大原神社(大原の産屋)
大原神社(大原の産屋)とは?(基本データ)
- 名前
- 大原神社(大原の産屋)(おおばらじんじゃ(おおばらのうぶや))
- エリア
- 福知山
- ジャンル
- 建立・設立
- 852年(仁寿2年)
- 祭神
- 伊弉冉尊(伊邪那美命)(いざなみのみこと)
天照大神(あまてらすおおみかみ)(天照大日霎命(あまてらすおおひるめのみこと))
月弓命(つきよみのみこと)(月読命(つきよみのみこと)) - ご利益
- 安産、五穀豊穣、交通安全
- 例祭
- 5/3(春季例大祭)
他に火之神々社鎮火祭・節分祭(2/3)などが知られる - 神紋・社紋
- 左三つ巴
- アクセス
- 駐車場
- 大型バス2台、普通車30台(無料)
- 拝観料
- 無料
- お休み
- 無休
- 拝観時間
- 境内自由
- 住所
- 〒620-1301
京都府福知山市三和町大原191-1 - 電話
- 0773-58-4324
- FAX
- 0773-58-3871
- 公式サイト
- 大原神社 京都府神社庁
天一位大原神社 Instagram
大原神社と産屋 福知山市
大原うぶやの里
大原神社(大原の産屋)の地図
大原神社(大原の産屋)のみどころ (Point in Check)
京都府福知山市三和町大原、京都府の西端、福知山市街より東南へ約20km、綾部市街より南へ約10kmの三和町の山奥に鎮座する神社。
社伝によると平安初期の第55代・文徳天皇の時代の852年(仁寿2年)3月23日、北桑田郡野々村樫原(現・京都府南丹市美山町)より遷座し、国司(くにつかさ)・大原雅楽頭(うたのかみ)が社殿を造営し、同年9月28日に遷宮したのがはじまりとされ、その後、戦国時代の1573年(元亀4年/天正元年)に明智光秀が領主となる際に戦国混乱の戦禍に遭遇し、社殿および記録などをことごとく焼失しますが、江戸期に入り1633年(寛永10年)に九鬼氏が綾部藩主となってからは代々崇敬が篤く、明暦年間(1655-58)には旧態に復したといい、現在の社殿は江戸後期の1796年(寛政8年)に再建されたもので、拝殿唐破風の「龍の丸堀り」などの彫刻に見ごたえがあるといい、本殿・幣殿・拝殿は1984年(昭和59年)に京都府指定の有形文化財となっています。
また茅葺き屋根の「絵馬殿」は1863年(文久3年)の再建で、舞台では浄瑠璃、農村歌舞伎などが演じられたといい、現在は江戸時代に奉納された多数の絵馬が飾られており、絵馬の量・質は丹波一を誇るといい、こちらも京都府指定の有形文化財です。
当社に参詣することを古くより「大原志(おおばらざし)」といい、俳句の季語として詠まれたほか、近松門左衛門の浄瑠璃にも採り上げられ、安産祈願・万物生産の神様として公卿諸侯の参拝も多かったといい、社記には公家の清水谷家、北大路家、日野大納言家、宇和島藩主・伊達家などの安産祈願の記録が残っているといいます。
また江戸時代には社勢を伸ばすために配札所が設けられ、山城地域の配札拠点となったのが、京都市下京区善長寺町の綾小路通沿いにあり京都の三大祭「祇園祭」の山鉾の一つである「綾傘鉾」の会所となっている「大原神社」だといいます。
更に大原神社を語る上でもう一つ外せないのが、神社前の川を隔てて対岸にある「大原の産屋(うぶや)」で、大原では女性は出産の際に12把のワラ(うるう年は13把)を持ち込み、出入口に魔除けとして古鎌を吊り、7日間籠って出産していたといい、この習俗は大正年間まで、また産後に三日三晩(ないし1日1夜)籠る習慣は1948年(昭和23年)頃まで続いていたといいます。
建物自体も非常に貴重なもので、茅葺き・切妻屋根をそのまま地面に伏せたような形の「天地根元造(てんちこんげんづくり)」という古事記にも著された「戸無き八尋殿」を想像させる古い建築様式を模倣しており、古くより使われていましたが、現存するものとしては国内唯一ともいわれ、古来のお産の習俗を今に伝える建物として京都府有形民俗文化財に指定されています。
更に大原神社と合わせた周辺一帯は福知山市の「福知山十景」となっているほか、「美しき命の源流・うぶやの里・大原」として京都府景観資産に登録されています。
また産屋を神、先祖との連続した魂の再生の場、聖なる時空と見て、内部の土間の砂は「子安砂」と呼ばれ、大原神社の安産の神符として授けられ、安産の聖地「うぶやの里」として信仰の対象にもなっているといいます。
この他にも町並みを一望できる山腹に位置する緑豊かな境内には江戸期に再建された本殿や茅茸屋根の絵馬堂が配置され、神社近くには全国的にも数少ない産育習俗を伝える産屋が保存されているなど、歴史的風土が保持されているとして神社の森一帯が「大原神社文化財環境保全地区」となっているほか、「京都の自然200選」にも選定されています。
大原神社(大原の産屋)の施設案内
境内
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参道石段と「府社 大原神社」社号標
府道59号沿い
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「大原神社と大原八景」の案内板
門前向かい
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水門神社
