京都市左京区松ヶ崎林山、五山の送り火の妙法の法の山近くに鎮座する神社で、祭神として伊邪那岐命(いざなぎのみこと)および伊邪那美命(いざなみのみこと)の熊野速玉神(くまのはやたまのみこと)と、猿田彦神(さるたひこのみこと)を祀る神社です。
元々は「大比叡大明神」と称する独立の社ででしたが、鎌倉時代の1306年(徳治元年)に一村を挙げて天台宗から日蓮宗に改宗した際、紀伊国(現在の和歌山県)の熊野新宮(熊野速玉大社)より諾冊二尊を勧請し「新宮大明神」と呼ばれるようになります。
以来、法華経と日像上人直筆の「曼荼羅」を合祀し、妙泉寺の鎮守社として妙泉寺の僧が祭祀を行いました。
そしてその後、明治維新の廃仏毀釈に伴う「神仏分離令」によって妙泉寺から分離独立し「白髭神社」と号し、猿田彦神が合祀され、更に1887年(明治20年)10月に「新宮神社」と改称し現在に至っています。
現在の境内は主に1931年(昭和6年)に整備されたものが中心ですが、拝殿には天保年間の扁額が掛けられています。
古くより松ヶ崎の氏神さんとして知られ、とりわけ毎年秋の祭礼にはきらびやかな和鞍をつけた馬の行列と東の馬場、西の馬場における競馬の祭事が、行われて壮観であったといいますが、現在は毎年10月23日に近い10月最終日曜日に「例大祭」、そして12月8日に行われる「御火焚祭」で知られています。