杜鵑草とは?
花びらにある鳥のホトトギスに似た紫色の斑点が特徴
DATA
学名は「Tricyrtis Hirta」、英名は「Toad Lily(トード・リリー)」。「杜鵑」とも表記。「油点草(ユテンソウ)」の別名あり。
ユリ科ホトトギス(杜鵑草)属の多年草の植物。
初夏から秋の7月~10月にかけて(見頃は9~10月)、葉の付け根と茎の先に2~3cmほどの花を1~3個ぐらい上向きに咲かせる、花色は白のほか紫やピンク黄色もある、花びらは6枚でその内側に紫色の斑点が多数あるのが大きな特徴、2-4日程度咲き。
日本原産で台湾・朝鮮半島・中国南部などの東アジアにも分布、日本では北海道から九州にかけて広く分布する。
高さは30cm~1m。
名前の由来
「ホトトギス」の名前の由来は、花びらにある斑点の模様が、鳥のホトトギス(不如帰)の胸にある模様と似ているため。
別名の「油点草」は花に油が垂れたような斑点が現れるところから。
「Tricyrtis(トリキルティス)」は、ギリシャ語の 「treis(3)+ kyrtos(曲)」が語源。 花の基部が曲がり3つの「距(主に花の後ろ側にできる突起状の部分で中は空洞)」があることに由来する。
利用・用途
観賞用
山野の湿った日陰に多く自生する山野草。
庭植えや鉢植えのほか、茶花や生け花などにも利用されている。
食用
若芽や若い茎は天ぷらなどにして食用される。
よく似た植物
日本を中心に東アジアに分布し、19種が確認されている。
このうち日本に自生するホトトギスは、4つの類縁(節)に分けられる。
古くから栽培されているシロホトトギスのほかに園芸品種も多く流通している。
[1] ジョウロウホトトギス節(上臈杜鵑草)
主に宮崎県、高知県に生息。
黄色の釣り鐘型、垂れ下がるように咲く。
「上臈」とは貴婦人のことで、優雅に花を咲かせる様を貴婦人にたとえたもの。
ジョウロウホトトギスなど3種。
[2] キバナノホトトギス節(黄花杜鵑草)
主に九州に生息。
黄色で上向きに咲く。
キバナノホトトギスなど4種。
[3] ホトトギス節(杜鵑草)
本州の南関東より西、四国や九州(タイワンは宮崎県固有)に生息、見頃は10月頃。
白色で、上向きに咲く。
5種あり日本にはホトトギス(シロバナホトトギス)とタイワンホトトギスの2種のみ。
最も広く分布し、栽培されているものもこれが一番多い。
[4] ヤマホトトギス節(山杜鵑草)
通常、白色で上向きに咲く、花びらが強く反り返り紫色の斑点が大きい。
ヤマホトトギスなど7種。