勝林院(問答寺) 京都観光

勝林院(問答寺)

勝林院(問答寺)

古くより天台声明の根本道場、「大原問答」の舞台にも

天台宗。835年に円仁が開創し1013年寂源が中興、魚山と号す。 仏教経典に節をつけた仏教音楽の天台声明発祥の地で来迎院とともに古くから声明の根本道場。 1186年には法然を招き諸宗の学僧と浄土宗義を論談した大原問答の舞台に。 問答の際に光を放ったという本尊の証拠の阿弥陀や重文の梵鐘が見所

勝林院(問答寺)とは?(基本データ)

名前
勝林院(問答寺)(しょうりんいん)
エリア
大原・八瀬・比叡山
ジャンル

寺社 法然二十五 除夜の鐘

正式名
魚山大原寺勝林院(ぎょざんだいげんじしょうりんいん)
建立・設立
1013年(長和2年)
1186年(文治2年)、顕真の要請で法然が諸宗の学僧と浄土宗義を論談した「大原問答」の舞台に
創始者
[開基] 寂源(じゃくげん)
宗派
天台宗
山号
魚山(ぎょざん)
本尊
阿弥陀如来坐像(証拠の阿弥陀)
寺紋
 
札所等
法然上人二十五霊場 21番札所
京都洛北・森と水の会(大原エリア)
アクセス
  • JR「京都」駅下車 バスで約60分、車・タクシーで約50分
  • 京都市営地下鉄烏丸線「国際会館」駅下車 バスで約23分、車・タクシーで約15分
  • 祇園四条駅から京阪電車鴨東線「出町柳」駅下車 バスで約33分、車・タクシーで約20分
  • 叡山電鉄叡山本線「八瀬比叡山口」駅下車 バスで約15分
  • 京都バス「大原」(10・16・17・18・19・95系統)下車 徒歩約15分
  • 名神高速道路「京都南IC」より約60分
  • 名神高速道路「京都東IC」より約45分
駐車場
なし
拝観料
高校生以上 300円(団体270円)
中学生以下 200円(団体180円)
※障害者手帳持参で100円引
※団体割引は30名以上
お休み
無休
拝観時間
9:00~16:30
住所
〒601-1241
京都府京都市左京区大原勝林院町187
電話
075-744-2537(実光院)
075-744-2409(宝泉院)
FAX
075-744-2537(実光院)
075-744-2912(宝泉院)
公式サイト
魚山大原寺勝林院 天台声明の聖地
魚山大原寺勝林院 Twitter
勝林院 Facebook
第21番 勝林院 法然上人二十五霊場
勝林院 京都洛北・森と水の会
天台声明を聴く会

勝林院(問答寺)の地図

勝林院(問答寺)のみどころ (Point in Check)

京都市左京区大原勝林院町、大原三千院前の参道を北へ進み律川に架かる未明橋(茅穂橋)を渡った突き当たりにある天台宗寺院。
山号は魚山、本尊は阿弥陀如来(証拠の阿弥陀)で、日本音楽の源である「天台声明(てんだいしょうみょう)」発祥の寺として知られています。

平安初期の835年(承和2年)、第3代天台座主・慈覚大師円仁(じかくだいしえんにん)が中国・唐に渡った際、「声明(しょうみょう)」を持ち帰り比叡山で伝承。
「声明」とはインドで始まったバラモンの学問の一つですが、日本では仏教経典に節をつけた仏教音楽として広がり、仏教のほかにも民謡などの日本の音楽界にも大きな影響を与えたといわれています。

その後、平安中期の1013年(長和2年)に左大臣・源雅信(まさのぶ)の子で円仁の9代目の弟子・寂源(じゃくげん 965-1024)が国家安穏のため、その道場を現在の地に移し、中国山東省に所在する声明の聖地にちなんで「魚山(ぎょざん)」と号し、その約90年後の1109年(天仁2年)に「来迎院」が創建されると、勝林院を下院とし来迎院を上院とする2つの本堂を中心として僧坊が建立され「魚山大原寺」と総称されるようになり、以後は多くの僧侶が声明の研究・研鑽をする「天台声明(魚山声明)」の根本道場となります。

また平安末期の1186年(文治2年)の秋に、後の第61代天台座主・顕真(けんしん 1131-92)の招きで浄土宗の宗祖・法然(ほうねん)が招かれ、貞慶(じょうけい)、重源(ちょうげん)、証真(しょうしん)ら南都・北嶺の学僧300余名を相手に念仏の教え(専修念仏)について論議した「大原問答」の舞台となったことでも知られていて、論議は一昼夜に及び、法然上人には12の難問が投げかけられたといい、念仏が他の行よりすぐれていることを法然上人が述べられたところ、顕真や論議参加した者は法然上人の教えを信じ、阿弥陀仏の周囲を三日三夜念仏行道したと伝えられています。

そして伝説では問答の際に本尊の阿弥陀如来が手から光を放ち法然が正しい証拠を示したとされ、「証拠の阿弥陀」と呼ばれようになったといい、またこの故事から同寺は「法然上人二十五霊場」の第21番札所にもなっています。

