不動百味供」の法要では百味の供物を金色不動明王にお供えし、日頃の感謝を捧げる
期間中は秘仏の金色不動明王も開扉される
初日の「開闢採灯大護摩供(かいびゃくさいとうおおごまく)」では、11:00より金色不動堂にて「秘仏・金色不動明王開扉護摩供法要」、13:30より不動堂前広場にて「採灯大護摩供法要」を奉修
不動大祭中日の4/28には11:00より「百味供養護摩供」を奉修
5/3から5/5までの3日間は小学6年生までを対象とした「こども福引」も開催
期間中は桜や石楠花が見頃を迎え、若葉の芽吹きはじめる新緑の時期でもある

5/30

御懺法講(おせんぼうこう) 宸殿

懺法(せんぼう)とは天台宗にとっては最も大切な法要儀式で、自ら知らず知らずのうちにしてしまった諸悪の行いを懺悔して、互いの心の中にある「むさぼり・怒り・愚痴」の三毒を取り除き、自分の心を静め清らかにするとともに、僧侶および参拝者ともどもご先祖に対し報恩感謝の誠を捧げる
1157年(保元2年)に後白河天皇が宮中の仁寿殿に於いて宮中御懺法講として行われたのがはじまりで、宮中禁裏や門跡寺院で各々行われていたもので、声明と雅楽が合わさることから声明懺法ともいい、古儀に則り宮中法会が再現される
当日は参拝順路が制限され、庭園のみの拝観となる
11:00

6月中~7月中

あじさい祭り

奥の院のあじさい苑では6月中旬から7月中旬にかけて約1000株以上の紫陽花(アジサイ)が見事な花を咲かせる
小アジサイを先頭に、珍しい品種の星アジサイ、最も多い山アジサイに額アジサイと順番にあじさい苑を染め、約1ヶ月間の間はいつ訪れてもアジサイが楽しめる
11:00より金色不動堂で行われる「大般若転読会」では、僧侶が喝破する「降伏一切大魔 最勝成就」の声で世界平和、家内安全、当病平癒、除災招福などの様々なご利益を授かることができる
期間中には墨蹟を特別価格にて展示即売する「墨蹟展」も開催される

7/15

盂蘭盆会施餓鬼法要(うらぼんえ せがき)宸殿

元々は雨期に小動物に対する無用の殺生を防ぐため、僧侶が一定期間外出せずに一か所に集まって集団で修行する「安居(あんご)」の終わりの日にあたる7月15日に百味の飲食(おんじき)を僧侶に捧げて供養したのが始まりで、今日では先祖の霊に飲食を供え、餓鬼に供物を施す施餓鬼会を伴って行われる
「施餓鬼(せがき)」とは、お盆の時期に行われることが多い仏教行事の一つで、生前の悪行により餓鬼道に堕ち、常に飢えと乾きに苦しむ霊や魂に食事を施して供養する法会のこと
三千院では門主が大導師を勤め天台密教の秘法である光明供(こうみょうく)を修法、僧侶が天台声明の大曲「九条錫杖」を全曲、1時間近くにわたって唱え、錫杖師が各条ごとに錫杖を振り鳴らし、三界万霊すべてに及ぶ過去の霊を成仏に導き、同時に世界平和と人類の幸福を祈願する
11:00

8/12

万灯会(まんとうえ)

創建以来、極楽浄土への祈りを捧げるという先代から受け継いだ古の祈りと、これから刻む数百年、数千年の祈りを託して営まれる
18:00より観音堂にて「千年の祈り」点灯式
その後奥の院の不動堂・観音堂前広場を中心に境内全域にて献灯、約1万本にも及ぶ蝋燭の灯りが灯される中、世界平和・諸願成就を願って祈りが捧げられる
18:00~20:30

9月秋分の日

秋季彼岸会(しゅうきひがんえ)宸殿

秋の彼岸会では3年を1周期とし「胎蔵界」「金剛界」、両者の「合行」の「曼荼羅供法要」が行われる
門主が密教の修法をしつつ、僧侶が「天台声明の華」と呼ばれるほど華やかで趣きのある仏教音楽「声明」を唱えて諸尊諸仏を讃歎し供養
11:00

10/18

観音大祭百味供法要(かんのんたいさい ひゃくみくほうよう)

