摩気神社(摩氣神社)
摩気神社(摩氣神社)とは?(基本データ)
- 名前
- 摩気神社(摩氣神社)(まけじんじゃ)
- エリア
- 南丹
- ジャンル
- 建立・設立
- 770年(神護景雲4年)以前
- 祭神
- 大御饌津彦命(大御食津彦命)(おおみけつひこのみこと)
- ご利益
- 食物を司る神、五穀豊穣、農業の守護神
- 例祭
- 10/14
他にお田植祭(6/5に近い日曜)、神幸祭(10月第3土日)などが知られる - 神紋・社紋
- 五七の桐
- アクセス
- 駐車場
- あり(鳥居の正面右手西側)
- 拝観料
- 無料
- お休み
- 拝観時間
- 境内自由
- 住所
- 〒622-0062
京都府南丹市園部町竹井宮ノ谷3 - 電話
- 0771-62-1169
- FAX
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- 公式サイト
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摩気神社(摩氣神社)の地図
摩気神社(摩氣神社)のみどころ (Point in Check)
京都府南丹市園部町竹井宮ノ谷、JR園部駅より西へ約7kmほど進んだ園部川の上流、南丹市園部町の最西端、胎金寺山の北の麓に北面して鎮座する神社。
社殿が北面するのは丹波地方では唯一といい、社格は延喜式における式内社(名神大社)で、旧社格は府社。
鎮座地である竹井集落を始め、篠山街道沿いに広がる周辺集落の共通の氏神として「摩気郷十一ヶ村の総鎮守」と称されていて、本殿に主祭神として「大御饌津彦命(おおみけつひこのみこと)」を祀るほか、本殿の左右には近郷各地から集められた神々を祀っています。
この点、主祭神・大御饌津彦命は奈良・春日大社の第三殿・天児屋根命(あまのこやねのみこと)と第四殿・比売神の御子神(若宮)である「天押雲根命(あめのおしくもねのみこと)」の別称で、神話において瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)が天照大神の神勅によってこの国に降りた後、父神に「皇孫の御饌(みけ)の水には天津水を捧れ」と言われて天津国に遣わされて、一心に天津神に乞うて「天の八井の水」を受けたとされていて、水や食物を司る神として知られています。
そして「饌(け)」は「食」の古語であり「御饌=御食(みけ)」は神に捧げる食物を意味するといい、その御饌(みけ)が転訛して「摩気(まけ)」となったといわれています。
神社の詳しい創建の経緯については不明ですが、「吉祥山縁起」によると平安初期、第52代・嵯峨天皇の811年(弘仁2年)に空海による勧請とあるものの、「新抄格勅符抄」によれば第48代・称徳天皇の770年(神護景雲4年)に神封一戸を奉じられていることから、それを遡る奈良時代以前には存在していたと考えられています。
第55代・文徳天皇の852年(仁寿2年)11月には勅使を遣わされて幣帛を奉られ、また第56代・清和天皇の859年(貞観元年)正月には「従五位上」の神階を授けられており、更に平安中期の927年(延長5年)にまとめられた当時「官社」に指定されていた全国の神社一覧である「延喜式神明帳」では船井郡の「名神大社」として記されており、その当時から一帯の有力な神社であったと考えられます。
そして平安後期の1079年(承暦3年)には史上初めて院政を敷いたことで有名な第72代・白河天皇(しらかわてんのう 1053-1129)の行幸があり、社殿一円を修造の上「船井第一摩気神社」の勅額を賜ったと伝えられています。
また江戸期には当地を治めた園部藩主・小出氏の代々の祈願所とされ、1761年(宝暦11年)に当時神宮寺として隣に伽藍を構えていた胎金寺の出火によって焼失した際には第5代藩主・小出英持(こいでふさよし 1706-67)により本殿や摂社などが再建されています。
このため社殿は全て江戸時代以降のものですが、本殿と東摂社・西摂社の両摂社は伝統的な神社建築の流れを受け継ぐ遺構として京都府指定文化財、そして絵馬舎・神門・鳥居が京都府登録文化財にそれぞれ指定・登録されています。
また神社周辺の竹井集落にはのどかな田園風景や園部川に架かる趣のある摩気橋、白壁と瓦屋根が印象的な庄屋屋敷などの古き良き里山の風情が残っているほか、杉や松の深々とした緑に覆われた境内には茅葺きの建物が多く残っており、その景観の美しさから京都で撮影される時代劇のロケ地としても度々使用されているといい、1984年(昭和59年)には神社の森一帯が「京都府文化財環境保全地区」にも定められ保護が図られています。
ひっそりと落ち着いた雰囲気である一方、神社本来の凛とした神聖な空気も漂っていて、都会の喧騒を離れ時間を忘れてゆっくりと過ごしたいもおすすめの神社です。
行事としては6月に五穀豊穣と無病息災を祈願して行われる「お田植祭」や、10月には神輿渡御のほか、船阪御旅所にて行われる相撲や流鏑馬の神事が見どころである「神幸祭」などがよく知られています。
摩気神社(摩氣神社)の施設案内
境内
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鳥居
境内は北面
第2代藩主・小出英知が木の鳥居を石の鳥居に再建したもので、左右の柱には、藩主小出英知の碑文が刻まれている
1984年(昭和59年)に京都府登録文化財に指定
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社号標
鳥居の右
「延喜式内摩気大社」と刻まれている
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天津八井の泉
鳥居の脇に湧く
祭神由縁の天津御饌の水
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お手洗
神門の右手(西側)
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参道
約50mあり、神門の前には大木がそびえ立つ
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神門
1808年(文化5年)に第7代藩主・小出英筠(こいでふさたけ 1775-1821)により建立
1984年(昭和59年)に京都府登録文化財に指定
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境内参道
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古神札納所
参道すぐ左手
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手水舎
参道左手、古神札納所の奥
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絵馬舎(舞殿)
参道左手、手水舎の奥
