遣迎院
遣迎院とは?(基本データ)
- 名前
- 遣迎院(けんごういん)
- エリア
- 紫野・鷹ヶ峯
- ジャンル
- 建立・設立
- 鎌倉初期
- 創始者
- [開山] 証空(西山国師)
[開基] 藤原道家 - 宗派
- 浄土真宗遣迎院派本山
- 山号
- なし
- 本尊
- 釈迦彌陀二尊(発遣の釈迦如来立像・来迎の阿弥陀如来立像)
- 寺紋
- 札所等
- 京都七福神(弁財天)
- アクセス
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- 京都市営バス「鷹峯源光庵前」(6・北1号系統)下車 徒歩約1分
- 駐車場
- 拝観料
- 無料
- お休み
- 通常非公開(4/8の花まつりの日のみ公開)
- 拝観時間
- 住所
- 〒603-8466
京都府京都市北区鷹峯光悦町9 - 電話
- 075-491-7718
- FAX
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- 公式サイト
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遣迎院の地図
遣迎院のみどころ (Point in Check)
京都市北区鷹峯光悦町、紅葉の名所として有名な源光庵の向かいにある、長屋門が印象的な浄土真宗遣迎院派の本山。
鎌倉初期の1194年(建久5年)、九条家の祖とされる公卿・九条兼実(くじょうかねざね 1149-1207)が快慶(かいけい)に命じて釈迦と阿弥陀の二尊を造像させ、これを自邸の月輪殿(がちりんでん)に祀ったのがはじまり。
その後兼実の孫にあたる九条道家(くじょうみちいえ 1193-1252)が法然(ほうねん)(源空)の高弟・善恵房証空(西山国師)(しょうくう(せいざんこくし) 1177-1247)を開山に招きこの二尊を本尊とする「遣迎院」として創建。
この点、創建の時期については1199年(正治元年)とも1201年(建仁元年)とも1234年(天福2年/文暦元年)とも、また場所についても法性寺内(現在の東福寺近辺)、あるいは白河の地ともいわれていて、また寺名は本尊である釈迦と阿弥陀の二尊にちなみ、現世仏の釈迦が遣わした往生者を、来世仏の阿弥陀が浄土で迎えるという意味(発遣の釈迦と来迎の阿弥陀)に由来しているといいます。
ちなみに九条道家は鎌倉幕府第3代将軍・源実朝の暗殺後に、三男・九条頼経を4代将軍として鎌倉に送り、自らは摂政となって公武の橋渡し役となるなど権勢を得るとともに、1236年(嘉禎2年)に創建が開始された臨済宗東福寺派の大本山・東福寺の創建者としても知られている人物。
一方証空は法然の有力な弟子の一人で、知恩院を総本山とする鎮西派と並ぶ浄土宗の一派「西山派」の派祖で、その後分裂した粟生光明寺を総本山とする「西山光明寺派(戦後に西山浄土宗)」、永観堂を総本山とする「西山禅林寺派」、そして誓願寺を総本山とする「西山深草派」で構成される「西山三派」の祖とされている人物であり、自らが開いた「白河遣迎院」にて最期を迎えたといいます。
「遣迎院」はその後は天台・真言・律・浄土など四宗兼学の道場として発展し、また二尊院や般舟院、廬山寺とともに宮中の仏事を司る「御黒戸四箇院」と呼ばれる4つの寺院の一つにも数えられましたが、天正年間(1573-92)(1583年(天正11年)とも)、豊臣秀吉の大仏殿造営の発願に伴いその造立予定地とされ、結局は計画予定地は当時は渋谷にあった佛光寺の境内に変更されたものの、この一連の経緯の中で2つの寺に分裂。
一つはそのまま旧地である現在の東福寺の南西、京阪鳥羽街道駅にほど近い伏見街道沿いに留まって「南遣迎院」と呼ばれるようになり、明治初期の廃仏毀釈で廃絶した後、1914年(大正3年)に有志によって復興され、現在は浄土宗西山禅林寺派の寺院で門前には「西山国師御終焉之地」の石碑が建てられています。
そしてもう一つが現在の当院で、現在の京都御所の東を通る寺町通沿いの廬山寺の南に移されて天台宗寺院「京極遣迎院」となった後、更に戦後の1955年(昭和30年)頃に北区鷹峯光悦町に移されて「鷹峰遣迎院」とも呼ばれ、宗旨も浄土真宗遣迎院派の本山を名乗り現在に至っています。
「本堂」に祀られている本尊「釈迦彌陀二尊」は兼実が月輪殿に祀ったと伝わる発遣の釈迦と来迎の阿弥陀の二尊像で、いずれも国の重要文化財に指定されていますが、このうち阿弥陀如来の方は運慶と並ぶ鎌倉期の仏師・快慶の作で、胎内に納められていた文書から1194年頃に物故者を含む約1万2000名もの人々が結縁し作成されたことが判っているといいます。
また門前にある「長屋門」は1955年(昭和30年)頃の移転前よりこの地にあったもので、元々は備中高松城の遺構を移したものと伝えられています。
現在は通常は非公開の寺院ですが、年に1回、4月8日の「花まつり(釈尊降誕会)」の日にだけ一般公開され、花御堂が飾られ甘茶かけができるとともに、先着にて粗菓が提供されます。
遣迎院の施設案内
境内
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長屋門
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玄関
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寺号標
長屋門の右手
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路地
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表門
参拝口
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参道
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書院
参道入ってすぐ左手
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書院前庭
サツキの刈り込みと台杉
奥に左大文字山の借景
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本堂
参道の奥
本尊の釈迦弥陀二尊は重要文化財
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花御堂
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聖天堂
本堂の正面左手奥 大聖歓喜天・開運咤枳尼天
関連
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南遣迎院