糺の森
平安前の原生林が残る世界遺産・下鴨神社境内の森
下鴨神社の境内南に広がる約12ha、平安遷都前に原野だった頃の植生が今に残る原生林。1983年国の史跡に指定。 ケヤキなどの落葉広葉樹を中心に約40種が生育、御手洗川・泉川・奈良の小川・瀬見の小川が流れる。 5/3には葵祭の前座を務める流鏑馬神事、秋は京都で最も遅い紅葉の名所
糺の森とは?(基本データ)
- 名前
- 糺の森(ただすのもり)
- エリア
- 京都御所
- ジャンル
- 建立・設立
- 1983年(昭和58年)、森林の全域が国の史跡に指定
1994年(平成6年)、下鴨神社全域がユネスコの世界遺産に「古都京都の文化財」の1つとして登録 - アクセス
- 駐車場
- バス20台分 1時間2,000円
自家用車300台分 30分150円 - 拝観料
- なし
- お休み
- 特になし
- 拝観時間
- 見学自由
- 住所
- 〒606-0807
京都府京都市左京区下鴨泉川町59 - 電話
- 075-781-0010(公益財団法人糺の森保存会事務局)
075-414-4706(京都府文化環境部自然環境保全課) - FAX
- 075-781-4722(公益財団法人糺の森保存会事務局)
075-414-4705(京都府文化環境部自然環境保全課) - 公式サイト
- 糺の森財団
公益財団法人世界遺産賀茂御祖神社境内糺の森保存会 Facebook
糺の森財団(公式) Instagram
世界遺産 下鴨神社
糺の森の地図
糺の森のみどころ (Point in Check)
京都市左京区下鴨泉川町、賀茂川と高野川の合流点である鴨川三角州(鴨川デルタ)の北側に鎮座する世界遺産・下鴨神社の境内に広がる広大な社叢で、縄文時代から続く太古の自然を遺す森。
この点、その名前「糺(ただす)」の由来については諸説あり、
・下鴨神社の祭神・賀茂建角身命が、この地で人民の争いを調べ正したとの伝説から神の前で「偽りを糺す」という意味
・賀茂川と高野川の合流点に位置することから「只洲」とする
・清水の湧き出ることから「直澄」とする
・境内南側にある摂社・河合神社の祭神・多多須玉依姫命(ただすたまよりひめのみこと)にちなむ地名である
・木嶋神社(蚕の社)にある「元糺の池」およびその周辺の「元糺の森」から遷された名前である
などの説があるといいます。
縄文時代から生き続ける太古の自然を遺す森で、その昔は150万坪(約495万平方メートル)にも及んでいたと伝えられていますが、「応仁の乱」などの京都を舞台とした中世の戦乱や、明治初期の「上知令」による寺社領の没収などを経て現在の面積まで減少。
とりわけ1470年(文明2年)6月14日に「応仁の乱」の兵火の際には総面積の7割を焼失したと伝えられていますが、それでも現在でも3万6千坪(12万4千平方メートル・12ha)、東京ドームの約3倍の広さに約4,700本もの直径10cmを超える木が生い茂る豊かな森が残されています。
この糺の森には平安遷都以前、古代・山背原野の樹林を構成していた植生が数多く残されていて、ケヤキやエノキ、ムクノキなどの広葉樹を中心に樹齢200~600年の樹木が約40種約600本も自生し、森林生態学、環境学などの学術分野からも貴重な都市の森林であるとされています。
そして紀元前3世紀頃の原生林と同じ植生が今に伝えられるとして、1983年(昭和58年)には「国の史跡」に指定されたほか、1994年(平成6年)には国宝2棟、重要文化財53棟、重要社殿30棟など歴史的建造物を有する「下鴨神社」の境内の一部として、ユネスコの「世界文化遺産」にも登録されています。
静寂で神聖な空気に包まれつつも、どこか神秘的で神々しい美しさを持つ景観は奈良・平安時代より多くの人々から敬われ、数々の詩歌管絃、物語にもうたわれてきたといい、紫式部の「源氏物語』須磨の巻では主人公の光源氏が「憂き世をば 今ぞ別るる とどまらぬ 名をば糺の 神にまかせて」と都を離れる想いを詠んでいるほか、また森には「御手洗川」「泉川」「奈良の小川」「瀬見の小川(せみのおがわ)」の4つの小川が流れていますが、このうち瀬見の小川は地下水の湧出する清流で歌枕としても知られている川で、「方丈記」の作者・鴨長明が詠んだ和歌にもその名が登場します。
そして森の中央には南の河合神社から下鴨神社の本殿まで、境内の南北約1kmにわたってまっすぐに参道が伸びていて、神社への参拝のほか散策路にもなっており、江戸時代には木立の茂る一帯は納涼の場として賑わったといい、現在も市民の憩いの場として、またテレビの時代劇などの撮影にもよく利用されているといいます。
この森で行われる行事としては、まず京都三大祭の一つである「葵祭」の舞台として知られていて、5月15日の斎王代行列で下鴨神社を訪れる行列が通行するほか、前儀である5月3日の「流鏑馬神事」では勇壮な流鏑馬が披露され、また5月12日の「御蔭祭」では切芝神事として東游の舞が奉納されます。
そして7月下旬の土用の丑の日には森の中を流れる御手洗川に足をつけて健康を祈る習わしがあり、現在も土用の丑の前後数日間の日程で「みたらし祭」として開催され、足つけ神事には多くの参拝者が訪れ、露店も出て賑わいます。
その他にも8月の「下鴨納涼古本まつり」など、年間を通してさまざまな行事が行われているほか、秋には紅葉やイチョウも美しく、京都でも一番遅いといわれる時期に紅葉が楽しめることでも知られています。
そしてこの糺の森の自然環境を保護するほか下鴨神社の建造物などの貴重な文化財を保全するために設立されているのが「糺の森財団」で、明治の中頃に「下鴨神社神苑保存会」として設立された後、戦後の1952年(昭和27年)に「糺の森保勝会」として再編されたのを経て、1981年(昭和56年)に経済的基盤を確立するために「財団法人糺の森顕彰会」として財団法人を設立。
更にそれまでの活動が認められ2009年(平成21年)12月に内閣府より公益法人の認定を受け「公益財団法人世界遺産賀茂御祖神社境内糺の森保存会(略称・糺の森財団)」となり現在に至っています。
糺の森の施設案内
境内
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古馬場車道
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河合神社西鳥居
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参道
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河合神社東鳥居
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馬場
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鴨社神宮寺・糺池跡
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賀茂斎院歴代斎王神霊社
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雑太社
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第一蹴の地石碑
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手洗所
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駐輪場
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あけ橋
