金剛院(丹後のもみじ寺)
三島由紀夫「金閣寺」にも登場、舞鶴屈指の紅葉の名所
真言宗東寺派。東舞鶴鹿原の山深い閑静な地に829年弘法大師十大弟子の一人高岳親王が創建。白河天皇が中興し鳥羽皇后美福門院も帰依。 本尊は波切不動明王、重文の三重塔、細川幽斎の鶴亀の庭も見所。 三島由紀夫の小説金閣寺にも登場した屈指の紅葉の名所で秋海棠も見事な関西花の寺二十五霊場三番札所
金剛院(丹後のもみじ寺)とは?(基本データ)
- 名前
- 金剛院(丹後のもみじ寺)(こんごういん(たんごのもみじでら))
- エリア
- 舞鶴
- ジャンル
- 正式名
- 鹿原山 慈恩寺 金剛院
- 建立・設立
- 平城天皇の第三皇子である高岳親王(後に眞如法親王)は皇位継承争いなどに巻き込まれ世の無常を感じて仏門に入り、後に高野山にて弘法大師の十代弟子一人として名を広める(嵯峨天皇の皇太子となるも薬子の変に連座して皇太子位を廃される)
829年(天長6年)、諸国行脚でこの地の幽景に「これぞ密教相応の地なり」と高野山から弁財天を勧請し創建、大日堂、薬師堂、地蔵堂などを建立、親王が白鹿の導きによりこの地を尋ねられたことにちなみ「鹿原山金剛院」と号する
1082年(永保2年)に中興、その後も鳥羽天皇の皇后・美福門院の帰依により大いに栄える - 創始者
- [開基] 伝・高岳親王(真如法親王)
[中興] 白河天皇 - 宗派
- 真言宗東寺派
- 山号
- 鹿原山(かわらさん)
- 本尊
- 波切不動明王
- ご利益
- 交通安全
- 寺紋
- 東寺雲(八雲)と十六菊
- 札所等
- 関西花の寺二十五カ所 第3番
- アクセス
- 駐車場
- 50台 無料(大型バス可)
- 拝観料
- 拝観料300円
■宝物殿拝観(要予約)
└500円(団体450円) - お休み
- 無休
- 拝観時間
- 9:00~16:00
- 住所
- 〒625-0014
京都府舞鶴市鹿原595 - 電話
- 0773-62-1180
- FAX
- 0773-64-2122
- 公式サイト
- 関西花の寺25カ所霊場会 第三番 金剛院
鹿原山 慈恩寺 金剛院
第3番 金剛院 関西花の寺二十五カ所
金剛院京都府歴史的自然環境保全地域 京都府
金剛院(丹後のもみじ寺)の地図
金剛院(丹後のもみじ寺)のみどころ (Point in Check)
京都府舞鶴市鹿原、舞鶴市の東部、JR松尾寺にほど近い鹿原川沿いの谷奥に位置する真言宗東寺派の寺院。
山号は鹿原山、寺号は慈恩寺。本尊は波切不動尊。
「金剛院慈恩寺縁起」によれば、平安初期の829年(天長6年)、第51代・平城天皇の第3皇子・高岳親王(たかおかしんのう 799-865)によて創建されたと伝えられています。
高岳親王は第51代・平城天皇の第3皇子で、平城天皇は平安遷都を行った第50代・桓武天皇が崩御すると即位しますが、病弱な上子供たちも幼かったことから、平城天皇の弟である神野親王(のちの嵯峨天皇)が皇太子とされました。
その後809年(大同4年)に父・平城天皇が発病をきっかけに神野親王に譲位し第52代・嵯峨天皇が誕生すると、高岳親王は一度はその皇太子に立てられますが、平城上皇と嵯峨天皇の兄弟の対立をきっかけに起きた810年(弘仁元年)の「薬子の変(平城太上天皇の変)」で平城上皇側が敗れると皇太子を廃されます。
そして皇位継承争いなどに巻き込まれて世の無常を感じた親王は出家して法名「真如」を名乗り、弘法大師空海の教えを受けてその十大弟子の一人となり、高野山に親王院を開くなど「真如法親王」としてその名を知られるようになり、その後、862年(貞観4年)に高齢の身でならから大宰府を経て入唐し、更に天竺(インド)に渡ろうとしたものの途中で消息を絶ったといわれています。
金剛院を開いたのは平安初期の829年(天長7年)のこと、諸国行脚でこの地を訪ねた際、その幽景に「これぞ密教相応の地なり」として高野山から弁財天を勧請、大日堂、薬師堂、地蔵堂などの伽藍を整え、親王が白鹿の導きによりこの地を訪れたことにちなんで「鹿原山金剛院」と号しました。
親王が寺を去ってしばらくは荒廃していましたが、平安後期の1082年(永保2年)に第72代・白河天皇の勅願により本尊として波切不動明王を若狭国から勧請して復興し「慈恩寺」の寺号を賜ったとされ、更に第74代・鳥羽天皇の皇后・美福門院の帰依を受けて隆盛を極めたといいます。
その後度重なる戦乱により衰退しましたが、江戸時代には田辺藩主の庇護を受けて寺勢を回復し現在まで法灯を灯し続けています。
そして一帯は千年ガヤと親しまれているカヤの巨樹やイチョウの古木、シイ等の自然林が生育するなど、優れた歴史的自然環境を保持しており、加えて本堂や国の重要文化財の「三重塔」などの伽藍とも良く調和して美しい景観を形作っており、「金剛院京都府歴史的自然環境保全地域」に指定されています。
中でも「もみじ寺」の通称で呼ばれるようにとりわけ秋の紅葉で有名で、三重塔から本堂にかけての山の斜面を中心に植えられた約3000本のイロハモミジは安土桃山時代に丹後国を治めた細川幽斎(藤孝)が鶴亀の庭を作庭するとともに植樹したとも伝わっていて、「もみぢ葉の 色をしかへて 流るれば 浅くも見えず 谷川の水」などの古歌にも詠まれていることから、古くから紅葉の名所として知られていたと考えられていて、また三島由紀夫の小説「金閣寺」にも作品の舞台として金剛院の紅葉と境内の様子が描写されているといいます。
現在は紅葉の見頃の時期に合わせてライトアップが開催されるほか、「もみじまつり」も開催されており、また紅葉以外にも四季折々の草花を楽しむことができる花の寺として「関西花の寺」の3番札所としても親しまれています。
金剛院(丹後のもみじ寺)の施設案内
境内
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山門
山門前には鹿原川が流れ、橋が架かっている
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金剛院京都府歴史的自然環境保全地域の説明版
門前左
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鹿原川(かはらがわ)
志楽川の支流
門前を流れる
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慈恩橋
山門前の赤色の橋
橋の手前右に「慈恩橋」の石標
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小池庭(鶴亀の庭)
