京都市北区上賀茂深泥池町、旧鞍馬街道沿いの「深泥池生物群落」として国の天然記念物に指定されている「深泥池(みどろがいけ)」のすぐ近くに鎮座する神社。
京都市左京区鞍馬貴船町、鞍馬山の西、貴船山麓の貴船に鎮座する貴船神社の分社の一つで、単に「貴舩神社」とも呼ばれ、本社と同じく雨水を司る龍神である高?神(たかおかみのかみ)が祀られています。
ちなみに深泥池貴船神社の由緒書きには川上神(弥都波能売神(みずはのめのかみ))も祀るとしています
この点、全国にある貴船神社の総本社で貴布祢総本宮である貴船神社は、平安遷都以来、皇居の御用水と人々の生活用水や農業用水である賀茂川の水源にあたる所から、水を司る祭神の高?神への朝野の尊崇が篤く、洛中からの参詣が絶えなかったといいます。
そして、農業に欠かせない雨水を司る龍神でもある高?神は、当社のある上賀茂の地でも古くから農民達に信仰されてきましたが、貴船にある本宮への参詣が遠くて大変だったことから、江戸初期の寛文年間(1660-70)の10月23日に分霊が行われ、地元の農民が祭神を勧請して、鞍馬街道筋の当地に分社として祀ったのがはじまりで、以来、農耕をはじめ、地域住民の安寧、除災招福の守護神として信仰され続けています。
境内には本殿のほか、面の高台上に京漬物として知られる「すぐき」の神様である「秋葉神社」と「忠魂碑」、本殿の背後には末社の「弁天社」、その脇の石段上に「役行者像」、更にその他にも高さ約30m、幹周約3.84mあり「北区区民の誇りの木」にも選ばれた大杉があることでも知られています。
行事としては創建時に分霊の行われた日である10月23日に開催される「例祭」が知られていますが、近年はこの前後の休日に開催されているようです。