岩屋山志明院
鴨川の水源地として皇室の崇敬も厚い「もののけの森」
真言宗単立寺院で岩屋不動の別名。650年役行者が開山、鴨川源流に位置し京都の水源地であることから829年淳和天皇勅願により空海が再興。 歌舞伎十八番鳴神の舞台で作家司馬遼太郎がこの地で体験した怪異現象が宮崎駿アニメもののけ姫誕生のきっかけに。 4月下旬に咲くシャクナゲは市指定天然記念物
岩屋山志明院とは?(基本データ)
- 名前
- 岩屋山志明院(いわやさんしみょういん)
- エリア
- 北山三村
- ジャンル
- 正式名
- 岩屋山金光峯寺志明院(いわやさんきんこうほうじしみょういん)
- 建立・設立
- 650年(白雉元年)、役の行者が開山と伝わる
829年(天長6年)、鴨川の水源地を祈願し祀らなければ都の平穏はないと淳和天皇勅願により弘法大師空海が再興 - 創始者
- [開基] 役行者
[再興] 弘法大師空海 - 宗派
- 真言宗系単立
- 山号
- 岩屋山(いわやさん)
- 本尊
- 不動明王
- 寺紋
- アクセス
- 駐車場
- バス2台 無料
自家用車15台 無料 - 拝観料
- 中学生以上 300円
小学4年~中学生未満 200円
■しゃくなげ開花期間
└400円
※団体20名以上は要予約 - お休み
- 無休
- 拝観時間
- 8:00~17:00
冬期の拝観時間は16:30まで - 住所
- 〒603-8861
京都府京都市北区雲ケ畑出谷町261 - 電話
- 075-406-2061
- FAX
- 075-406-2061
- 公式サイト
- 岩屋山志明院 Twitter
岩屋山志明院 Facebook
岩屋山志明院 Instagram
京都市指定・登録文化財-天然記念物(北区) 京都府
岩屋山志明院の地図
岩屋山志明院のみどころ (Point in Check)
京都市北区雲ヶ畑出谷町、鴨川源流として知られる洛北雲ヶ畑の険しい山中にある真言宗系の単立寺院(岩屋山不動教の本山)。
山号を岩屋山(いわやさん)、寺号を金光峯寺(きんこうほうじ)といい、本尊として不動明王を祀ることから一般に「岩屋不動」の通称で呼ばれることも多いといいます。
寺伝によると、飛鳥時代の650年(白雉元年)に修験道の祖として知られる役行者(えんのぎょうじゃ)(役小角)が草創と伝わり、その後、平安初期の829年(天長6年)、鴨川の水源地を祈願し祀らなければ暴れ川である鴨川は治まらず都の平穏はないとして、弘法大師空海が、第53代・淳和天皇(じゅんなてんのう 786-840)の勅願により再興しました。
皇室より崇敬を集めた要因としてはこの地が鴨川の水源地であることが大きく、鴨川が始まるとされる洞窟「神降窟(しんこうくつ)」の湧水を重要視し、水神を祀って清浄な鴨川の御用水を祈願したと伝わっています。
以来皇室の勅願所として崇敬が深く、1522年(大永8年)に後奈良天皇が天下静謐の祈願に諸堂開扉の詔を発し、その後勅願成就の御慶として「志明院」の晨額と「南無不動明王」の6字の晨筆の賜ったことからこれを寺号としたといいます。
度々の兵火や火災に遭い、現在の主要な建物は明治以降に再建されたもの。
とりわけ1831年(天保2年)の火災の際には山門を除くほとんどが焼失する悲運に遭いますが、幸いなことに本尊・不動明王は災厄を免れています。
そして「本堂」に安置されているその本尊・不動明王像は淳和天皇の勅願による弘法大師の直作と伝えられ、日本最古の不動明王像といわれていて、また奥の院である「根本中院」に安置されている眼力不動明王は第59代・宇多天皇の勅願により菅原道真が一刀三礼で手彫りしたと伝わる像で、秘仏として天皇が即位する際に勅使を迎え開扉されたといいます。
岩屋山全体が修験の山岳道場となっており、巨木に囲まれた豊かな自然にあふれた境内には諸堂が点在するほか、奇岩や怪石が多く、弘法大師空海が交流し鳴神上人が行場とした飛龍ノ滝や、歌舞伎十八番「鳴神(なるかみ)」において鳴神上人が龍神を閉じこめた所と伝承される「護摩洞窟(ごまどうくつ)」など多くの行場があるといいます。
そして志明院のもう一つの見どころが「京都市の天然記念物」に指定されている「しゃくなげ林」で、例年4月下旬から5月上旬にかけて見頃を迎え、見頃の時期と重なる毎年4月29日には別名「石楠花祭(しゃくなげさい)」とも呼ばれる「志明院大祭(しみょういんたいさい)」も行われ、柴灯大護摩が厳修された後、無病息災を祈願して火渡り行、終了後には供養の餅まきも行われます。
また作家・司馬遼太郎はまだ新聞記者だった頃の1948年(昭和23年)に当時は宿坊を営んでいたという志明院に宿泊し、その時に体験した奇怪な体験をエッセイ「街道をゆく (4) 洛北諸道」に記しており、後年、アニメーション監督の宮崎駿と対談した際にその話をしたことがアニメ映画「もののけ姫」の着想に結びついたといわれています。
