藪内家 燕庵
藪内家 燕庵とは?(基本データ)
- 名前
- 藪内家 燕庵(やぶのうちけ えんなん)
- エリア
- 京都駅
- ジャンル
- 建立・設立
- 1615年(元和元年)頃、古田織部が「大坂の陣」への出陣に際し、茶室「燕庵」を義弟にあたる初代・剣仲紹智に譲り与える
1640年(寛永17)2月に2代家元・真翁(しんおう)が下長者町新町の付近から現在の西本願寺門前町の一角に茶室「燕庵」などを移転
1977年(昭和52年)、「公益財団法人 藪内燕庵」設立
2013年(平成25年)4月、公益財団法人に移行 - 創始者
- [流祖] 初代・藪内剣仲紹智(やぶのうちけんちゅうじょうち)
[中興] 5代・竹心(不住斎) - 家紋
- アクセス
-
- JR「京都」駅下車 中央口より徒歩約15分
- 近鉄京都線「京都」駅下車 中央口より徒歩約15分
- 京都市営地下鉄烏丸線「五条」駅下車 徒歩約10分
- 阪急京都線「大宮」駅下車 徒歩約20分
- 京福電鉄(嵐電)嵐山本線「四条大宮」駅下車 徒歩約20分
- 京阪本線「七条」駅下車 徒歩約20分
- 京都市営バス「西洞院正面」(50号系統)下車すぐ
- 京都市営バス「西本願寺前」(9・28・75号系統)下車 徒歩約2分
- 京都市営バス「七条堀川」(9・28・33・75・206・208号系統)下車 徒歩約5分
- 京都バス「大宮五条」(81・83系統)下車 徒歩約12分
- 京阪バス「大宮五条」(21・21A・27系統)下車 徒歩約12分
- 駐車場
- 拝観料
- 一般には非公開
- お休み
- 土日祝
- 拝観時間
- 9:00~17:00(受付)
- 住所
- 〒600-8329
京都府京都市下京区西洞院通正面下る鍛冶屋町430 - 電話
- 075-343-0215
- FAX
- 075-371-1699
- 公式サイト
- 藪内家の茶 公益財団法人藪内燕庵
古儀茶道藪内流【公式】 Twitter
古儀茶道藪内流 Instagram
藪内家 燕庵の地図
藪内家 燕庵のみどころ (Point in Check)
「藪内流(やぶのうちりゅう)」は京都市下京区西洞院通正面下に本拠を置く茶道流派の一つで、古儀茶道藪内流とも呼ばれ、藪内剣仲紹智(やぶのうちけんちゅうじょうち 1536-1627)を初代流祖として現在まで14代続く茶道の家柄です。
剣仲は武野紹鴎(たけのじょうおう)の最晩年の弟子で、紹鴎を師として茶の湯を学び、名前に「紹」の一字を頂いています。
千利休は兄弟弟子にあたり、利休より相伝を受け、また1582年(天正9年)9月20日には利休の媒酌で古田織部の妹・せんを妻とし、織部から譲られたのが「燕庵」だといい、またその利休の勧めで大徳寺三玄院の開祖である春屋に参禅し、1596年(文禄4年)に春屋より「剣仲」の道号を授かっています。
豊臣秀吉に茶堂として重用された利休とは対照的に、洛北に隠棲して孤高の茶三昧であったとされ、利休の切腹の際にはすぐに聚楽第に召し出されて茶堂を務めた時期があったようですが、まもなく辞したといいます。
その後、2代家元・真翁(しんおう 1577-1655)(月心軒)の時代の1634年(寛永11年)に西本願寺の13世・良如(りょうにょ)上人より茶道師家として迎えられ、以後は西本願寺の手厚い庇護を受けました。
そして1640年(寛永17)2月には西本願寺より寺領の一部を与えられ、下長者町新町の付近から現在の西本願寺門前町の一角に茶室「燕庵」などを移し、その後は藪内家の基礎を固めるのに尽力したといいます。
5代家元・竹心(不住斎)(ちくしん 1678-1745)は藪内家を整備した中興の祖ともいわれ、富裕町人を大量に受け入れ華やかに変貌した元禄期の茶道界の現状を痛烈に批判して利休への回帰を説き、華美を戒めて古儀に徹し流派の確立に尽力しました。
幕末の動乱期には、1864年(元治元年)の「蛤御門の変」の兵火により村田珠光筆と伝わる扁額を残して家屋は全て焼失したものの、西本願寺の援助によって速やかに復旧を遂げています。
