十輪寺(業平寺) 京都観光

十輪寺(業平寺)

十輪寺(業平寺)

 

 

十輪寺(業平寺)とは?(基本データ)

名前
十輪寺(業平寺)(じゅうりんじ(なりひらでら))
エリア
西山・乙訓
ジャンル

寺社 茶室 安産・子授け

建立・設立
850年(嘉祥3年)
寛文年間(1661~1673年)、再興
創始者
[開基] 第55代・文徳天皇(もんとくてんのう)
[再興] 藤原北家流左大臣・花山院定好
宗派
天台宗
山号
小塩山(おしおざん)
本尊
延命地蔵菩薩
ご利益
縁結び、子授け、安産、厄除け・開運、延命
寺紋
 
札所等
京都洛西観音霊場 第3番
アクセス
駐車場
自家用車15台、バス3台(無料)
拝観料
拝観料 400円(桜の時期は500円)
御朱印 300円
お休み
法要の行事のある日
拝観時間
9:00~17:00
住所
〒610-1133
京都府京都市西京区大原野小塩町481
電話
075-331-0154
FAX
075-331-0154
公式サイト
なりひら寺 十輪寺

十輪寺(業平寺)の地図

十輪寺(業平寺)のみどころ (Point in Check)

京都市西京区大原野小塩町、善峯寺の1.5kmほど手前にある天台宗の寺院。
山号は小塩山(おしおざん)、本尊は延命地蔵菩薩。

詳しい創建の経緯については不明ですが、平安初期の850年(嘉祥3年)、第55代・文徳天皇(もんとくてんのう 826-58)が染殿皇后(そめどののきさき 829-900)(藤原明子(ふじわらのあきらけいこ/めいし))の安産祈願のため伝教大師最澄作の延命地蔵を安置したのがはじまり。

これによって後の第56代・清和天皇(せいわてんのう 850-81)が誕生し、寺は藤原氏の祈願所となり発展したといい、また皇后が出産の際に地蔵菩薩のお腹に巻かれていた腹帯を自分のお腹に巻いたことにちなんで「腹帯地蔵尊」とも呼ばれ、「子授け・安産」のご利益で知られるようになり、毎年8月23日に年に1度だけ御開帳されています。

その後「応仁の乱」の兵火で一時は荒廃しますが、江戸初期の寛文年間(1661-73)に藤原北家の系譜を引く公家・花山院定好(かざんいんさだよし 1599-1673)によって再建されました。

そして本堂は江戸中期の1750年(寛延2年)に右大臣・藤原常雅により再建されたもので、屋根が鳳輦の形をしているのが珍しいといい、またこの時に造られたという中庭は「立って見る」「座って見る」「寝て見る」という3つの見方で感じ方が変わることから「三方普感の庭」と呼ばれていて、寝ながら庭園を楽しむことができるのは非常に珍しいといえます。

本堂にはこの他にも第65代・花山法皇(かざんほうおう 968-1008)が「西国三十三所巡礼(西国観音霊場)」を再興した時に背負ったと伝わる自作の「草分観世音(くさわけかんぜのん)」があり、「禅衣観音(おいずるかんのん)」とも呼ばれて信仰を集めていて、西国三十三所巡りをする人は一番最初にお参りしなければならない観世音とされています。

また十輪寺は平安初期の歌人で六歌仙、三十六歌仙の一人である在原業平(ありわらのなりひら 825-80)が晩年隠棲したと伝えられているゆかりの寺であることから「業平寺(なりひらでら)」の通称でも知られています。

「在原業平」は平城天皇の皇子阿保親王(あぼしんのう)と桓武天皇の皇女である伊登内親王(いとないしんのう)との間に生まれ、826年に兄・行平らとともに在原姓を賜り、蔵人(くろうど)、右馬頭(うまのかみ)、そして右近衛権中将(うこんえのごんのちゅうじょう)などを経て蔵人頭となりました。そして在原の五男で中将だったので「在五(ざいご)」と呼ばれ、また権中将となったため「在五中将」とも呼ばれたといいます。

歌才に恵まれ、古今集仮名序に六歌仙随一の歌人として「心あまりて詞(言葉)たらず」と評されているなど、その歌風は詠嘆が強く情熱的で「古今和歌集」をはじめとする勅撰集に88首と数多くの歌が収録されているほか、家集「業平集」が「三十六人集」の中に収められています。
「伊勢物語」は業平をモデルに主人公として描いた歌物語といわれていて、紀貫之もその著書「土佐日記」において尊敬の念を抱いていたと記しています。

その一方で容姿が美しく、清和天皇の女御となった二条后こと藤原高子(ふじわらのこうし/たかいこ 842-910)や伊勢斎宮・恬子内親王(やすこないしんのう)との密通などその自由奔放な振る舞いで色好みの典型として伝説化され、美女の小野小町に対する美男の代名詞として、後世の様々な文芸の題材とされています。

代表歌としては、まず桜について詠った歌として
「世の中に たえて桜の なかりせば 春の心は のどけからまし」

そして紅葉について詠った歌で、「小倉百人一首」にも選ばれている
「ちはやぶる 神代も聞かず 龍田川 からくれなゐに 水くゝるとは」

藤原高子との密通によって東下りとなり都への望郷の念を詠ったという
「から衣 きつつなれにし つましあれば はるばるきぬる たびをしぞ思ふ」
「名にし負はば いざこと問はむ 都鳥 わが思ふ人は ありやなしやと」

