花山稲荷神社
花山稲荷神社とは?(基本データ)
- 名前
- 花山稲荷神社(かざんいなりじんじゃ)
- エリア
- 山科・醍醐
- ジャンル
- 建立・設立
- 903年(延喜3年)
- 創始者
- 第60代・醍醐天皇
- 祭神
- 宇迦之御魂大神(うかのみたまのおおかみ)
神大市比売大神(かむおおいちひめのおおかみ)
大土御祖大神(おおつちのみおやのおおかみ) - ご利益
- 五穀豊穣、商売繁盛、導き・交通安全
技芸上達、心願成就(必勝祈願・合格祈願) - 例祭
- 4月第2日曜(例祭)
他に初午祭(鳴釜神事)(2月第1または第2日曜)、火焚祭(11月第2日曜)などが知られる - 神紋・社紋
- アクセス
- 駐車場
- 5~6台(無料)
- 拝観料
- 無料
- お休み
- 無休
- 拝観時間
- 境内自由
- 住所
- 〒607-8302
京都府京都市山科区西野山欠ノ上町65 - 電話
- 075-581-0329
- FAX
- 075-581-0401
- 公式サイト
- 三条小鍛治宗近旧跡 花山稲荷神社
花山稲荷神社の地図
花山稲荷神社のみどころ (Point in Check)
京都市山科区西野山欠ノ上町、山科の西南部、地下鉄東野駅と椥辻駅の西方に鎮座する神社。
祭神は宇迦之御魂大神(うがのみたまのおおかみ)、神大市比売大神(かむおおいちひめのおおかみ)、大土之御祖大神(おおつちのみおやのおおかみ)の3柱。
このうち宇迦之御魂大神の母神である神大市比売大神が併せ祀られていることから、伏見稲荷大社の本宮・奥宮としての信仰も篤いといいます。
社伝によれば、平安中期の903年(延喜3年)に第60台・醍醐天皇の勅命により創建。
醍醐天皇が山階(現在の山科)に住む外曽祖父・宮道弥益(みやじのいやます)の元へ行幸の途中、花山あたりで美しい景色に思わず御車を止めしばらく眺めたといい、その夜に夢に老人が現れて自分を花山に祀れば永く国民と国土を護ると告げ、名を尋ねると「宇迦之御魂」と言って消えたといいます。
そして夢から覚めた天皇は御神託の通りに勅命を下され、上中下の社殿を造営させて三柱の大神を勧請したと伝えられています。
古くは「西山稲荷」と呼ばれたといいますが、その後、第65代・花山天皇が篤く崇敬したことから「花山稲荷」と呼ばれるようになり、後に花山院家(清華家)にも勧請されて宮中でも祀られたといい、現在も京都御苑の花山院家の邸宅跡にある宗像神社の境内には境内社として花山稲荷神社の名前が残っています。
988年(永延2年)に第66台・一条天皇、1174年(承安4年)には平清盛の長男・平重盛が社殿を再建しており、その後1701年(元禄14年)に大石内蔵助の義兄である進藤源四郎の寄進により現在の本殿が造営されています。
また拝殿の右側にある「稲荷塚」と呼ばれる古墳は、平安後期に祇園祭の長刀鉾の鉾を作ったことでも知られる名工・三条小鍛冶宗近(さんじょうこかじむねちか)が稲荷大神の神徳により名刀「小狐丸(こぎつねまる)」を鍛えたところとも伝えられていて、毎年11月の第2日曜日に開催される「火焚祭(ひたきさい)」はこの故事にちなんで火焚串を独特の鞴(ふいご)の形に組むことから「ふいご祭」とも呼ばれ、火中に投げ入れたみかんを食べたり、皮を煎じて飲めば、年中風邪を引かないといわれている。
その後、江戸中期の元禄年間には稲荷講が設立されて洛中の人々が数多く参拝に訪れて大いに賑わったと伝えられ、また同時代には山科の当社近くに隠棲していた大石良雄(内蔵助)(おおいしよしお(くらのすけ))も当社を崇敬し、大願成就を祈願したといわれることから、大石内蔵助必勝祈願の社として知られており、境内には大石良雄が献納した鳥居や断食石、血判石などが伝えられています。
明治維新後は勅命により村社となり、戦後一時廃れるもののその後再興され、2003年(平成15年)には御鎮座1100年を祝う式年大祭が行われています。
境内の参道には明治100年を祈念して植えられたという桜の花が春には参道から境内にかけて咲き誇り、山科を代表する桜の名所の一つとなっています。
桜の種類は大半が染井吉野(ソメイヨシノ)で、その他に山桜、里桜、枝垂桜、八重紅枝垂桜があるといいますが、このうち枝垂桜は、御所にたくさん落ちていた種を拾った西野山のおゆきという人物が実生させて当社に寄進したことから「おゆき桜」と呼ばれ親しまれています。
行事としては前述の「火焚祭」のほか、京都では吉祥院天満宮と西院春日神社ぐらいでしかお目にかかれない珍しい神事である釜を鳴らして一年を占う「鳴釜神事」の行われる「初午祭」が有名です。
また近年は刀を擬人化したゲーム「刀剣乱舞」の影響もあり参拝者が増え、全国から多くの女性が訪れるといい、境内にはゲームの中に登場する神社に縁のある名刀・小狐丸にちなんだキャラクター「小狐丸」の描かれた大きなパネルが置かれ、記念写真を撮る人も多いといいます。
花山稲荷神社の施設案内
境内
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北鳥居
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社号標
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北参道
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朱塗りの鳥居
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境内
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手水舎
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石鳥居
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社務所
本殿左側
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熊丸神社(くままるじんじゃ)
拝殿左
大祓の祝詞にもその名が出てくる海の神・速秋津比売大神(はやあきつひめのおおかみ)および佐田比古大神(さるたひこのおおかみ)を祀る