石段の途中右側に入口、鳥居の奥に社
大原地域を襲った大洪水があったため、水難除けから建造されたと伝わり、現在の建物は1852年(嘉永5年)の再建
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手水舎
石段上がって鳥居の手前左
龍の取水口
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手洗所
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絵馬殿(絵馬堂)
石段上がって鳥居の手前右
1863年(文久3年)の再建で京都府指定の有形文化財で
2018年(平成30年)に屋根の葺き替え工事が完了
絵馬の量・質は丹波一を誇るという江戸時代に奉納された絵馬を多数掲げる
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鳥居
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参道石橋
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広場
参道の正面右側
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大原神社御鎮座1150年大祭記念碑
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参集殿
本殿への石段手前左
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本殿への石段
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本殿
1796年(寛政8年)の再建で、本殿・幣殿・拝殿が京都府指定有形文化財
拝殿の龍の彫刻は必見
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由緒書
本殿手前右
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五社
本殿右
左から牛王神社(小童命)・稲荷大明神(倉稲魂大神)・大河大明神(罔象女命)・玉政権現(磐筒男神磐筒女神)・恵比須社(事代主命)
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神輿庫
本殿右隣
1850年(嘉永3年)の再建
右奥が農村公園への近道との表示板あり
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絵馬掛
石段上がって本殿手前左
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社務所(授与所)
本殿手前左、絵馬掛の隣
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犬の像
社務所前に可愛らしい犬が2体
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火之神神社への参道
本殿正面左手の社務所のそばから参道が伸びる
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「大原神社文化財環境保全地区 神社の森一帯」の標柱と御神木
七社の右隣
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七社
左から飛瀧峯社(ひろうほうしゃ)(鮭魚化神)・波袮山媛社(埴山比売命)・瘡神社(宇摩志摩遅命)・八幡宮(誉田別命)・若宮(若宮比売命)・木神社(久久能知命)・祇園社(素戔嗚尊)
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火之神神社
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大原の産屋
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橋
門前向かいの川合川に架かる
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川合川
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川合川沿いの道
春には桜並木となる
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大原の産屋(うぶや)
神社前の川を隔てて対岸にある小さな茅葺きの小屋
茅葺き・切妻屋根をそのまま地面に伏せたような形の「天地根元造(てんちこんげんづくり)」という古事記にも著された「戸無き八尋殿」を想像させる古い建築様式を模倣しており、古来のお産の習俗を今に伝える建物として京都府有形民俗文化財に指定
