大御堂観音寺
全国に7体の国宝十一面観音、春は桜と菜の花が印象的
真言宗智山派。662年天武天皇勅願で創建され744年聖武天皇の勅願で中興、七堂伽藍を持ち筒城の大寺と呼ばれる大寺院だったが1437年の火災で焼失、大御堂だけが再建され現在に至る。 十一面観音立像は奈良中期を代表する天平仏で全国で7体しかない国宝の一つ。 春は参道の桜並木と菜の花の対比が印象的
大御堂観音寺とは?(基本データ)
- 名前
- 大御堂観音寺(おおみどうかんのんじ)
- エリア
- 京田辺
- ジャンル
- 建立・設立
- 天武天皇の勅願により義淵が親山寺(筒城寺)を創建したのがはじまり
744年(天平16年)、聖武天皇の勅願により良弁が伽藍を増築し「息長山 普賢教法寺」と号し中興。十一面観音立像を安置、法相・三論・華厳の三宗を兼ね、七堂伽藍を配備し「筒城の大寺」と呼ばれる大寺院だった
1437年(永享9年)、火災により建物のほとんどが失われ大御堂だけが再建され現在に至る - 創始者
- [開基] 義淵
[勅願] 天武天皇
[中興] 東大寺初代別当・良弁 - 宗派
- 真言宗智山派
- 山号
- 息長山(そくちょうざん)
- 本尊
- 十一面観音菩薩立像
- 寺紋
- 札所等
- 京都南山城古寺の会 第3番
京都・南山城十一面観音巡礼 - アクセス
- 駐車場
- 乗用車30台(無料)
- 拝観料
- 志納400円
- お休み
- 無休
- 拝観時間
- 9:00~17:00(冬期は16:30)
※団体は要予約 - 住所
- 〒610-0322
京都府京田辺市普賢寺下大門13 - 電話
- 0774-62-0668
- FAX
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- 公式サイト
- 大御堂観音寺 京都やましろ観光
大御堂観音寺 南山城の古寺巡礼 京都南山城古寺の会
南山城十一面観音巡礼 海住山寺
大御堂観音寺の地図
大御堂観音寺のみどころ (Point in Check)
京都府京田辺市普賢寺下大門、京都南部のJR・近鉄「三山木駅」から西へ約2km、同志社大学京田辺キャンパスにほど近い場所にある真言宗智山派の寺院。
山号は息長山(そくちょうざん)。本尊は十一面観音。「大御堂」「普賢寺」などとも呼ばれています。
7世紀後半に壬申の乱に勝利して即位したことで知られる第40代・天武天皇(てんむてんのう ?-686)の勅願により法相宗の僧・義淵(ぎえん 643-728)が創建した「観心山親山寺(筒城寺)」がはじまり。
その後、奈良時代の744年(天平16年)に東大寺を建立し奈良の大仏を造立したことで知られる第45第・聖武天皇(しょうむてんのう 701-56)の勅願により華厳宗の僧で東大寺初代別当・良弁(ろうべん 689-773)が中興。
二月堂の「十一面悔過会(けかえ)」、通称「お水取り」をはじめた人物とされている良弁の高弟・実忠(じっちゅう 726-824?)を第1世とし、伽藍を増築して「息長山普賢教法寺」と号し、本尊として十一面観音立像を安置したといわれています。
法相・三論・華厳の三宗を兼ね、778年(宝亀9年)には五重塔が建てられるなど、七堂伽藍は壮麗を極め「筒城の大寺(つつきのおおでら)」と呼ばれる大寺院であったと伝えられていますが、794年(延暦13年)のものをはじめ幾度となく火災に見舞われ、奈良・興福寺の別院でもあったことから藤原氏の援助によってその都度復興されましたが、藤原氏の衰退とともに寺勢も衰えていきます。
とりわけ1437年(永享9年)の火事では、13の諸堂ならびに20余りの僧坊など建物のほとんどが失われたといい、更に1565年(永禄8年)の焼失以降は大御堂を残すのみとなったといい、現在の「本堂(大御堂)」は1953年(昭和28年)に再建されたものだといいます。
現在の寺名は「大御堂観音寺」となっていますが、古代・中世には普賢寺と呼ばれていたといい、その名残はこの周辺一帯の地名「普賢寺」としてとどめられています。
また境内の西、本堂裏の丘陵上には塔の礎石「塔心礎」が残り、奈良時代末期から平安初期頃の作とされる古瓦が出土することから、ここが古代の普賢寺の遺構と推定されています。
本堂に安置されている本尊・十一面観音立像は744年(天平16年)の良弁の開基時の仏像で、奈良時代を代表する天平仏の代表的な仏像として1953年(昭和28年)に国宝に指定されていて、日本に7体しかない国宝の十一面観音の一つだといいます。
像高172.7cmの等身大の木真乾漆(もくしんかんしつ)造で、少年のような初々しい顔だちや引き締まった肉付きの良い体驅など、天平彫刻特有の緊張感が見られ、奈良・聖林寺の十一面観音とともに官営の造仏所で同じ奈良時代の後半頃に製作されたものと考えられています。
その他に周囲ののどかな里山の風景と良く調和する境内は桜やや紅葉の名所としても名高く、とりわけ春の桜の時期には参道の桜並木と一面に黄色い絨毯(じゅうたん)の景色が広がる菜の花畑とのコラボレーションが実に見事なことで有名です。
