蹴上インクライン
琵琶湖疏水記念館まで続く「線路上の桜のトンネル」
鉄道網が整備されるまで水運として使用された琵琶湖疏水約20kmの中で高低差のある水路間を繋ぐ目的で作られた傾斜鉄道。 蹴上と伏見の2か所に施設され、このうち蹴上は当時を知る貴重な資料として今も残る。 琵琶湖疏水記念館まで伸びる線路上は現在は桜の名所に
蹴上インクラインとは?(基本データ)
- 名前
- 蹴上インクライン(けあげいんくらいん)
- エリア
- 岡崎・吉田・鹿ケ谷
- ジャンル
- 建立・設立
- 琵琶湖疏水は1885年(明治18年)着工、1890年(明治23年)完成
インクラインは1891年(明治24年)から運転を開始し、1948年(昭和23年)まで使用された
1983年(昭和58年)に京都市の文化財に指定
1997年(平成9年)に開通した京都市営地下鉄東西線「蹴上」駅の工事に伴い復元工事が行われる - 創始者
- 田辺朔郎(工事主任)
第3代京都府知事・北垣国道(琵琶湖疏水施工を発意) - アクセス
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- 三条京阪駅から京都市営地下鉄東西線「蹴上」駅下車すぐ
- 京都市営バス「岡崎法勝寺町」(5号系統)下車 徒歩約5分
- 京都市営バス「南禅寺・疏水記念館・動物園東門前」(京都岡崎ループ)下車 徒歩約2分
- 京阪バス「蹴上」(17・19系統)下車すぐ
- 駐車場
- なし
- 拝観料
- 無料
- お休み
- 桜は3月下旬~4月上旬が見頃
- 拝観時間
- 終日
- 住所
- 〒606-8443
京都府京都市左京区粟田口山下町~南禅寺草川町(琵琶湖疏水記念館)までの約582m - 電話
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- FAX
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- 公式サイト
- 琵琶湖疏水のご紹介 京都市上下水道局
琵琶湖疏水船公式サイト
琵琶湖疏水記念館
京都インクラインと琵琶湖疏水 国立国会図書館
蹴上インクラインの地図
蹴上インクラインのみどころ (Point in Check)
「蹴上インクライン(けあげインクライン)」は京都市左京区、地下鉄東西線の蹴上駅を出てすぐの南禅寺~蹴上間にある鉄道跡で、琵琶湖疏水に関する史跡の一つです。
この点「インクライン」とは「傾斜鉄道」ないし「勾配(こうばい)鉄道」ともいい、貨物を運搬する舟を台車で運ぶ鉄道のこと。
水路に勾配がある場合にレールを敷いて台車に船を載せ、ケーブルカーの要領でケーブルで引っ張ることで台車を上下させ船を移動させる方式をいいます。
水運において水路の高低差の激しい急勾配では、多くの荷物を積む船は途中で転覆してしまう恐れがあり運行できないことから、緩やかに傾斜する鉄道が代わりに用いられました。
そして「蹴上インクライン」は、琵琶湖から続く琵琶湖疏水による舟運ルートの途中、落差の激しくなる蹴上舟溜から南禅寺舟溜までの斜面に敷設されたインクラインのことです。
琵琶湖疎水は滋賀県の大津から宇治川に至る全長20.2kmの水路で、様々な用途に利用され明治以降の京都の経済発展に大きく貢献しました。
明治から昭和期にかけては物資を運ぶ水運としても使用されていましたが、蹴上~鴨川間の高低差は36mもあり、舟はこの急勾配を上り下りできなかったことから、インクラインが作られたといいます。
蹴上インクラインは1890年(明治23年)1月に完成の後、翌1891年(明治24年)12月から運転を開始しましたが、その後の鉄道網の発達などで徐々に使用されなくなり、1948年(昭和23年)11月に運転を休止しました。
現在はインクラインとしての役目は終えていますが、京都の近代化のために多大な貢献をした「琵琶湖疎水」の歴史を物語る貴重な産業遺産として保存されることとなり、1977年(昭和52年)5月に完成。
現場には線路のほか、坂の途中と、蹴上船溜りに2台、復元された台車が残されています。
また全長約582m(581.8m)の線路の長さは世界最長の傾斜鉄道跡といわれ、またインクライン跡としては日本で唯一残っている貴重なものであることから、1996年(平成8年)には国の史跡にも指定されています。
蹴上インクラインに残されている線路は、現在は使用されていないことから無料で開放され自由に歩くことができるようになっており、普段まず歩くことはできない線路上を歩ける貴重な経験ができるとして鉄道ファンなどから人気を集めています。
この点、春には桜の名所として数多くの観光客が訪れることでも知られ、全長約582mの線路沿いの桜並木には約90本の染井吉野(ソメイヨシノ)や山桜(ヤマザクラ)が連なり、見事な桜のアーチを形作ることから、見頃の4月上旬には多くの外国人観光客の姿も見られ、線路上は散策を楽しむ人や記念撮影をする人などで溢れ返ります。
ちなみに琵琶湖疎水上にはもう一か所水路に落差のある伏見にも「伏見インクライン」が設けられ、延長290.8mの長さで1890年代(明治23年前後)に完成し、1940年前後(昭和15年前後)に休止しましたが、形態保存されているのは蹴上のものだけです。
インクラインの周辺については、まずインクラインの上部に琵琶疎水を設計した田辺朔郎の銅像が建つ広場があり、市民憩いの場になっているほか、義経大日如来が祀られている祠などもあります。
他方線路を下った下部には「琵琶湖疏水記念館」がありますが、これは1989年(平成元年)に琵琶湖疏水の完成100周年を記念して開設されたもので、琵琶湖疏水とともに2007年(平成19年)に近代化産業遺産に指定され、京都の疏水の歴史を学ぶ事ができる貴重な史料が展示されており、入館無料で見学することができます。
またインクラインからも眺めることのできる美しいレンガ造りの建物は「蹴上発電所」で、日本初、世界でも2番目の事業用水力発電所として建設され、日本で最初の路面電車も走らせたただけでなく、インクラインのケーブルを引っ張る巻き上げ機の電力もこの発電所の水力発電が利用されました。
レトロな雰囲気の建物ですが、現在も京都の町に電力を送り続けている現役の発電所です。
蹴上インクラインの施設案内
地下鉄蹴上駅・蹴上疏水公園
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仁王門通
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蹴上交差点
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蹴上発電所
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インクラインへの坂道
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琵琶湖疏水工事殉難者碑
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疏水公園への石段
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蹴上疏水公園
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噴水
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展望所
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田辺朔郎博士像
