福勝寺(瓢箪寺)
福勝寺(瓢箪寺)とは?(基本データ)
- 名前
- 福勝寺(瓢箪寺)(ふくしょうじ(ひょうたんでら))
- エリア
- 北野・西陣
- ジャンル
- 正式名
- 竹林山宝寿院正光坊福勝寺(ちくりんざんほうじゅいんしょうこうぼうふくしょうじ)
- 建立・設立
- 創建年不詳(河内国に創建)
正嘉年間(1257-59年)、覚済によって京都に移転 - 創始者
- [開基] 伝・弘法大師空海
[中興] 覚済(かくぜい) - 宗派
- 真言宗善通寺派
- 山号
- 竹林山(ちくりんざん)
- 本尊
- 薬師如来
- 寺紋
- 下がり藤(九条家家紋)
- 札所等
- 京都十二薬師霊場 第6番
洛陽三十三所観音霊場 第29番
通称寺の会(京の通称寺霊場) - アクセス
- 駐車場
- なし
- 拝観料
- 無料
- お休み
- 毎月1日及び16日のみ本堂・聖天堂の拝観可
- 拝観時間
- 5:00~17:00
- 住所
- 〒602-8359
京都府京都市上京区出水通千本西入七番町323-1 - 電話
- 075-841-5818
- FAX
- 075-812-8420
- 公式サイト
- 竹林山 福勝寺(ひょうたん寺)
福勝寺 Twitter
ひょうたん寺(福勝寺) 通称寺の会
京都十二薬師霊場会 第6番 福勝寺
洛陽三十三所観音巡礼 第二十九番札所 福勝寺
福勝寺(瓢箪寺)の地図
福勝寺(瓢箪寺)のみどころ (Point in Check)
京都市上京区出水通千本西入七番町、出水通と六軒町通との交差点にあり、「瓢箪寺」「桜寺」の通称で知られる真言宗善通寺派の寺院。
平安初期、弘法大師空海により河内国古市郡中村、現在の大阪府羽曳野市にて創建されますが、後に衰退。
その後、鎌倉時代の正嘉年間(1257-59)に第80世東寺長者で第45世醍醐寺座主・覚済(かくぜい 1227-1303)(別名・山本僧正)によって京都に移されて、京都油小路五条坊門にて再建され、以降、3度の移転を経て、江戸中期1708年(宝永5年)の「宝永の大火」に遭った後に現在地にて再建されています。
皇室の尊崇厚く、特に第107代・後陽成天皇(ごようぜいてんのう 1571-1617)と第111代・後西天皇(ごさいてんのう 1638-85)により勅願寺とされ、中でも後西天皇からは「観世音菩薩」の名号と御所紫宸殿の左近の桜の分木を下賜されたことから「桜寺」の別称で呼ばれています。
「本堂」の本尊・薬師如来は愛知県新城市の鳳来寺の薬師如来と同木同作で、鳳来寺開山・利修仙人の作と伝わり、鎌倉時代に奈良の東大寺大仏の再建に際して重源に授与され、共に諸国を遍歴した後に当寺に持仏として奉安。
その後、後陽成天皇の病気平癒をきっかけに「薬師如来」の名号と菊の御紋が寄付されて勅願寺となり、現在も「峰薬師」の通称で「京都十二薬師霊場」の第6番の札所本尊として知られています。
また「聖天堂」に安置されている歓喜天像は「聖天さん」の別名でも知られ、原型とされるインド神話のガネーシャ神は像を神格化した神様で、元々は気性が荒く、事業の妨害する魔王として恐れられる存在でしたが、やがて障害を除き幸福をもたらす神として信仰されるようになりました。
現世利益に功徳があり、聖天のシンボルである「大根」は夫婦が和合して子宝に恵まれるご利益、また「巾着袋」は砂金袋(宝袋)で金銀財宝を呼び寄せることから「融通さん」とも呼ばれ、商売繁盛にご利益があるといいます。
この点、普段は観光としての拝観はしていない寺院ですが、歓喜天の縁日である毎月1日及び16日には自由に本堂および聖天堂の拝観が可能となっています(5:00~17:00)。
そして最もよく知られているのが2月3日の「節分会」で、年に一度だけ山門が開かれ、瓢箪(ひょうたん)のお守りが授与されることで有名です。
弘法大師空海が中国より持ち帰った様々な願いを叶えるといわれる「如意宝珠(にょいほうじゅ)」を2つ重ねると瓢箪に似ていることから鎌倉時代頃に、瓢箪がお守りに用いられるようになったといい、この瓢箪は朝廷の厚い庇護を受け、明治以前には朝廷と幕府のためだけに祈祷が行われていたといいます。
また豊臣秀吉は寺の歓喜天を信仰していたといい、武運を祈願して出陣の度に千成瓢箪(ひょうたん)を寺に寄進し、千成瓢箪を旗印に頂いたので「ひょうたん寺」との通称で呼ばれるようになったともいわれています。
この点、現在の「節分会」においては弘法大師が中国唐で恵果和上により伝授されたという如意宝珠と歓喜天の秘法でもって大寒より七日間行い祈祷されるという瓢箪のお守り「宝珠尊融通御守(ほうしゅそんゆうづうおんまもり)」が一般にも授与されるようになっていて、商売繁昌をはじめとする所願成就にご利益があるといわれ、大勢の参拝客で賑わいます。
この他に「瓢箪寺」の通称で「通称寺の会」の札所に、また本堂脇壇の聖観音菩薩が「洛陽三十三観音霊場」の第29番の札所本尊になっているほか、境内墓地の東側には幕末の「池田屋事件」のきっかけとなった攘夷派の志士・古高俊太郎(ふるたかしゅんたろう 1829-64)の墓があることでも知られています。
福勝寺(瓢箪寺)の施設案内
境内
-
-
山門
元は九条家の屋敷の門だったという
-
-
通用門
山門の左側
洛陽第29番札所の表札がかかる
毎月1・16日の縁日の日にはこちらの門が開かれる
-
-
聖天堂
本堂の左
-
-
本堂
本尊・薬師如来(峰薬師)は「京都十二薬師霊場」の第6番の札所本尊
脇壇の聖観音菩薩は「洛陽三十三観音霊場」の第29番の札所本尊
-
-
寺務所(玄関)
「ひょうたん寺 通称寺の会」の表札
-
-
十三重塔
本堂の脇
-
-
桜
御西天皇から賜ったという左近の桜の分木
-
-
古高俊太郎の墓
「池田屋事件」のきっかけとなった攘夷派の幕末の志士
周辺
福勝寺(瓢箪寺)の主な年間行事・カレンダー
年中行事
- 2/3
節分会
山門開戸、瓢箪公開、「ひょうたんのお守り・七福招来」「宝珠尊融通御守」を授与、昆布茶接待
ハガキにて事前予約+当日授与もあり
月並行事
- 毎月1・16日
聖歓喜天御縁日
通用門から聖天堂および本堂参拝可
花ごよみ
桜(サクラ)●
後西天皇は観音菩薩に祈願し、成就後に御所の紫宸殿の「左近の桜」を寄進
この故事により福勝寺は「桜寺」とも呼ばれており、現在の桜ははその2代目とのこと