その後、1977年(昭和52年)には燕庵藪内家に伝わる茶道の精神を普及すると共に遺跡、遺品、建築物等茶道文化を保存し、もって我が国の文化の発展に寄与することを目的として「公益財団法人 藪内燕庵」として法人化され、2013年(平成25年)4月に公益財団法人に移行し現在に至っています。
下京区西洞院通正面下にあることから上京区にある三千家の「上流」に対して「下流」と呼び並び称されていて、茶風は武野紹鴎・千利休の侘び茶に古田織部の武家茶を取り入れ、浮薄を戒め千利休時代のものを留めているといわれています。
また代々の当主は「紹智(じょうち)」を襲名するのが慣例となっています。
「燕庵(えんなん)」はその藪内流宗家の茶席で、はじめは古田織部の京屋敷内にありましたが、1615年(元和元年)頃、織部が「大坂の陣」への出陣に際し、茶室を義弟にあたる初代剣仲に与えていったと伝えられています。
その没後に初代剣仲の邸内に移築された後、2代家元・真翁の時代に西本願寺門前町の現在地に移され、以後は藪内家の代表的な茶室として大切にされ、同流派を代表する茶室となっています。
現在の建物は1864年(元治元年)の「蛤御門の変」の兵火で類焼した後、1831年(天保2年)頃に摂津国有馬(現在の兵庫県神戸市)の武田儀右衛門(ぎえもん)が忠実に模写し建てていた茶室を、1867年(慶応3年)に移築したものです。
三畳台目(だいめ)に二枚襖を隔てて一畳の相伴席(しようばんせき)を付設しているのが燕庵の最大の特色で、織部の考案によるものだといいます。
藪内家では様々な行事が一年を通じて行われいて、一般的な京の年中行事・伝統行事のほか、藪内家独自の行事もあり、また献茶や茶会、講習会なども全国各地で定期的に行っており、その中には一般の人々でも参加できる茶会もあります。
藪内家 燕庵の施設案内
燕庵
-
-
表門
西洞院通りに面する
-
-
-
談古堂(だんこどう)
-
-
-
茶室「雲脚」
-
-
-
雲脚の露地
-
-
-
腰掛待合
-
-
-
中露地
-
-
-
雪の朝(あした)
足利義政遺愛と伝わる石灯籠
-
-
-
猿戸
-
-
-
内露地
-
-
-
織部燈籠
-
-
-
茶室「燕庵」
-
-
-
緝熈堂露地
-
-
-
緝熈堂(しゅうきどう)
現在は家元の主座敷として使用されていて、茶会の際には主に薄茶席にされるという
-
-
-
茶室「須弥蔵」
内外とも壁は紅殻(べんがら)色が印象的
-
-
-
茶室「学市軒(がくしけん)」
現在の日常の稽古場
-
-
-
源霊閣(げんれいかく)
祖堂
-
関連
-
-
大徳寺三玄院
剣仲の道号は大徳寺三玄院の開祖である春屋和尚から授かったもので、菩提寺として歴代家元の墓もあるという
-
周辺
-
-
西洞院正面バス停
-
藪内家 燕庵の主な年間行事・カレンダー
年中行事
- 1月
初釜
3が日は大福茶
7日に西本願寺門主への点始め
7~9日にかけて初釜茶会- 2月
節分釜
- 2月下旬
ひな祭り
緝熈堂西側壁面いっぱいに雛壇に数組のお雛様を飾る
- 3/28
利休忌
- 3月下旬から4月
観桜茶会
- 4月第1日曜または第2日曜
伏見稲荷献茶祭
産業祭にあわせて執り行われる家元及び若宗匠による献茶祭
- 4/29
飛雲観音献茶式
天龍寺僧堂
- 5/7
物故社中追悼法要及び茶会
内流の物故社中を追悼する法要と茶会
大徳寺三玄院- 6/7
流祖忌(剣仲忌)
- 6/11
織部忌
興聖寺
- 7/7
七夕
- 8/1
八朔
- 9/2
皇女和宮御尊前献茶式
泉涌寺
- 9/19
豊国神社献茶祭
- 11/3
京都市市民大茶会
二条城清流園
表千家、裏千家の三家元で開催され、11月3日を担当- 11/5
県神社 茶壷口切り献茶祭
- 11/11
妙心寺献茶式
花園法皇忌に併せて献茶式
妙心寺玉鳳院- 11月の旧暦の亥子の日
炉開き
- 12/7
竹仲忌
- 12月冬至の日
冬至釜