1761年(宝暦11年)の火災の後、1767年(明和4年)に第5代藩主・小出英持により再建
昭和初期までは拝殿だったが、拝殿の新築に伴って絵馬舎として移築・再利用されたという
1984年(昭和59年)に京都府登録文化財に指定
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四社
参道左手、絵馬舎の奥
左から塞神社・琴平神社・山王神社・稲荷神社
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伊勢皇大神宮遥拝所
参道左手、四社の奥
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湯立の竈
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社務所
参道右手
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祓所
社務所の奥
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拝殿
境内中央
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本殿
拝殿の奥、茅葺きの覆屋根の中にある
京都府下でも最大級とされる大型の一間社流造、こけら葺で、両摂社とともに1984年(昭和59年)4月14日に京都府指定文化財
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東摂社
本殿正面左
本殿と同じく茅葺きの覆屋根の中にあり本殿とともに1984年(昭和59年)に京都府指定文化財
山王大神・八幡大神・八幡大神、恵比須大神・八幡大神・葛木大神の6柱を祀る
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西摂社
本殿正面右
本殿と同じく茅葺きの覆屋根の中にあり本殿とともに1984年(昭和59年)に京都府指定文化財
月読大神・若宮大神・三輪大神、加茂大神・熊野大神・菅原大神、菅原大神・大森大神の8柱を祀る
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観音堂跡
本殿右手奥の小道を進んだ先に石垣だけが残る
観音堂は現在は別の場所に建てられている
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観音堂
本殿右手を流れる小川のそば
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周辺
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府道54号園部能勢線
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摩気神社前バス停
府道54号沿いにある京阪京都交通バスのバス停
T字路になっていて、ここから細い道を南へ進んでいくと園部川に架かる摩気橋を経て神社前に到着できる
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石灯籠
バス停の分岐を南へ進んですぐ、右手に1基ある
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社号標
石灯籠から少し進んだ左手に建つ
「式内 名神大社 摩気神社」と刻まれている
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細道
両側を庄屋屋敷に挟まれた趣のある道が続く
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大銀杏
摩気橋の北詰東側にある
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摩気橋
園部川に架かる橋
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園部川
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石灯籠
摩気橋の南詰西側にある
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胎金寺山
神社の裏手、後方に聳え立つ山
クロマツ主体の宮山で、園部町指定天然記念物に指定されている「天狗杉」と呼ばれる高さ約40m、推定年齢500年の杉の巨木が2本あり、それぞれ「山口の天狗杉」「奥の天狗杉」と呼ばれている
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九品寺
810年(弘仁元年)に弘法大師空海の開基とも、1079年(承暦3年)に白河天皇によって開山とも伝わる
戦国時代に衰微するも、江戸初期の1623年(元和9年)に園部藩主・小出吉次の援助により再興
明治初期の「神仏分離令」に伴って荒廃、本尊や寺宝なども散逸し、第二次世界大戦後には仁王門を残すのみとなり、残った仁王門は鎌倉後期の建築で重要文化財に指定
同じく「神仏分離令」で廃寺となるまで存在していた胎金寺は九品寺の末寺で、摩氣神社は胎金寺山を御神体山としていたという説もあり、また胎金寺山の神宮寺であったという
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関連
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御旅所(八幡神社)
南丹市園部町船阪にある境外社であり御旅所
神社から約3kの所にある
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摩気神社(摩氣神社)の主な年間行事・カレンダー
年中行事
- 6月5日に近い日曜
お田植まつり(お田植祭)
五穀豊穣と無病息災を祈願して千年以上受け継がれてきたという神事
拝殿にて中央に置かれた太鼓が打たれる中、その周りを藍染めの木綿絣の着物に薄緑の帯を締め、赤い襷(たすき)を結んだ早乙女や敬神婦人会の女性たちが「一つ心に植えゆく早苗 神の御前の大床に~」の歌に合わせて、伝統のお田植え踊りを奉納
本殿前の階段では、袴姿の宮主が鋤に見立てた竹竿の先に鳴子のついた家型の板を使って代作りの所作をし、そこに早乙女が苗に見立てた粽(ちまき)を階段に田植えをするように一つ一つ置いていく- 8/18
湯立祭
- 10/14
例祭
- 10月第3土日
神幸祭
2日間かけて神社と船阪御旅所の間を往復する「神輿渡御」のほか、神輿が御旅所に滞在中に御旅所にて行われる「相撲(角力)」や「流鏑馬」の奉納が見どころ
相撲神事では神様と組んで大げさに負けるさまを見せる一人角力(すもう)も行われ人気だという