南天とは?
「難を転ずる」縁起の良い木
DATA
学名は「Nandina Domestica」、英名は「Heavenly Bamboo」。
目木(メギ)科ナンテン属の常緑低木。
初夏に白い花が咲き、晩秋から初冬にかけ赤色の小さな球形の果実を実につける。
中国原産で西日本を中心に広く自生。
高さは約2mで、高いもので4~5mほどに成長する。
名前の由来
中国の漢名「南天竹」「南天燭」が略したものが音読みされたもの。
利用・用途
庭木として植えられることが多い。
とりわけ音が「難を転ずる」に通ずることから縁起の良い木とされ、鬼門または裏鬼門に植えると良いなどといわれる。
無病息災を願って作られた南天箸も人気が高い。
葉は、南天葉(なんてんよう)という生薬で、解熱や咳止めなどの作用がある。
また「ナンジニン」という成分が殺菌効果があり、食品の防腐剤として弁当に入れることも。
よく似た植物
小さな赤い実をつける植物としてはほかにピラカンサ、万両、千両などがよく知られているが、南天は千両・万両に比べると果実の数が圧倒的に多く、ぶどうの房のように垂れ下がって実をつける。ピラカンサも同様に果実の数が多く重さで枝がしなるほど実をつける。
ピラカンサは京都では世界遺産・二条城の生垣に植えられているものがよく知られているほか、東寺にもある。
他に南天は、幹の先端にのみ葉が集まる独特の樹形、葉は深い緑色で細長く先端が尖っている(広披針形)、などの特徴を持っている。