山門くぐって左手
安土桃山時代に丹波国を収めた細川藤孝(幽斎)の作庭と伝えられ「伝 細川幽斎公作庭」の石標が建つ
中央の池に亀島を置き、三尊石を配するなど桃山時代の庭園の特徴がみられる
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広場
門をくぐってすぐ
広場の東に堂塔があり、南東の本堂の方へ約200m続く参道が伸びている
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宝物殿
広場の左手西側 多数の寺宝を所蔵・展示
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本坊
拝観受付手前
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拝観受付
地元の野菜や果物なども販売されている
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参道
山門から本堂までの参道は楓のトンネルになっている
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千年榧の木(ガヤ)
参道途中左手
金剛院を創建した高岳親王によって植えられたと伝わる
樹高22m、幹周5.3mで舞鶴市指定文化財および京都府の自然二百選に選定
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宝篋印塔
三重塔と本堂への石段の少し手前、参道左手
塔の前に「慈恩」と刻まれた石碑
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地蔵群
本堂への参道石段の手前左
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三重塔(金剛院塔婆)
初代は1083年(永保3年)に開基・高岳親王の追善供養のため白河天皇により建立されたと伝わる
現在のものは室町後期の再建で2代目、高さ24mで重文に指定
初層には高岳親王の像が祀られている
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金剛院塔婆の石標
塔の手前右
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手水(水かけ地蔵)
石段の手前右、三重塔の脇
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石段
三重塔の前から本堂へと続く長く急な石段
山肌には細川幽斎の植樹と伝わる楓が多く見られる
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本堂
本尊・波切不動尊は海難除け、病気平癒、火難、水難などの災難を除くとして信仰
本尊は秘仏で通常は御前立を拝観するが、毎年2月3日の節分会の法要の間だけ御開帳されるという
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渡り廊下
本堂と雲山閣をつなぐ
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雲山閣
本堂西側にある拝殿
斜面に舞台造り(懸崖造)で建てられている
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弁財天堂
本堂の正面右
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鐘楼
本堂の正面右、弁財天堂の右手
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大銀杏
本堂そば
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道標
滝まで200mの表示
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散策の道
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弘法の滝
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周辺
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奉行杉
山門手前に聳え立つ高さ約25mの杉
一帯は平安後期には「志楽庄」と呼ばれた地域で、平清盛が支配したこともある地域で、金剛院の造営奉行を命じられたという清盛の父・平忠盛が植えたとの言い伝えがある
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鹿原公園
境内の川を挟んで南側にある
楓の木々に囲まれた三重塔はここから眺めることができる
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JR松尾寺駅
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金剛院(丹後のもみじ寺)の主な年間行事・カレンダー
年中行事
- 2/3
節分会
本堂にて法要
この日のみ秘仏の本尊・波切不動尊が御開帳される- 11月中
もみじまつり
紅葉の見頃の時期に開催され、三重塔のライトアップのほか、隣接する鹿原公園でも土日の17:00~20:00まで「紅葉と竹灯りのとばり」を開催するほかぜんざいや大根焚きの接待なども
- 11月中
大根だき
紅葉の見頃の時期に無病息災を願って振舞われる
月並行事
- 毎月28日
不動講
不動の縁日である毎月28日の朝8時より、一般参加自由
花ごよみ
- 2月
椿(ツバキ)●
寒椿
- 5月中
大手毬(オオデマリ)●
- 9月上~
秋海棠(シュウカイドウ)
関西花の寺二十五カ所3番霊場として知られる
舞鶴を代表する屈指の紅葉の名所だが、秋海棠も有名で本堂までの石段の両側、舞鶴市指定天然記念物の千年ガヤの根元付近にも- 11月初~11月中
紅葉(こうよう)
三重塔から本堂にかけての山の斜面に細川幽斎が植樹したと伝わるもののほか約3000本のイロハモミジが見事に色づく
境内向かいの鹿原公園から眺める三重塔と紅葉も美しいほか、見頃の時期には「もみじまつり」やライトアップも開催銀杏(イチョウ)●