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境内図
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紅葉橋
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案内板
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瀬見の小川
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表参道
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神木
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分岐
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橋
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泉川
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東口
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表参道
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奈良殿橋
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奈良の小川
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御手洗(直澄)
手水舎
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下鴨神社南口鳥居
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「賀茂御祖神社」と「下鴨神社と糺の森」の駒札
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世界遺産の碑
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案内板
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さるや宝泉
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表参道
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さざれ石
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相生社
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連理の賢木
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下鴨神社授与所
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参道
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鴨社神舘御所
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下鴨神社社務所
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日供御料初穂献備
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案内板
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下鴨神社境内図・由緒記
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「復元された古の小川「奈良の小川」の駒札
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平安期流路
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奈良殿神地
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舩島
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周辺
糺の森の主な年間行事・カレンダー
年中行事
- 4/29(昭和の日)
糺の森市民植樹祭
1991年(平成3年)から行っている糺の森の後継樹となるケヤキ、ムクノキ、エノキ、カツラ、モミジの苗木や成木の植樹活動
[公式]- 5/3
流鏑馬神事(やぶさめしんじ)
葵祭の神事
疾走する馬上から3か所ある的をめがけて矢を射る神事- 5/12
御蔭祭(みかげまつり)
葵祭の神事
八瀬の御蔭山からご神霊をお迎えする神事で国内最古の神幸列といわれている- 5/15
葵祭(あおいまつり)(賀茂祭)
京都三大祭の一つに数えられる祭
千四百年ほど前、凶作に見舞われて飢饉疫病が蔓延したときに欽明天皇が「鴨の神」の祭礼を行ったのが起源
雅で華やかな平安装束に身を包んだ人々や牛車の大行列が京都市内を巡行する「路頭の儀」と賀茂の神に進物を捧げる「社頭の儀」で構成
現在では1956年(昭和31年)に追加された斎王に代わる「斎王代」を中心とした「女人列」が一番の見どころとなっている- 7月土用の丑の日前後5日間
御手洗祭(みたらしまつり)
足つけ神事とも呼ばれ、古来の禊の風習に由来する行事
境内のみたらし池に足をひたし、罪・穢れを祓い無病息災を祈願
期間中は露店も出て多くの参拝者で賑わう- 8月中
下鴨納涼古本まつり
京都古書研究会主催の古本市で、糺の森の馬場に40店が軒を連ね、数十万冊の古書が集う
月並行事
花ごよみ
糺の森のレポート・旅行記
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2017年06月10日
下鴨神社 蛍火の茶会&糺の森納涼市2017
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2017年05月15日
葵祭2017 下鴨神社(走馬の儀)
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2017年05月15日
葵祭2017 下鴨神社(社頭の儀)
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2017年05月3日
下鴨神社 流鏑馬神事2017 馬場退場・記念撮影
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2017年05月3日
下鴨神社 流鏑馬神事2017 流鏑馬
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2017年05月3日
下鴨神社 流鏑馬神事2017 神事・馬場入場
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2016年08月14日
下鴨神社糺の森 納涼古本まつり2016