京都市が市の住宅難の解消を目指し1969年(昭和44年)に計画し実施した、京都で初のニュータウン。
西山のふもと、京都市西京区南西部の大原野地区(旧乙訓郡大原野村)の北東部と大枝地区(旧乙訓郡大枝村)の南部にまたがる地域に整備されました。
約260haの面積を有する同地は、計画当時は民間の建物が1軒だけみられる場所で、54%が竹藪、28%が柿畑や農地だったといいます。
1972年(昭和47年)起工式が行われ、計画人口は4万900人、1万900個の住宅が整備され、車道を歩かずに中心施設に行けるよう、タウンセンターを中心に1万人ずつ4つの住区(新林・境谷・竹の里・福西)に分けられました。
そして区役所支所などの行政機関や、小中高校などの教育機関のほか、救急総合病院などの医療機関など、生活するには不可欠な施設も整えられ、またラクセーヌ専門店や髙島屋洛西店(洛西タカシマヤ)などの商業施設もオープンし、食料品からファッション衣料まで、買物の利便性も考慮された街づくりが行われています。
周辺は大枝の柿畑、大原野の水田などが広がるのどかな地域で、中央東側には一級河川・小畑川が南北に流れ、都市公園小畑川中央公園など2kmに渡る小畑川の緑地公園が続き、西には中央緑地の竹林や京都市洛西竹林公園、大蛇が池などの水辺空間、また各住区には大小様々な公園が設けられるなど、多くの自然が残され、緑豊かな住み良い環境を備えています。
春は小畑川を中心に桜の名所で、夏はひまわり畑も近年人気を集めているほか、ニュータウン内では道路ごとに街路樹を変えて植栽されており、秋にはイチョウと紅葉が美しいことでも知られています。
主なイベントとしては桜の時期に「さくらいさくら祭」が開催されているほか、10月には竹の経・洛西竹林公園周辺にて「かぐやの夕べ」、また月ごとの行事として毎月最終土曜にラクセーヌ広場にて「らくさいマルシェ」も開かれています。
交通の中心は「タウンセンター」に設置されたバスターミナルで、京都市営バスや阪急バス洛西ニュータウン線、ヤサカバス、京阪京都交通など各社のバスにてアクセスが可能となっています。
この点、1971年(昭和46年)に計画された京都市営地下鉄東西線を当ニュータウンを経由して長岡京駅まで建設する計画が実現しなかったため、市内中心部へ向かうには以前はバスなど利用して阪急桂駅を経由するのが中心でしたが、阪急洛西口駅が2003年(平成15年)に、また2008年(平成20年)10月18日にJR桂川駅が開業し、駅へのアクセスも改善されています。
現在はの人口は約3万3000人ですが、高齢化が進んでおり、多世代にとって住みやすいまちを作る様々な取り組みが行われ模索が続けられています。