堂宇は火災や水害のたびに再建を繰り返し、現在の本堂は1778年(安永7年)の再建。
幅七間・奥行六間の総欅造りで、素朴な風情が漂う木の板を重ねて葺いたこけら葺の屋根と、欄間や蛙股などに彫り込まれた立体的な彫刻が印象的で、鐘楼とともに京都市の有形文化財にも指定されています。

そして堂内には本尊・証拠の阿弥陀のほか、本尊の奥に大原問答の際に左足を踏み出して証拠を示したという「踏出阿弥陀如来」と法然上人御木像、更に元三大師画像と普賢菩薩像、そして北野寺の本尊であったものを廃仏毀釈の難を逃れるために移したもので菅原道真の本地仏とされる十一面観音菩薩像などが安置されていて、また堂内ではボタンを押せば声明が流れるようになっており、自由に聞くことができるといいます。

行事としては毎年4月の下旬に魚山声明研究会により「声明を聞く会」が開催されているほか、1月3日には天下泰平・国家安泰を祈願する声明法要 「修正会(しゅしょうえ)」が勝林院村の宮座の若衆仲間が参加して行われます。

その他にも「梵鐘」は境内東側にある石像の宝篋印塔とともに創建当時藤原時代からのもので国の重要文化財に指定されているほか、本堂前の参道には杉苔(スギゴケ)が多く敷かれ、秋には紅葉との見事なコントラストが楽しめます。

勝林院(問答寺)の施設案内

 

境内

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    門前

     

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    駒札

     

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    境内図

    門前右手前

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    法然上人腰掛石

    来迎橋の南西

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    来迎橋

    三途の川に架かり、橋より内側は極楽浄土となるという

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    手水鉢

    門前右手

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    受付

     

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    鐘楼

    鐘楼は江戸初期の建造で京都市の有形文化財
    梵鐘は無銘なものの創建当時、藤原時代のもので国の重要文化財
    毎年12月31日大晦日の「除夜の鐘」で撞かれる

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    宝蔵

     

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    歌人平井乙麿の歌碑

    「苔の上(へ)を まろぶがごとく 流れゆく 呂律(ろりつ)の里の 弥陀の聲明」と刻まれている

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    正面参道

     

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    菩提樹

    本堂前

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    本堂

    春日局(かすがのつぼね)の発願により、崇源院追善のため、将軍家が1633年(寛永10年)に再建した本堂が1736年(享保21年)に焼失した後、江戸後期の1778年(安永7年)の再建で京都市の有形文化財
    康尚作の本尊・阿弥陀如来坐像は「証拠の阿弥陀」と呼ばれ、現在のものは1737(元文2年)に補修されたもの
    脇侍として不動明王と毘沙門天、また本尊の奥には大原問答の際に左足を踏み出して証拠を示したという「踏出阿弥陀如来」と法然上人御木像、元三大師画像と普賢菩薩像、そして北野寺の本尊であったものを廃仏毀釈の難を逃れるために移したという菅原道真の本地仏・十一面観音菩薩像などを安置

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    五色の綱

    本尊の御手から下がる5色の綱は結縁のために参拝者が触れるもの
    また白布の綱は「善の綱」といい、葬儀の際に来迎橋の外まで伸ばしてそこに安置される棺の上に垂らし、如来の導きで極楽往生するよう儀式を行うという

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    八講壇

    本尊前の左右にある問答談義を行う問答台

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    弁天社

    本堂左手奥

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    日吉山王社

     

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    観音堂

     

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    石像宝篋印塔

    「正和5年(1316年)」の銘があり国の重要文化財

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    東屋

     

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    西林院跡地

     

関連

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    実光院

    勝林院塔頭

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    来迎院

    下院である勝林院に対し、魚山大原寺の上院にあたる
    勝林院とともに天台声明の発祥地

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    熊谷直実腰掛石・鉈捨藪跡(なたすてやぶあと)

    「大原問答」の際にその弟子・熊谷直実(蓮生坊)は「師の法然上人が論議にもし敗れたなら法敵を討たん」との目的で袖に鉈(なた)を隠し持っていたが、上人に諭されて鉈を藪に投げ捨てたと伝わる

周辺

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    未明橋(茅穂橋)

    手前の律川に架かる橋

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    大原三千院

     

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    大原バス停

     

勝林院(問答寺)の主な年間行事・カレンダー

年中行事

1/3
修正会(声明法要・阿弥陀悔過)

15:00
大原魚山の声明法師全員が集まり、勝林村の宮座の若衆仲間とともに2時間にわたって天下泰平・国家安穏・万民快楽・令法久住を祈願

4/8
花まつり法要

15:00
大原仏教会による、般若心経読誦・千羽鶴奉納・灌仏

4月下
声明を聞く会

魚山声明研究会による

4月下頃
大原女まつり 大原女時代行列

行列は寂光院から三千院を経由して勝林院まで行われる

10/10
惟喬親王御忌

惟喬親王を偲ぶ法要・講演会

12/31
除夜の鐘

23時45分から参拝者全員つくことができる
事前の予約は不要

月並行事

 
 

 

花ごよみ

 
椿(ツバキ)

 

 
紅葉(こうよう)

 

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