海住山寺
国宝五重塔で有名、聖武天皇勅願で奈良時代創建の古刹
真言宗智山派。奈良の都を一望できる標高473mの三上山中腹に位置。 735年大仏造立を祈願し平城京の鬼門守護のため聖武天皇勅願で創建。 厄除けと国宝五重塔で知られ毎年10月内部の四天王像を公開。重文の文殊堂、本尊十一面観音菩薩など寺宝も多い。 やる気地蔵やなすのこしかけ、ヤマモモの巨木も見所
海住山寺とは?(基本データ)
- 名前
- 海住山寺(かいじゅうせんじ)
- エリア
- 木津川
- ジャンル
- 建立・設立
- 735年(天平7年)、大仏造立平安祈願(平城京の鬼門にあたる海住山寺付近の地を守護)のため聖武天皇の勅願を受け、東大寺の初代別当・良弁が十一面観音菩薩を安置し「藤尾山 観音寺」を創建
1137年(保延3年)、火災により全山焼失
1208年(承元2年)、念仏専修の浄土教を激しく批判し南都仏教再興に努めた笠置寺の解脱上人貞慶により「補陀洛山 海住山寺」として中興
1214年(建保2年)、貞慶の後を継いだ慈心上人覚真により貞慶の一周忌供養として五重塔を建立
近世まで興福寺(法相宗本山)の支配下、明治以降は真言宗智山派に - 創始者
- [開基] 伝・良弁
[勅願] 聖武天皇
[中興] 貞慶 - 宗派
- 真言宗智山派
- 山号
- 補陀洛山(ふだらくさん)
- 本尊
- 十一面観音
- 寺紋
- 札所等
- 仏塔古寺十八尊霊場会 第3番
京都南山城古寺の会 第6番 - アクセス
- 駐車場
- 門前駐車場
├普通車30台 無料
└小型マイクロバス5台 無料
※大型バス進入不可 - 拝観料
- 本堂拝観(入山料を含む) 400円
入山のみ(ハイキング・写真撮影・散策等) 100円
※特別開帳拝観は別料金 - お休み
- 無休
- 拝観時間
- 9:00~16:30(受付16:00まで)
- 住所
- 〒619-1106
京都府木津川市加茂町例幣海住山20 - 電話
- 0774-76-2256
- FAX
- 0774-76-2256
- 公式サイト
- 海住山寺
海住山寺 Twitter
海住山寺 Facebook
第3番 補陀洛山 海住山寺 仏塔古寺十八尊霊場会
海住山寺 南山城の古寺巡礼 京都南山城古寺の会
南山城十一面観音巡礼 海住山寺
海住山寺の地図
海住山寺のみどころ (Point in Check)
京都府木津川市加茂町例幣、京都府南端の木津川市にあるJR加茂駅から北へ、恭仁京のあった瓶原(みかのはら)地区を見下ろす標高473mの三上山(海住山(かいじゅうさん))の中腹に位置する真言宗智山派の寺院。
山号は補陀洛山、本尊は十一面観世音菩薩。
奈良時代、恭仁京が造宮されり約6年前の735年(天平7年)、盧舎那仏(奈良の大仏)の造立を発願した聖武天皇の勅命により、工事の平安を祈願して東大寺の初代別当・良弁(ろうべん)に一宇を建てさせたのがはじまり。
寺の縁起では寺院建立の際に地面より湧出したと伝わる十一面観音菩薩像を本尊とし当初は「藤尾山 観音寺」と呼ばれ栄えますが、平安後期の1137年(保延3年)に火災で伽藍を焼失してしまいます。
その後、鎌倉時代の1208年(承元2年)に法相宗の僧で南都随一の学僧と名高かった笠置寺の解脱上人貞慶(じょうけい 1155-1213)が、観音寺跡に草庵を結んで移り住み「補陀洛山 海住山寺」と改めて中興。
貞慶は元々は興福寺に属したが、南都仏教の堕落と俗化を憂い、1192年(建久3年)に南山城の笠置寺に移り、当時勢力を増しつつあった専修念仏の浄土宗を激しく批判し、戒律の復興に努めた人物で、また「海住山寺」の名は、観音霊場であることにちなみ、海は観音の衆生を救済しようという誓願の広大であることを表わしてそこに安住するという意味があるといい、インド仏教において観音の住みかは南方の海中にある補陀落山にあるとされていることになぞらえているといいます。
そして更に貞慶の後を継いだ慈心上人覚真(かくしん 1170-1243)(藤原長房)は先師の遺志を受け継いでますます戒律を厳しくし伽藍の復興に努めたといい、その後、寺運は隆盛に達して最盛期には58の塔頭が立ち並ぶ大寺院だったといいますが、豊臣秀吉によって「太閤検地」が行われた天正年間には現在の本堂を中心に整備統一され、明治期に法相宗本山・興福寺の末寺から真言宗智山派となり現在に至っています。
現在はとりわけ厄除寺として知られ、現世利益の根本道場としてし知られていて、1万坪の境内には、国宝の五重塔や重文の文殊堂をはじめとする数多くの堂宇が整備されているほか、やる気地蔵をはじめとするさまざまな地蔵が境内を訪れる参拝者を温かく見守っています。
そして海住山寺を最も有名にしているのが、1214年(建保2年)に慈心によって建造された「五重塔」で、現存する鎌倉時代に建造された唯一の五重塔であることから国宝にも指定されています。
また高さがわずか17.1mしかなく、屋外にあるものとしては室生寺の五重塔に次いで日本で2番目に小さいものである点や、仏舎利を納めるための建物として建てられたことから仏間とされる1階(1層目)には心柱を通さず、心柱が2階(2層目)から上へと伸びているのも非常に珍しく、更に1962年(昭和38年)の解体修理にあたっては初重の屋根の下の「裳階(もこし)」が復元されていますが、この初重の軒下に裳階(もこし)を持つという五重塔は、現存する五重塔の中では奈良の法隆寺と海住山寺のみという珍しいものです。
その他にも仏舎利を安置する厨子のある内陣の8枚の扉には建立当時に色鮮やかな彩色で描かれた梵天や帝釈天、比丘像などが描かれているなど内部の装飾が美しいことでも知られ、これら内陣の様子は通常拝観時には見ることができませんが、紅葉の見頃の時期に合わせるように毎年10月下旬から11月上旬の時期に「海住山寺文化財特別公開 五重塔開扉」として、他の数多くの貴重な寺宝などとともに特別公開されています。
海住山寺の施設案内
境内
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道標
境内入口
ここから800m
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総門
境内へと向かう道の途中にあり、車・タクシーなどで訪れた場合はこの門をくぐることはない
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参道
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石段
山門へと続く
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山門
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駐車場
山門への石段を登らずにまっすぐ進むと右手に駐車場があり、境内の北側に出る
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分岐
駐車場から坂を上った先
右は本坊への参道、左が境内の北口になっていて山門の前に出る
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寺号標
境内の北口の入口左側、大師像の横に建つ
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修行大師像
鐘楼の横
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鐘楼
山門くぐってすぐ右手
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茶所
山門くぐってすぐ左手
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WC
茶所の隣
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五重塔
本堂向かって左側
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解脱上人・慈心上人墓所への入口
五重塔の左奥
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薬師堂(開山堂)
五重塔の左奥