穢れを海水で流すということからこの社で参拝を済ませてから本殿に参拝するとよいという
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拝殿
1980年代から90年代にかけて放送されていてフジテレビ系列の人気クイズ番組「なるほど! ザ・ワールド」の番組ロゴが描かれた鈴がある
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本殿
988年(永延2年)に第66台・一条天皇、1174年(承安4年)に平清盛の長男・平重盛によって再建
現在の本殿は2003年(平成15年)に発見された棟札により、江戸中期の1701年(元禄14年)に大石良雄(内蔵助)の義兄である進藤源四郎の寄進により造営されたことが確認されている
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木製鳥居
大石良雄(内蔵助)の奉納と伝わり、鳥居の根元が傷んでいることから本殿の裏に立てかけて保管されている
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断食石
本殿前にある大石良雄(内蔵助)が断食をして沈思黙考したと伝わる大岩
元々は幕末の「都名所図絵拾遺」にも大きく描かれているとおり神社背後の薮中にあった畳10畳ほどの巨岩で、当社の磐座であったと思われる
明治20年代に琵琶湖疏水の開通によって灌漑用水が当社付近にも引かれて田んぼが作られるようになると、田中に巨岩があると耕作の邪魔になるとの理由で爆破されることに
そのことを惜しんだ当時の神主が破片のうち一番大きなものを境内に移したと伝わる
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大石良雄公血判石
本殿横
神社の神前で敵討ちの同志の心底を試すため、石の上で血判をさせたと伝わる
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御塚
本殿裏北側の森の中
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達光宮
本殿右
交通安全と交易の守護神、商売繁盛、芸能・技芸・弁舌上達の神として知られる市杵島比売大神のほか、金属の神として知られる金山比古大神(かなやまひこのおおかみ)と金山比売大神(かなやまひめのおおかみ)、更には「ふいご」を神格化した神である天目一筒大神(あめのまひとつのおおかみ)らを祀っており、平安後期の刀工・三条小鍛冶宗近も当社を参拝したという
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稲荷塚
達光宮の横の囲い
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四社神社
本殿の北
左から木の神・久久之智大神(くくぬちのおおかみ)、草木の神・草野比売大神(かやのひめのおおかみ)、土や肥料の神・埴山比売大神(はにやまひめのおおかみ)、速秋津比売大神(はやあきつひめのおおかみ)を祀る
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水分社(みくまりのやしろ)
水の神といわれる天之水分大神(あめのみくまりのおおかみ)、国之水分大神(くにのみくまりのおおかみ)の水に関係する神を祀る
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御嶽山御塚
参道脇の楠のそば
協力して最初に国作りを行なったといわれている国譲りの神で知られる大国主命(おおくにぬしのみこと)と薬の神・少彦名命名(すくなひこなのみこと)の2柱を祀る
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薬丸大神
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神馬舎
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おゆき桜
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一本杉
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東参道
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東鳥居
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花山稲荷公園
東参道横の児童公園
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周辺
花山稲荷神社の主な年間行事・カレンダー
年中行事
- 1/1
歳旦祭・初詣
22時より神社参道にて約150本のローソクの「道しるべのともし火」点火
23時45分より「除夜祭」と笹酒接待
1/1の11時より「歳旦祭」とたる酒接待- 1/15
小正月祭(どんど焼き)
- 2月第1または第2日曜
初午祭(鳴釜神事)
14時半
農耕を始めるにあたって稲荷大神の降臨を仰ぎ五穀豊穣を祈願するとともに、釜を鳴らして一年を占う
花山稲荷・西野山付近の古い家に現在も伝わる地元の名物菓子・竹ういろうの授与もあり- 4月第2日曜
例祭
稲荷大神の御鎮座に祝言を捧げる
- 6月第3日曜
摂社達光宮例祭
手先の技術や弁舌の才を願う人々の栄達を祈願
- 6/30
夏越大祓式
茅輪くぐりおよび人形祓の神事が行われる
- 11月第2日曜
火焚祭
平安後期に名工・三条小鍛冶宗近がこの地の土でふいごを築き、花山大神のご加護で名剣「小狐丸」を鍛えたという故事にちなみ、火焚串を独特のふいごの形に積み上げることから「ふいご祭」とも呼ばれる
本殿での祭典の後、神前の燈明から採火した火を移して点火、一年の平穏無事に感謝するとともに我が身の穢れや迷いを焼き祓い、来るべき年への出発の第一歩とする
火勢の盛りに投げ入れられた「焼きミカン」のおさがりが参拝者に振る舞われ、年中風邪を引かないとして人気- 12/31
年越大祓式
15時より人型祓いの神事
月並行事
- 毎月1日
月首祭