その昔、大原では女性は出産の際に12把のワラ(うるう年は13把)を持ち込み、出入口に魔除けとして古鎌を吊り、7日間籠って出産していたといい、この習俗は大正年間まで、また産後に三日三晩(ないし1日1夜)籠る習慣は1948年(昭和23年)頃まで続いていたという
大原神社と合わせた周辺一帯は福知山市の「福知山十景」、「美しき命の源流・うぶやの里・大原」として京都府景観資産、また「産屋と産屋岩」として「大原八景」の一つでもある
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産屋岩
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お釜さん
「大原八景」の一つ
鮭の化身が大原神社の神様を迎えたといういわれがある水面に映る石灰岩
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うぶや地下道
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うぶやの里ロードパーク
国道173号沿い
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秋葉山展望台
展望台からは大原神社と町並みの眺望を望むことができ「大原八景」の一つ
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大原の大杉(御旅所)
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府道59号
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坂道
第一駐車場と門前石段の左手とを結ぶ
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第一駐車場
府道59号沿い、境内の西側にある
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丹波大原郵便局
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大原バス停
そばに神社駐車場入口とイチョウの木
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大銀杏
「大原八景」の一つで、バス停そばにあるイチョウの巨木
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大原の大杉(御旅所)
「大原八景」の一つで、門前より府道59号を西へ進んだ先にある
神社の御旅所にあたるため「オタビスギ」の通称
樹齢約700年、樹高24m、幹周6.6m
「大原神社のスギ」として福知山市指定文化財天然記念物に指定
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関連
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大原神社(綾傘鉾会所)(おおはらじんじゃ)
京都市下京区善長寺町の綾小路通沿いにある
京都三大祭の一つである「祇園祭」の山鉾の一つ「綾傘鉾」の会所として知られているが、江戸時代には社勢を伸ばすために設けられた山城地域の配札拠点であったという
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大原神社(大原の産屋)の主な年間行事・カレンダー
年中行事
- 1/1
歳旦祭・初詣
年明け0時より太鼓の合図で「歳旦祭」、開運招福の梅こんぶの授与あり
三が日は日没から社殿がライトアップ、境内では焚き火も焚かれる- 2月節分
火之神々社鎮火祭(ほしずめまつり)・節分祭
「鎮火祭」は井桁(いげた)に組んだ火炉を設け、これが燃え上がった頃に火を消して火難の予防を祈る火伏せの神事
「節分祭」は2日夜に大原地区全戸を回って厄(鬼)を集める鬼迎えをした後、3日夜19時からは本殿で節分の「追儺式(ついなしき)」があり、江戸時代に始まったという豆まきは「鬼は内、福は外」と珍しい掛け声がかかる
豆に打たれた鬼は本殿へと逃げ込み、神の力で改心して福の神となって参拝者の前に再び姿を見せ、最後は景品付きの福豆をまく- 5/2・5/3
春季例大祭
5/2 宵宮祭
落語やビンゴ大会など様々な催し物を開催
5/3 本宮祭(神興渡御)
御旅杉まで「大人神輿」が街道を練り歩くほか、絵馬殿では芸能や「福餅まき」も
神輿の担ぎ手には福知山公立大学の学生も参加
軽食コーナーやフリーマーケット、うぶやの里カフェなども同時開催- 5月末
御田植祭
かつては御供田(ごくんで)という地区で取れたお米を神社に供えていたという
現在の行事は神社が鎮座する川合地域にて少子高齢化の中での担い手不足を補い農業を守ろうと農業振興も兼ねて2006年(平成18年)より始められたもの
産屋前の田で五穀豊穣を祈願して行われているといい、昔ながらの菅笠(すげがさ)に絣のもんぺ姿の早乙女たちが大原練り込み音頭に合わせて田植えを行う
お田植儀式の後は飛び入りで田植えの体験が無料でできる- 11/1~11/30
七五三詣
- 12月第1日曜
交通安全祈願