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三社明神
本堂の正面左手にある鎮守社
天満宮、春日大明神、稲荷大明神の三社を祀る
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石仏群
本堂と三社の間
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良弁杉
本堂の正面左横
樹高24m、幹周3.85m
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本堂
1884年(明治17年)の再建
本尊・十一面観音立像を安置
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賓頭盧様
本堂内右手
自分が患っている部分を撫でて体の同じ部分を撫でると病気が治るといわれている
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おみくじ掛け
本堂前
五重塔の形をしているのが特徴的
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岩風呂
本堂前
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茄子の腰掛
岩風呂の横
茄子の花が一つの無駄もなく実を結ぶことから、また「成す」とかけ、努力は報われて何事においても願いは叶えられるということから縁起物として境内に置かれているという
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文殊堂
本堂の北側
近世の文殊菩薩騎象像が安置されたことで文殊堂と呼ばれたが、貞慶十三回忌の追善願文に経蔵を建立することが記されており、これに当たるといわれている
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やる気地蔵
文殊堂の正面左横
何くそ何くそ何くそと祈ると表札
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本堂右横の分岐
地蔵などが集中している箇所があり、そこから本堂正面と本堂裏と遥拝所と本坊入口へ行けるようになっている
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水子地蔵
本堂右横の一角
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苦抜き観音・苦抜き地蔵
本堂右横の一角
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もち上げ大師
輪廻塔の左隣
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輪廻塔
本堂横
中にはめ込まれている輪廻車を一心に回すと諸々の苦悩から抜け出すことができるという
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ぼけ止め地蔵
本堂裏右手
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一言地蔵
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十三重石塔
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宝篋印塔
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稲荷社
本堂裏
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遥拝所への山道
本堂の横から西へと山道が続く
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ヤマモモ
本堂の右手
樹高12m、幹周5.9mで京都府で最大
「京都の自然200選」にも選定
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分岐
二股になっていて右が納骨堂、左が遥拝所への階段になっている
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納骨堂
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鳥獣供養塔
分岐から左の階段を上がる途中の右手
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遥拝所
階段を上がった先は広場のようになっている
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隆範大僧正頌徳碑
広場へ上がって右手
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忠魂碑
広場へ上がって正面突き当たり
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遥拝所からの眺望
広場へ上がって左側(南)に眺望が広がり、春日、金剛、葛城、大峰山などが見渡せる
紫式部の曾祖父である中納言兼輔もこの景色を眺め「みかの原 わきて流るる 泉川 いつ見きとてか 恋しかるらむ」という歌を残しており、「百人一首」にも採用されている
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土蔵
本堂右横
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本坊入口
土蔵の裏から本坊へ通じている
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町石
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本坊
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本坊庭園
江戸時代の作庭で、庭の向こうに見える仏生寺山を借景として取り入れているという
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五輪塔
本坊庭園内
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奥書院
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奥の院
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本坊門
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周辺
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海住山寺口交差点
海住山寺まで1.7kmの看板が立っている
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木津川
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恭仁大橋
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関連
海住山寺の主な年間行事・カレンダー
年中行事
- 1/1~1/3
初詣
新年初護摩・御祈願(家内安全・交通安全等)
- 2/3
節分星祭祈祷
- 3月上
厄除大祭
本尊・十一面観音は厄除けの観音様として信仰を集めており、2月から3月にかけて「やくよけまいり」が行われる
9:00より厄除護摩祈祷
希望者には有料にて厄除御飯が供されるほか、甘酒の接待も- 4/17
御影供(みえく)
11:00より本尊大法要(十一面観音菩薩)、大般若転読
- 10月最終土曜より2週間
文化財特別公開 国宝五重塔開扉
- 12/18
中風封じ 大根炊き
- 12/31
除夜の鐘
一般参拝者も撞くことができる
整理券を配布、一部事前の電話受付