観音様の縁日である毎月18日のうち、10月18日は三千院観音堂の建立記念日であることから、11時より観音大祭百味供法要が行われる
百味供の「百」は「いろいろのもの」「たくさん」という意味であり、実りの秋にふさわしく穀物、野菜、果物、乾物などあらゆる飯食を観音様の宝前に供え、一年の平穏無事に対する感謝と、次の一年の更なる幸福を祈願する
おぜんざいの振る舞い

10/18

もみじ祭

 

12/23

托鉢寒行(たくはつかんぎょう)大原地区一帯

「托鉢」とは、僧侶が鉢を携えて町や村を歩き食を乞うことをいい、煩悩の塵垢を振るい落とし、衣食住の貪りや欲望を払い捨て、清浄に仏道修行に励むための12の実践項目「十二頭陀(ずだ)行」の一つとされている
山伏の法螺を先頭に僧侶と信者組織である観音講・奉賛会・用達会会員らが大原一帯の家々を廻り、家内安全の祈願や読経を行う
浄財は交通遺児・難民救済などに寄付される
9:00~12:00頃まで

関連行事

4月下~5月上

春の大原女まつり(はるのおはらめまつり)

毎年不動大祭の時期に合わせて開催
大原女着付け体験が割引価格で体験できるほか、宝泉院のライトアップや赤しその苗植え体験などのイベントも

4月下

大原女まつり 大原女時代行列

「春の大原女まつり」の開催初日に中世から現代まで時代毎に異なる大原女の衣装を身にまとった「時代行列」が行われる
13:00頃に寂光院を出発し、15:00頃に三千院・勝林院に到着(約2km)
行列には一般参加可能(要事前予約)

7/1~下

赤しそ開き

大原の名産「赤しそ」が旬を迎える

10月下~11月上

秋の大原女祭り(あきのおはらめまつり)

コスモスの花が咲く時期に開催
大原女着付け体験が割引価格で体験できるほか、宝泉院のライトアップや演奏会なども

10月下

秋の大原女ミニ時代行列

地元大原の子供達が大原女の装束に着替え勝林院から寂光院まで巡行する
春とは逆のルートで、13:00頃に勝林院を出発し、14:30頃に寂光院に到着(約2km)

花ごよみ

4月中~4月下

桜(サクラ)

京都市北東部の山間にあるため開花時期は京都市中心部より1週間ほど遅い
枝垂桜(シダレザクラ)、染井吉野(ソメイヨシノ)、山桜(ヤマザクラ)など約300本
御殿門(山門)前右手と奥の院不動堂の「枝垂桜」や往生極楽院を覆う「山桜」などが有名
他にも観音堂のそばには富山県八尾町ゆかりの紅枝垂桜「越中おわら桜」があるほか、境内の外にも桜が点在する
また同時期に石楠花(シャクナゲ)も楽しめる

4月中~5月初

石楠花(シャクナゲ)

有清園にある往生極楽院の周辺をはじめ観音堂や金色不動堂、聚碧園など境内のいたる所で見られ、苔や新緑の緑の中で咲く姿が何とも魅力的
同時期に「不動大祭さくら・しゃくなげ祭」を不動様の縁日にあたる4月28日を挟み開催(期間中は「秘仏金色不動明王」の開扉も)

6月中~7月中

紫陽花(アジサイ)

奥の院にある「あじさい苑」に3000株以上
杉木立に囲まれる静かな空間で、6月上旬の小紫陽花から珍しい品種の星アジサイ、山アジサイや額アジサイ、蔓アジサイなどの様々なアジサイを楽しめる
見頃の時期に合わせて「あじさい祭」を開催、恵まれない方々へのチャリティー墨蹟展のほか、初日には金色不動堂にて降魔折伏の大般若転読会法要、続いて金色不動堂前広場にて息災祈願の採灯大護摩供法要も執り行われる

8月下~9月下

秋海棠(シュウカイドウ)

客殿前の庭園「聚碧園」や参道の途中などに咲く

11月中~下

紅葉(こうよう)

寒暖の差が激しい大原では色鮮やかな紅葉が楽しめる
境内の各所で紅葉が楽しめるが、中でも杉木立に囲まれた有清園と聚碧園の2つの庭園では苔の緑と散り積もったモミジとのコントラストが美しい
客殿から眺める紅葉や、宸殿を正面にして眺める紅葉、往生極楽院と紅葉とのコラボレーションも見事
また境内の西側に南北に通る約50mの参道「桜の馬場」では石垣と白壁に沿うようにしてカエデの並木が続く
11月上~下にかけての1か月間「もみじ祭」が開催され、客殿ではお茶席も設けられる

大原三千院の口コミ

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