睡蓮(スイレン) 京都の花ごよみ

睡蓮(スイレン)

睡蓮(スイレン) (Water Lily)

葉と花を水面に浮かべて白い花を咲かせる

DATA

スイレン属としては約40種あるが、日本では「ヒツジグサ(未草)」の1種類のみが自生(その他にいくつかの野生種を交配・品種改良し作り出された園芸種はある)。
学名は「Nymphaea Tetragona」、英名は「Water Lily(ヨーロッパではハスと同じLotus)」。
スイレン科スイレン属の多年草水生植物。
開花時期は5~9月と長く、葉と花を水面に1つ浮かべる、花は3~4cmの大きさで色は白色(ヒツジグサ以外では黄色、ピンク、赤などの色もあり)。
スイレン属は熱帯から温帯にかけて広く分布、このうち「ヒツジグサ」はアジアからヨーロッパ、北アメリカなど北半球に広く分布、日本では全国の池や沼に広く分布する。
高さは15~50cm。

名前の由来

「睡蓮」はヒツジグサの漢名だが、一般にスイレン属の植物の総称として用いられている。
また「未草(ヒツジグサ)」は未の刻(午後1~3時)に花を開き夕方閉じる所からその名がついた。
学名の「Nymphaea」はギリシャ神話の水の精「Nympha(ニンフ)」にちなむ。

歴史

ナイル川の河畔に多く自生し「ナイルの花嫁」の別名を持つ、また古代エジプトでは神聖視され現在もエジプトの国花になっている。

利用・用途

観賞用

池や沼に広く自生するほか、主に観賞用として池などで栽培される。

文化

絵画の題材としてはフランスの画家クロード・モネ(1840-1926)が睡蓮を題材に200点以上の作品を残しており、代表作として知られている。

よく似た植物(ハスとの違い)

ヨーロッパではハスとスイレンは総称して「ロータス」と呼ばれるなど似た所が多く、よく混同される。

スイレンの大きな特徴は葉と花を水面に浮かべる(ただし熱帯スイレンの中には葉や花を立たせるものもあり)、他方ハスは葉は浮き葉と立ち葉があるものの花は水面から高く上がった所で咲く。

またハスの葉には撥水性があり、水を掛けるとコロコロとした水玉になる(ロータス効果)が、スイレンにはそのような特徴はない。

京都の睡蓮スポット

寺社名 エリア ポイント
渉成園(枳殻邸) 渉成園
(枳殻邸)
京都駅 東本願寺東の飛地境内
10,600坪ある庭園の約1/6(1,700坪)を占める印月池を睡蓮が覆うように花をつける、同時期にはキショウブ(黄菖蒲)やカキツバタ(杜若)も見られる
平安神宮 平安神宮 岡崎・吉田・鹿ケ谷 神苑は7代目・小川治兵衛が20年以上かけて造園した明治期の名園で国の名勝にも指定
5月中~7月にかけ西神苑の白虎池と飛び石(臥龍橋)を渡るのが楽しい中神苑の蒼龍池では池畔に咲く花菖蒲の群生と水面に咲く赤や黄色、ピンク色の睡蓮を同時に楽しめる
南禅寺 天授庵 南禅寺 天授庵 岡崎・吉田・鹿ケ谷 秋の紅葉で有名だが、夏は睡蓮と桔梗が境内を彩る、睡蓮は池泉回遊式庭園の南庭の池
梅宮大社 梅宮大社 松尾・桂・西京極 5月上旬~8月中旬
龍安寺 龍安寺 衣笠・御室・花園・太秦 5月下~9月中旬にかけて鏡容池に赤や白、黄色の色とりどりの睡蓮が池を覆うように花を咲かせる、池畔に咲く杜若とのコラボも楽しめる
大原野神社 大原野神社 西山・乙訓 猿沢池を模した鯉沢の池に数多くの睡蓮、池にかかる朱色の橋が良いアクセントに
勧修寺 勧修寺 山科・醍醐 5月中~8月中旬、京都市指定の名勝庭園「氷池園」の氷室池にて、池の水面に白やピンクの花が咲き誇る、同じ頃の水際にはたくさんの花菖蒲も群生
岩船寺 岩船寺 木津川 6月下~8月上旬、三重塔手前の阿字池、庭には睡蓮鉢も置かれている
NO IMAGE 野笹すいれん 福知山 「福知山花の十景」の一つ、野笹にある畑田池は通称「すいれん池」と呼ばれ、6月から9月にかけて水面には白やピンクの花が咲き誇る
地元の人が植えた株が繁殖し現在は散策路も整備され名所に、見頃に合わせて「すいれん祭り」も開催

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