そして藤原高子との障害の多い恋愛関係について詠んだ
「月やあらぬ 春や昔の 春ならぬ 我が身ひとつは もとの身にして」

このような業平にゆかりの寺院として芸事上達・縁結びの信仰があるといい、またその他にも境内には業平の墓とされる「宝篋印塔」があるほか、業平が塩を焼きその煙で藤原高子への思いを伝えたとされ周辺一帯の「小塩」の地名の由来にもなっているという「塩釜跡(しおがま)」があり、更に行事としては毎年5月28日の業平の命日に執り行われる「業平忌三弦法要」や11月23日には前述の塩釜にちなんだ「塩がま清めの祀り」などがあります。

この他にも豊かな自然に囲まれた境内では四季折々の景色も楽しむことができ、中でも中庭に植えられている樹齢約200年の枝垂桜は通称「なりひら桜」と呼ばれ、桜の名所として親しまれていて、2014年(平成26年)のJR東海の「そうだ 京都、行こう。」の春のキャンペーンの舞台にもなっています。

また夏には大きな睡蓮、秋は参道の「なりひら紅葉」など境内一円で美しい紅葉が楽しむことができ、更に近年はこれらの四季折々の季節や各節句に合わせて美しくユニークな御朱印が頂けるとして人気を集めています。

十輪寺(業平寺)の施設案内

 

境内

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    門前

    府道208号沿いの境内南側に入口
    駒札と寺号標
    正面の石段を上がっていくと境内へ通じているがこちらからは入れず右奥へと続く参道から迂回する

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    駐車場

     

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    参道入口

    境内南東側の駐車場へ入口の手前にある

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    参道

     

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    石段

     

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    山門

     

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    寺務所

    山門くぐって正面 拝観受付となっている

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    山門くぐってすぐ左
    ここから境内へと入場
    「普感場」と名前がついている

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    参道

     

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    庭園

    門をくぐって参道の左手、高廊下の前
    睡蓮も咲く

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    蹲踞

    本堂前右側にある手水鉢

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    大樟樹

    本堂前にあり、樹齢800年と伝わる
    本尊の地蔵菩薩の神通力により一夜にして大樹になったという言い伝えがあるという

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    業平紅葉

    大樟樹の左隣にある楓の木

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    本堂

    1750年(寛延3年)の再建、京都府指定文化財平成元年4月14日指定
    ゆるやかな曲線を描く本堂の屋根は、鳳輦形(ほうれんがた)と呼ばれ御神輿をモチーフにしているという

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    高廊下

    本堂から右手へ続く

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    業平御殿

    江戸時代のふすま絵は神仏分離令後の廃仏毀釈により失われたものの、日本画家・黒田正夕により復元され、32面にわたる極彩色の王朝絵巻となっている

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    茶室

    非公開

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    三方普感の庭(さんぽうふかんのにわ)

    高廊下・業平御殿・茶室に囲まれた小さな庭
    「普感」とは仏の遍万している大宇宙を感じるという意味で、高廊下からは天上界、茶室からは現実世界、そして業平御殿からは極楽浄土と3つの世界に見立て眺めることができるという
    また「立って見る」「座って見る」「寝て見る」という3つの見方で感じ方が変わることからこのように呼ばれているとも
    武士の世の中であった江戸時代だが、公家たちは小さな空間でも見方を変えることで様々に楽めるとこのお庭を考案したという

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    なりひら桜

    大小の石が並ぶ苔むした三方普感の庭の中心に根を張る巨木で樹齢200年ともいわれる
    山門をくぐってすぐに見られる屋根から溢れんばかりの桜の姿のほか、業平御殿より見上げた時の庭を覆い隠すように咲き誇る姿や、裏山の方から見下ろす構図など、色々な角度から楽しめる
    2014年(平成26年)の「そうだ 京都、行こう。」の春のキャンペーンではこのをメインとした写真が使用された

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    参道

    本堂の左側から奥へ進み本堂裏手へ

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    鐘楼

    本堂のそば
    1666年(寛文6年)の建立で1989年(平成元年)4月14日に京都府指定文化財に指定
    梵鐘は何か決められない事があればこの鐘を撞くと決心がつくことから「不迷鐘(まよわずのかね)」と呼ばれているという

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    石仏

     

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    道標

    在原業平御墓・塩がま跡の表示
    塩釜跡や宝篋印塔へ続く

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    石段

    道標を更に進むと見えてくる
    入口の左側に「業平朝臣の墓 塩がまの旧跡→」の表示板がある

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    本堂となりひら桜の遠景

    石段の途中では鳳輦形の本堂や枝垂桜を上から眺めることができる

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    宝篋印塔

    「在原業平卿之墓」の石標がそばに建てられている

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    参道

     

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    塩釜跡

    裏山の一番奥にあり、業平が塩焼きの風流を楽しんだことにちなみ近年になって復元された
    在原業平がかつての恋人である二條后・藤原高子が大原野神社を参詣した際、山を隔てたこの地で塩を焼き、その煙に自分の思いを託したという
    その故事にちなんで毎年11月23日には「塩竈清祭」が行われる

周辺

十輪寺(業平寺)の主な年間行事・カレンダー

年中行事

5/28
業平忌 三弦法要

5月28日56歳で没した命日に供養
三味線に似た十輪寺伝統の三弦に合わせて声明を唱え、京舞や生け花などが奉納される
12:00
拝観料 1,000円

6月第3日曜
声明と三弦を聞く会

13:30

8/23
本尊延命地蔵菩薩の御開帳

11:00

11/23
塩竈清めの祭り(しおがまきよめさい)

塩竈の清めた後に火が焚かれ、三味線に似た十輪寺伝統の三弦を使用し声明が唱えられる
お清め役や点火役は参拝者の希望者から募り、誰でも参加できるという
13:30

月並行事

 
 

 

花ごよみ

 
桜(サクラ)

 

 
睡蓮(スイレン)

 

 
紫陽花(アジサイ)

 

11月中
紅葉(こうよう)

なりひら楓など全山で

十輪寺(業平寺)のレポート・旅行記

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