京田辺市観光協会が毎年秋の稲刈り後に田んぼ約67haを農家から借りて菜の花の種を播いているといい、菜の花畑は自由に摘み取れるように一般開放され、美しい景色を楽しもうと多くの市民や観光客が訪れます。
ちなみに東大寺の二月堂で行われる有名な「お水取り」で用いる籠松明の竹は、当寺院の近くで切り出した竹が使われているといい、2月11日に竹を二月堂まで運ぶ「竹送り」は戦争などで一端途絶えたものの、1978年(昭和53年)には復活し、現在まで続けられているといい、境内の鐘楼のそばにはそのことを示す「二月堂竹送り復活の地」の石標が建てられています。
大御堂観音寺の施設案内
境内
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参道入口
のどかな田園風景が広がる
入口右手に道標があり、両脇に石燈籠
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参道
北へとまっすぐ続く
田園が広がる中に桜と楓の並木道、春は一面の菜の花畑に
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菜の花畑
春は桜並木とのコラボレーションが美しい
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分岐
三叉路になっており、正面は本堂へ、左は庫裡、右に続く道の右手に鐘楼と駐車場とトイレがある
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鐘楼
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二月堂竹送り復活の地の石標
鐘楼の脇
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駐車場
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トイレ
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庫裡
分岐の左側にあり拝観受付となっている
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参道
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放生池
浮島のある庭園で初夏には睡蓮や杜若が咲く
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本堂
1953年(昭和28年)3月の再建
単層で入母屋造の本瓦葺で南に面する
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駒札
本堂前
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鬼瓦
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鳥居
本堂の正面左脇
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石段
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地祇神社(ちぎじんじゃ)
鎮守社で以下の3柱を祀る式内社
本社に息長帯比賣命(おきながたらしひめのみこと)を祀り、大山祇神(おおやまつみのかみ)および大国主神(おおくにぬしのかみ)を配祀する
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末社
左に天満宮、右に祈雨神社
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塔心礎
本堂の裏山の雑木林の中に残る
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周辺
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普賢寺川
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普賢寺ふれあいの駅
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JR三山木駅
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近鉄三山木駅
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大御堂観音寺の主な年間行事・カレンダー
年中行事
- 11月下~12月上
大御堂観音寺ライトアップ
本堂、紅葉ならびに参道のライトアップおよび国宝十一面観音立像の夜間特別拝観
初日に点灯式、期間中の数日はコンサートステージや特産品の販売あり