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工学博士田辺朔郎君紀功碑
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蹴上発電所水槽見張所
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導水管
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南禅寺方面への鉄橋
蹴上船泊・義経大日如来
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史跡 琵琶湖疏水の説明版
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山ノ内浄水場導水管
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インクライン運転の仕組みの説明板
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台車と三十石船
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インクライン・運輸船の説明板
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広場
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琵琶湖疎水殉難碑 一身殉事萬戸霑恩
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義経大日如来
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大神宮橋
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京都一周トレイルの道標
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日向大神宮への石段
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日向大神宮一の鳥居からの参道
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扁額でたどる琵琶湖疏水の説明板
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蹴上船泊
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蹴上山ノ内浄水場取水池
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九条山ポンプ場
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琵琶湖疏水船 蹴上下船場
蹴上インクライン~南禅寺船泊
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蹴上インクライン
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インクライン(傾斜鉄道)の説明板
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三十石船と蹴上インクラインの説明板
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台車と伏見三十石船
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南禅寺橋の高架下
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橋
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琵琶湖疏水記念館への石段
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南禅寺交差点への石段
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南禅寺交差点と南禅寺橋
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地蔵
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いのちの水琵琶湖疏水の説明板
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岡崎桜回廊十石舟乗船場
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京都三大事業の石碑
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強大な輝きの像
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噴水
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南禅寺船泊
関連
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慶流橋と平安神宮大鳥居
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夷川舟溜
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疏水こみち
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白川放水路
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冷泉放出口
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鴨川
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鴨川四季の歌碑
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田辺小橋
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疏水分線
周辺
蹴上インクラインの主な年間行事・カレンダー
年中行事
- 3~5月・10~11月
びわ湖疏水船
[公式]
- 3月下~4月上
岡崎桜回廊ライトアップ&十石舟めぐり
- 3月下~5月上
岡崎さくら・わかば回廊 十石舟めぐり
[公式]
花ごよみ
蹴上インクラインのレポート・旅行記
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2017年04月6日
琵琶湖疏水通船&日向大神宮
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2017年04月6日
京都の桜2017 蹴上インクライン
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2017年04月6日
蹴上インクラインをぶらり
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