霊場であるとの理由から、境内の山門から先は撮影や飲食、またペットの同伴などは禁止されており、荷物などは受付に預けて入山することになります。
岩屋山志明院の施設案内
境内
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門前入口
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駐車場
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門前石段と駒札
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本坊庫裏(寺務所)
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楼門(仁王門)
室町時代の再建で1831年(天保2年)の失火の際に唯一焼け残った建造物
金剛力士は右が運慶、左が湛慶の作といわれ、現在本堂に安置されている
「岩屋山」の額は小野道風の筆
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石楠花林
山門前に密集して咲く
樹齢100年ほどといい、京都市の天然記念物に指定
4月下旬~5月上旬が見頃
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手水鉢
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参道石段
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鐘楼
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本堂
本尊・不動明王は弘法大師の開眼
内陣右は大日如来、両脇侍は毘沙門天、歓喜天
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飛龍大権現(飛龍ノ滝)
本堂のすぐ西北
弘法大師が建立し、また滝は鳴神上人の行場だったと伝わる
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護摩洞窟(護摩の岩屋)
高さ約30mの大岩窟
役行者や弘法大師空海が修行した跡で、鳴神上人が歌舞伎十八番「鳴神(なるかみ)」において鳴神上人が龍神を閉じこめた所と伝承される
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桜天満宮
菅原道真の法跡
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根本中院
奥の院
現在のものは鉄筋の懸造(かけつくり)と呼ばれる舞台造
宇多天皇の勅願により菅原道真が彫ったという眼力不動明王を祀る
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神降窟(しんこうくつ)
根本中院の隣
洞窟の中から湧出した霊水は皇室に献上されたと伝わるもので、難病を治すといわれ「不動香水」「岩屋香水」などと呼ばれる
周辺
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雲ケ畑岩屋橋バス停
岩屋橋交差点にある
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岩屋橋バス停前観光トイレ
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洛雲荘
料理旅館
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岩屋橋
祖父谷川に架かる
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畑嘉
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桟敷ヶ岳
岩屋山志明院の主な年間行事・カレンダー
年中行事
- 4/29
志明院大祭(石楠花祭)
天然記念物のシャクナゲが有名で「しゃくなげ祭」とも呼ばれる
13:00より「柴灯大護摩」では修験道の古式に従い儀式が行われ護摩壇に点火された後、山伏姿の行者らが錫杖を手に般若心経を唱える中、住職によりに護摩木が投じられる
その後、残り火がくすぶる中を住職を先頭に信者らが無病息災を祈願して「火渡り」を行い、火渡りの終了後は、供養の餅まきが行われる
月並行事
- 4月~11月の毎日曜日
坐禅体験
女性限定で女性のための心の講座「坐禅と感性」を不定期で開催
10:00~15:00、定員10名で要予約